cap verses / そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ

 

         苔虫さんのシリトリ

2005

12345678910111213141516 12345678910111213141516 12345678910111213141516
02/08 てくねってだけ聞こえて
なにをしてくのかわかんなかった
で夕日に聞いてみようって思った
わけでもないけどほかにすることない 

苔虫
からずっと見てたら
にじみながらゆれながら
こっちみて笑うみたいに
山の向こうにだまって沈んでった 

苔虫
不安でしょうがなくなったよだって
あいつも笑いながら行っちゃったし
夕日も笑いながら行っちゃったし
だから今待ってるトコ笑いながらね

苔虫
02/01
せつないと書いた手紙を
こぶねにのせて
おいらものって
さあ出発だ(どこへだよ)

苔虫
あわてないと書いたオフダを
オデコにはって
あわててはしって
一等賞!(脅しの道具かよ)

苔虫
いらないものに囲まれて
暮らせばだんだんうずもれて
いつしかオレも
いらないものに(うひー)

苔虫





2004

07/20 ポケットをたたくと
ビスケットが割れる
いくらたたいても
ビスケットは割れる

苔虫
食べられないカスを
つかんで空に投げたら
パッと光って広がった
そんな素敵なビスケットが欲しい

苔虫

07/13
砂浜で
せっせと穴を
掘るのはカニ
かに?

