のっぺら某さんのシリトリ
2002 | |||
12345678910111213141516 | 12345678910111213141516 | 12345678910111213141516 | |
09/17 | 「あのころ」が沈む湖 あなたも持っている せめて水切りしてやりたい その「あのころ」には近づけぬから のっぺら某 |
夕方肩がガッタガタ 明け方股がガッタガタ あなたの姿ガッタガタ 尖った鉈もガッタガタ のっぺら某 |
|
09/03 | |
デジタル心臓 移植して 不連続なハート得る 愛の数値も離散的 のっぺら某 |
たまらないよね たまはないよね 剃った毛見つめ 股舐める猫 のっぺら某 |
08/27 |
またくるね げんまんすれば 良かったと 短い小指がうつむいた のっぺら某 |
ぢりぢりと ぢりぢりと 迫るものを 頭突きで粉砕 のっぺら某 |
凛々とした 大気の清冽 早くおいでよ 私を律せよ のっぺら某 |
07/25 |
広がる波紋 ゆらゆらりゆら 水切り指きり 記憶呼ぶよに のっぺら某 |
雨宿り せずに 駆け出す 自棄が好き のっぺら某 |
へっちゃらな 顔が得意です バリアを張っちゃう 弱虫です のっぺら某 |
07/09 |
外国船に乗りたいな 水平線のところから 空にはしごを かけたいな のっぺら某 |
開いてくれた ことばがぽつり 宝の箱にありました 涼しい風が吹きました のっぺら某 |
|
07/02 |
夜。神。ヒトトキ。降リテキタ。 スベテノ霧ガ く り あ ーに晴レ コノ世ノ真実ガ 見渡セタヤフニ思ワレタノダガ のっぺら某 |
神ハキマグレナコトダ 朝目覚ルト森羅万象ハ アイカワラズニ藪ノ中ナノダ ソシテ寝床ニハワガカバネ のっぺら某 |
ヒトトキハミルフィーユノヨウニ オビタダシクモ折リ重ナッテ 混沌ノ美ノムクロヲ投ゲ出ス 悲シイ色/明ルイ色/絶望イロ/弾ム色 のっぺら某 |
夜/神/ヒトトキ/ノ謎ガ 私ヲ泣カセル 解けることのない謎ノ迷路デ 彷徨ウ自分タチガイトオシイ のっぺら某 |
|||
06/18 |
なまえもいらないおもいがひとつ なづけたりなどしたくない だまってこっそり そよがせといて のっぺら某 |
ないしょはいいね それだけで ぷれみあついた あのことに のっぺら某 |
木に逢うと 畏敬の念に包まれる 動かない声を出さない 永き見守りの偉大さに のっぺら某 |
06/04 | 今から禁艶します ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そんな奴は私として失格 のっぺら某 |
画面であること忘却の客 銀幕の中遊ぶのは霊(たま) 母でもないし娘でもない たまたまであったたまふたつ のっぺら某 |
カギ穴ノムコウ 宝ハ眠ルハズ 開ケズニイラレヌ 人間金庫破リ のっぺら某 |
05/21 | とまらない ジェットコースタ 乗りたいと 思う不埒な自分にビンタ のっぺら某 |
がんばれがんばれと叫ぶこと もうなくなった 横目で眺める運動会が やけに懐かしい のっぺら某 |
元の木阿弥 波が来て 砂のお城は平らかに 崩れることも美しい のっぺら某 |
05/14 |
これっきりってことばの ぷっつり途切れた感じに ゆさゆさゆさぶって 嘘だと言ってとすがる「ですか?」 のっぺら某 |
みてる?みてない? 後姿にあっかんべー みてる?みてない? 心の穴にあっかんべー のっぺら某 |
靴がひとりで旅に出た お供ばかりの人生に さらばと告げてすたすたと なのに挫折の出来事に 打ちのめされた彼だった だって「透明人間!?」と 悲鳴をあげられ気がついた 僕には所詮独り立ち できぬと知って笑っちゃう クッククックくつくつくつ のっぺら某 |