苔虫
おはようさん
きょうの雲は
たのしいね
さて

苔虫
この手にひとりを
抱きしめて
きょうもいちにち
がんばり真っ赤

苔虫
06/15 遺言も
遠い先ではござるまい
四季がまるで
四日のごたる

苔虫
感じるままに生きろと
説くアナタは
理屈で生きて
いませんか

苔虫
ギリギリで焦ってる時に
流れてきた
ホテルカリフォルニアに
シビレて動けず


苔虫
遺言に
なぞなぞを
出して
困らせたい

苔虫
感じる違和は
空から来て
ただ歩き回る
旅行者のうつろ

苔虫

03/09 あなたはマダラでシマシマで
怒ると湯気がメラメラで
そのくせどこかあたたかく
夕立ちみたいな土くささ

苔虫の精

毒は4月に広がって
無邪気なぼくらに忍びこみ
気づいたときには
「うぜーんだよ」などと毒づいている

苔虫青虫
姿は見えないだろうけど
彼女のことを想うだけで
仕事がスイスイ進むんです
だから彼女は秘書なんです

苔虫言訳議員






2003


12/23
今年のうちにとくわだてて
果たせなかった北海道が
物産展に山積みで
買って帰ってナベで煮たった

苔虫
とうちゃんとうちゃん
どこいくの
そっちにいったら
帰ってこれんよ

苔虫
くるしみもがき
それでも立って
決めゼリフ吐くアニメは
見るだけにしたいもの

苔虫
12/09 背中ポリポリかきながら
寝転んでテレビみてたって
明日はくるし年だって明ける
って誰かいってくれ頼むから

苔虫

11/25 並んで濡れて歩くのは
かっこよすぎて
恥ずかしいから
っていうのが相合傘の理屈なの

苔虫
金縛りにあってるオレを
デジカメで
撮ってほしいから
っていうのが同棲の理屈なの

苔虫
だからねプロポーズの理屈を
ずっと待ってるんだけど
ひらめかないから
っていうのが別れる理由かよ

苔虫
10/28
空にいる君に
気づかないとでも思ったかい
さあ降りてきて
昔話でもしようや

苔虫
沈んでいった芸人が
残していったボツネタが
パチンパチンて今もほら
泡とはじけてしらけ沼

苔虫
限界さんは意地悪で
ガラスの壁の姿して
行けないのなら見せなけりゃ
こんなにこがれることもないのに

苔虫
空に向かって言いますが
わたくし苦虫でも芋虫でも
ましてやヘコキムシでもなくて
苔むす苔虫なんですの

ヘコキムシ

10/07 ずしりだなんて重そうな
言葉でいくら飾っても
わたしの人生
ちゃんちゃら軽いす

ちゃんちゃら苔虫
右に曲がれといいながら
左手を指す恋人の
わたしの経験から言えば
たいてい左が正しいす

ちゃんちゃら苔虫
なのにわたしは
だってあなたの
かもめ飛ぶ飛ぶ
ちゃんちゃら演歌

ちゃんちゃら苔虫
09/16 猫なで声っていうけれど
そんな声をだしたって
オイラはぜったい
だまされにゃいぜ

猫け虫



猫の額だと?猫背だと?
チミねぇ容姿のことを
ずけずけ言うにゃよ
気にしてるんだからにゃー

猫煙氏



猫じゃらしだけはどうしても
だからやめれってばもう
体が勝手に反応しちゃって
あ〜んオイラで遊ぶにゃー

ね苔虫


07/08
夏だもんでもんでもんで
七夕だもんでここ来てもんで
天の川は広すぎて
アタシにはもうまたげんもんで

えっちやねん苔虫
嘘だけど好きだよ
嘘だけどずっと一緒にいたい
嘘だけど結婚しよう
嘘だけど信じてほしい

どっちやねん苔虫
ナンテりりしき
上腕筋
ナンテとぼしき
郵便貯金

まっちょやねん苔虫
嘘だけどばっかじゃないの
嘘だけど何言っちゃってんの
嘘だけど大っきらい
嘘だけど信じらんない

ばっかやねん苔虫

07/01 雨の日に取り乱し
「ぶっちゃけって言うな!」
と泣き叫ぶ16歳男を
鎮めるすべを私は持たない

苔虫
文字をじっくり
ひとつ書く
なにがなんでも
ぜったいに書く

苔虫
06/24 マルあげる
マルでござるかオデブですな
じゃあバツあげる
バツでござるか痛そうですな

苔虫
いっぱい
しょっぱい
しっぱい
かさねど

苔虫
消えないで
座り続けるゆうれいに
ほとほと困って
朝食をだす

苔虫
06/10

コドモから
お腹をとって
頭にのせたら
ほらドコモ

苔虫
06/03 消せない記憶を共にもつ
オトコを消しに行ったのさ
電車に乗って船乗って
冷酷無比に行ったのさ


消せない記憶を共にもつ
オトコは静かに目を細め
砂を噛むよな後悔で
背が縮んだよと笑うのさ


消せない記憶を共にもつ
オトコはそういや小さくて
そのうち自然に消えそうで
半分本気で励ました


消せない記憶を共にもつ
オトコとオレの二人ぶん
砂にナミダがボタボタと
冷酷無比もボタボタと

苔虫





05/13 あこがれに
近づくごとにフワフワし
いまや上空
旋回中

苔虫
なみだ
隠して
しり
隠さず

苔虫
くるくるまわる
ぷるぷるみなち
ころころわらい
つるつるこけた

苔虫
あこがれの
あの人の言う冗談に
しらけて
顔がこわばり中

苔虫


05/06 ひかりを詰めた
水筒を
下げていけたら
怖くないのに

苔虫

つぶつぶみたいな
あの星の
アフリカあたりを
君が吹く

苔虫
生意気盛りの
季節を詰めた
箱を土産に
悪魔のもとへ

苔虫
04/22


壁というのは
かたくて重くて
たたくと痛くて
シンプルで好き

苔虫
手というのは
ぶったりなでたり
握ったりつねったり
あんたナニサマ

苔虫
03/04 上の前歯が
抜けてる子供は
それだけで
ハッピーフェイス

苔虫
ラッキーが
のんきにストライクだった
時代は過ぎにけり
けむりはいずこ

苔虫
いたずらな朝がこっそり
私の家だけ
夜にしておいたんです
マジで寝坊じゃないんです

苔虫
02/04 アルバムが
私をつかんで離さない
だから変われないのだ
勇気とかじゃなく

苔虫

イジワルをしたくてしたくて
ニマニマいつも考えてるのは
好きだからでしょ
なんて言ったら絶交だからね

苔虫


01/21
口笛吹いてカエルが通る
誰も気づかず振り向かず
ジャンプ一番空を駆け
一人見上げる子供に合図

苔虫



口笛吹いてタヌキが通る
誰も気づかず振り向かず
わざと手を振り跳ね回り
踏みつけられて子供が笑う

苔虫



口笛吹いて天使が通る
誰も気づかず振り向かず
ハローワークに並んだら
資格を聞かれて苦笑い

苔虫







2002

12/17

暮れてとぼとぼ道すがら
赤い空背に電柱が
はよ帰りやと灯を点けた
お里は関西なんですね

苔虫
12/10 メールがタッタカ軽やかに
ステップ踏んで世界を駆ける
発した私は足首に
日常を巻きつけているというのに

苔虫
ひろがる
おでこ
ふるびる
おとこ

苔虫
かならず私
ごしごしタワシ
かな振る私