05/07 |
すこしわかった 霞んだ月と星々と 焚き火のはぜる 音が知らせて獣はひとり のっぺら某 |
違う人になる薬 それがホントのお前だと 木霊は囁く うるしはくねる のっぺら某 |
告げることばで すげる花緒の ぽっくり下駄で 歩んでみますあちらの方へ のっぺら某 |
04/23 | 許してねと言う こどもの眼が 首をかしげて 尻尾を振る犬 のっぺら某 |
「こっちこっち」と 針招く 時の行く先 眺めるうちに 「今」と私の鬼ごっこ のっぺら某 |
雨の香りを 嗅ぐと言う その人の背を 見つめてる 乾いた瞳に 大雨の 図を重ねてる 桃色OHP のっぺら某 |
04/16 | 伝わったかな以心伝心 殺意も愛も消毒したけど まっさらなまま ここにいるけど のっぺら某 |
シャツにアイロン ピンとかけ 折り目の筋は 完璧に 角を立てて 見せました 昨日のケンカの答えです のっぺら某 |
できたてだ ほかほかしてる きもちいい ほおずりしたら ねむっちゃう 私専用安眠機 のっぺら某 |
04/09 | よろこびはよろこびとして それをせき止める ザラリとしたもの 飲み下そう君の詩で のっぺら某 |
海へ走ったあの十里に 自転車のタイヤは刻む 17歳のぎざぎざぎざ 破れ心で仰ぐ日本晴れ のっぺら某 |
さわってごらんクールだよ さわってごらんウールだよ だまし絵みたいな 嘘ほんとフォントの文字 のっぺら某 |
03/19 |
いっぱい流れても許してね 望遠鏡逆さに覗くみたいにさ おまえと私の風景コマ落とし 卒業のあちらと対称に迫るから のっぺら某 |
近くになきや遠くにありや 油断ならぬはビビッドな こひやまひの幻影 寄らば切るゾ涙ながらに のっぺら某 |
ぞーりむしですからワタシ のらくらしますからね 繊毛運動しますからね さわさわさわさわっ のっぺら某 |
03/05 |
|
美はありますか
甘さを濾紙で取り除き
それでも私の成分に
残ってますか微粒子が
のっぺら某
|
|
02/26 |
なにもない
かのようで なにかあったからこその
天真爛漫 のっぺら某
|
気がつかないふり
されるのはイタイ
かといって謝られるのも
もっとシャク
のっぺら某
|
このごろごろごろ糸もつれ
結び目出来てほどけない
いじいじぶら下げ
でも知らん顔
のっぺら某 |
01/08 | たぶん あたし 濃縮コンク あなたの還元 待つジュース うすまるのって いい気分 にじむくらいで 良いお味 のっぺら某 |
道にケンパの跡 残された小石が呼ぶ すまして行き過ぎる 心で片足跳びしながら のっぺら某 |
ズッキーニな人 かたくって人見知り 挟み揚げにしたい じゅじゅっと のっぺら某 |
以下 2000〜2001
12345678910111213141516 | 12345678910111213141516 | 12345678910111213141516 |
いらなくなった年齢(とし)が のっぺら某 |
ウソツキかもめは のっぺら某 |
「決めたから。もう逢わない」って のっぺら某 |
寒いから 腹の底から がなります 応援歌ナンバーワンを 合いの手入れて のっぺら某 |
隙間好き のっぺら某 |
秘密だよ のっぺら某 |
冬が大好きぼたん雪 のっぺら某 |
森は隅々よく見える のっぺら某 |
愉快は快感 破壊も快感 誤解はいかん! 和解もカ・イ・カ・ン のっぺら某 |
理由はふたつ のっぺら某 |
「わかる気がする どの人も」 緑茶の湯気が そう言った 「そうね」の代わりに ずずずずず のっぺら某 |