あなたのために

苔虫
12/03

迷子の言葉が夕焼けに
焼かれて雲になりまして
何してる?やマジ会いてーが
降り注ぐよな夜の雨

苔虫

11/26 ゆくえを誰に尋ねるの
立ち止まらずにまっすぐに
行けばどこかで会えるはず
さあポケットから手を出して

苔虫
あなたの心を
見透かすように
枯葉がくるくる
舞い落ちる

苔虫
11/19 たくさんの赤が
すこしの青に
敗れ去って
きょうもまた夜がくる

苔虫
波はその仕事で
いつも永遠だけを
語っているのが
美しさの秘訣

苔虫

10/29
ほどほどに来ればいいのに
ホントの敵はテレビと違って
曜日にかまわず来やがる為
と上目遣いに有給申請

(ガーマン苔虫)
三日後星人は三日後にきました
四日後星人は四日後にきました
五年後星人はまだいいけど
十年後星人じゃ引退してます

(ガーマン苔虫)
うなぎ星人はぬるぬるでした
うめぼし星人はシワシワでした
うたたね星人はうたたねでした
うきうき星人はウキウキわはは

(ガーマン苔虫)
10/22    
階段なんて怪談にくらべたら
ちっとも怖くないけど
すべったら怪談より痛いから
階段の勝ち

苔虫
10/08 占いでラッキーアイテムだったから
カバンに忍ばせた果物ナイフが
ずっと気になってうわのそらの
なにもない一日

苔虫

チケットがはらりと落ちて
次から次へと駆け巡りだす
思い出を文庫に戻して
パタンと閉じた

苔虫
09/24 残る問題は拉致問題です
とらわれたガーマンは
無断欠勤のうえ失業する前に
果たして助け出されるのでしょうか

(ですます苔虫)
髪は長い友達なのです
年賀状が年々減るように
長い友達も年々減るのです
排水溝での別れはつらいです

(ですます苔虫)
ぼくらはたぶん生きているけど
手のひらを太陽にすかしてみる
余裕がなくいつまでも真っ赤な
血潮を確認できず残念です草々

(ですます苔虫)
09/17 あのころは
あのころのまま
静かに
眠れ

苔虫
夕方は
おそろしい夜へと
私をいざなう
美しいワナ

苔虫
凍った心が
暴れだすのは
たとえばこんな
けだるい目覚め

苔虫
08/27
またくるねと言われ続けて
数百年
その人がそのあとまたきた
ためしがあるかて

苔虫
ぢりぢりとアタシの肌を突き刺した
憎いアイツがもうなつかしい
さよならサマーこんにちオータム
さあ焼き芋買いにゴータムよ〜

苔虫
リンリンごめんください
ガーマンといいますが
たしか住所このへんなんですけど
きてないですか?人類の敵

ガーマン苔虫
07/25
雨やどり
帰りたくないボクたちは
いつのまにやら
虹やどり

苔虫
07/16
晴れわたる空を
ぼんやり眺めている
戦う意味は
考えないようにして

ガーマン苔虫
さいこうさいこうアンタさいこうと
冷酒をおごってくれたおかみさんが
ボクのマントをしてゴキゲンで
接客してるので帰れないんです

ガーマン苔虫
07/09


07/02
夜遅く鳴る出動要請に
応えたいけどだめなんです
ああ残業でドライアイに悩む
我らがボランティアヒーロー

(ガーマン苔虫)
神よ我に力をと
渾身の力で戦うも
今度の敵は弱すぎて
なんだか泣けてきた

(ガーマン苔虫)
ひとときの後悔と放心を
ぎゅっと絞って
飲み干してしまえ
にがいけど立てるぞカーン

(オフサイド苔虫)


       
06/25 ただ見ていたいだけなのに
わたしの目は
もはや月に
ピントが合わない

苔虫
がまん「ガーマン」
われらがヒーロー
きょうも敗れて
雨にうなだれ

苔虫
大粒の雨に打たれて
空飛ぶガーマン
マスカラ塗って
雨でも安心

苔虫

  ⇒  
大根を踏んでしまって
われらがガーマン
一本一本つまんで直し
お礼にもらった大根にがし

苔虫
06/18
なまえも言えない
赤子でも
人間なのだ
この強い意志

苔虫
ないしょと言って
笑うから
なにも聞けずに
ねばりつく夜

苔虫
木にたたずんで
毛づくろい
飛べる日を待ち
毛づくろい

苔虫
なまえもいいけど
あたまもね
だっておいらは
ベッカメさ

オフサイド苔虫
ないしょで相手の
すね毛むしってるのは
ぜってー秘密だ
どーだ(戸田)わかったか

オフサイド苔虫
木餅ですバラをあなたに
おお気持ちでしたか
ニホンゴ取っ手ーも
むずかしいでぇすねぃ

オフサイド苔虫
   

← 鳥シェー監督と鳥シェー通訳
06/11
その人の長い影に
もう少しで追いつきそう
あとちょっとなのに夕立が
バシバシ叩いて消えちゃった

苔虫
大好き病は治ったか
見えるか立てるか
震えてないか
並木道を走ってみるか

苔虫
さぁ知らないな覚えてないよ
マジマジ これは違うよ
そこでもらったんだけどいる?
じゃ誕生日おめでとう

苔虫
06/04 今からパーッといきますか
パーッとどちらへいきますか
ええと行き場はないけれど
それならパーッと帰りますか

苔虫
画面に写るあなたの顔に
ヒゲを描いて笑ったり
涙を描いてしんみりしたり
ごめんだけは言えそうもなく

苔虫
カギは持ってるはずなのに
どうして耳や鼻の穴に
差しても回しても開かないの
あなたのキモチの鍵穴はどこ

苔虫
05/14 これっきりだと言い切ったきり
どんな涙にも振り向かず
黙ってビデオをみていたら
レイア姫に叱られた

苔虫
みてる じっと君をみてる
君は僕をいちどもみないで
バタンとドアを閉めてった
みてる じっとドアをみてる

苔虫
クツを忘れて飛びだした
仕方がないので草むらで
大きな葉っぱを足に履き
甲州街道南下中

苔虫
靴下をドキドキしながら覗いたら
飴がひとつはいってた
黙って食べてもういちど寝た
サンタのばか

苔虫
04/16 伝わったかな
だめかな
もういちど言うよ
それはリモコン電話はこっち

苔虫
シャツ
待つ

果てつ

苔虫
04/09 海へ
初恋を捨てにいった
浜辺で
自由を拾って帰った



海へ
青春を捨てにいった
浜辺で
寛容を拾って帰った



海へ
親を捨てにいった
浜辺には
なにも落ちていない



海へ
自分を捨てにいった
まぶしい海よ
私を許すな


苔虫


03/19
近くへ!もっと近くへ
うっ
なんか見えすぎ
遠くへ!ちょっと遠くへ

苔虫
象が巨体を揺するのは
檻がせつないからじゃない
おおきな耳が呼び寄せる
音楽を楽しんでいるのだ

苔虫
03/05 耳をすませば
セバスチャン
汗をふきふきG線上
タッタカ遊ぶよトッカータ

苔虫

02/26 なにもないばスキー場
ときめきも
であいも
なにも苗ばかスキー場

苔虫
気づかないフリフリパンツ
ねえ気づいてよピンクよフリルよ
恥ずかしのに高かったのに
そーれジャンプ〜いやーん

苔虫
このごろ
たべごろ
あじみは
だめよ

苔虫
02/05
まだ決めてないあれこれに
もう決めちゃった現実が
ひとつ重たくさがるたび
また歌声が低くなる

苔虫
ページをめくって
栞をクルクルして
畳でお昼寝したら
なつかしい匂いがした

苔虫
午後には一斉に雨が降り
ほてった地面が音を立て
土がもうもうと踊りだす
それが見たくて待っている

苔虫
01/08 たぶんでうすめ
かもねでうすめ
まんなかにスパイシーな
さようなら

苔虫
道でおしっこする勇気はある
なんならんーこも平気だぜでも
道でそりはちょっーとできかね
並んでロボット歩く並木道

苔虫
ずっとあなたが
スキップだった
なんだそれ
だってぇふにゅふにゅ

苔虫




以下 2000〜2001

  12345678910111213141516 12345678910111213141516 12345678910111213141516
青い鳥よ 空を抜け
澄む鐘よ 風に乗り
かなたにはこべ
鳴り止まぬ我が声

苔虫

味とは
舌という触角で
追求する快楽に
名づけた欲望詞

苔虫

あきらめて知る勇気の力
思い込みの破壊力
バカのひとつ覚えの持続力
若気の至りのすばらしさ

苔虫

穴があいたよ こめかみに
考えてること 丸見えじゃん
ちょっとまずいよ とくにキミ
見るな誤解だ ごめんなちゃい

苔虫

いつまでも鳴る かみなりが
ことばだったと してみよう
空は怒って いると思うか?
空も孤独で 叫びたいのさ

苔虫

糸をピシッと張るように
見つめつづけて考えず
見えてくる美に打たれたい
そこにいる私はちっぽけでいい

苔虫

一緒にいてね ひろしくん
もう会わないわ ひろしくん
わがままばかり
墓参り

苔虫

痛くない傷つかない
こびりつかない
俺の心は
テフロン加工

苔虫

いらなくなったオートバイ
つくえなどを引き取ります♪
いらなくなった片思い
うらみつらみは日記にどうぞ♪

苔虫

たいましょうよ ゆらゆらと
おどりましょうよ はだあわせ
よるのかわらで よあけまで
あさひでじゅっと とけるまで

苔虫

   
絵本の世界に吸い込まれ
大冒険をしていたら
いつしか自分も絵本になって
たのむから閉じるな俺を

苔虫

   
せおせおせよ おすんだよ
つけつけつけよ つくんだよ
おすもうなんて それだけさ
おっぱいつまんじゃ だめだって

苔虫

追ってくる悲しさの波
よけきれず
波間に浮かぶ
セピアの十代

苔虫

覚えきれない 専門用語
忘れたいのは つらい思い出
脳みそ開けて 置きかえちったら
専門用語で 泣けちった

苔虫

お休みしたいのです
じつはわたくしタヌキでして
ほんじつ野原で親戚の法事が
と自分の席にメールして出社

苔虫

おやすみなさいをあげるから
夜更かしをなおしてね
でもそしたら僕は夜
君になんて言えばいい?

苔虫

おじさんになっちゃった
おやじギャグは言い放題
スケベ光線ギラギラ放題
石を投げないでください

苔虫

ガラスを磨いているんです
曇った向こうが見えるよに
凍えるあしたが溶けるよに
にごった心が透けるよに

苔虫

風に乗ってくるものは
クルクル私をかきみだし
笑いながら去っていく
捨てゼリフはまた来年

苔虫

かえろうにも
どこにかえれば
いいのやら
42年の長い道

苔虫

仮面なんだから
殴っても痛くないさ
仮面なんだから
涙なんか出やしねえ

苔虫

隠すしかないイケナイ心を
たくさん集めて一粒ずつ
製氷皿に並べ入れ
チンと凍らせてあるのです

苔虫

軽くなるかなー
カレシ捨てたしー
ケータイ捨てたしー
飛べちゃうかもーきゃー

苔虫

からまわり
とおまわり
つかれちゃったら
スキップららら

苔虫

仮面はライオン
心もライオン
野は広く
悩みナシ

苔虫

舵取り棒に 舵取られ
まあいいかなと 舵取られ
たまに頭を ぶっつけて
気付けばこんな私です

苔虫

肩見せて
さっそうと行く娘たち
そのまぶしさに
明日を信じる

苔虫

からまわり
ハラまわり
似てるのは
ムダな努力

苔虫

キッチンハイター へそにぬる
はらぐろいのを なおすべく
くろマジックで へそをぬる
はらしろすぎちゃ ふあんだわ

苔虫

傷ものなんですワタシ
ちょっとゆがんでるし
特技は真実をぼかすこと
だから捨てないでカガミ

苔虫

切符はまだあります
あのときの
息はずませた
長い長い20分の

苔虫

消えたパンティー 高かったのに
返してよ
わたしの
プライド

苔虫

傷がうずいて 唐突に
消したいオレが よみがえる
ギャっと叫ぶの こらえつつ
だまってかじる スルメイカ

苔虫

切符にあわてて書きとめた
あなたの言葉が盗まれた
犯人はほかでもない
自動改札キーッ!

苔虫

記念日にだけ過ぎた日を
いとおしむのはやめにして
毎日を噛みしめて生きるなら
もうただのしみじみ爺さん

苔虫

決めたから
走るんじゃない
あふれでて
とまらないのだ

苔虫

クリスマスの次の日は
ツリーをたたむ母をおき
空に向かって礼を言う
娘の背中がいじらしい

苔虫

口喧嘩なら まかせなさい
シェイクスピアの 弁舌と
ベートーベンの 情熱と
怒りをぼくに くれたなら

苔虫

ぐらぐらゆれる つなわたり
ほんとはカサは やくたたず
ただひたすらに あいたくて
かなたのきみに ふれたくて

苔虫

原色キラキラ きれいだな
水でうすめて パステル調
涙でうすめて たそがれ調
酒でうすめて べらんめえ

苔虫

携帯をケータイと呼んでみる
社長をシャチョーと呼んでみる
かるく突破できそうな
気がして

苔虫

勝戦をすっぽかし
河原歩いて石投げて
あいつが迎えに来る声を
じっと背中で待っている

苔虫

現実的をあげるから
妄想癖をなおしてね
でもそれもつまらないから
やっぱり朝までおあずけ

苔虫

午前2時なら見てごらん
アンドロメダの彼方から
サンタ軍団すべりおり
フラッシュ撮影禁止です

苔虫

壊してよってささやくんだ
コールサインは「壊してよ」
相手の答えは「果てしなく」
ぴったり合ったらがっちりつなげ

苔虫

ざしいて ひるねした
かぜ吹いて とんでった
ござ追って とびはねた
つまずいて こえだめだ

苔虫

声は喉から出て耳に届く
文字は指から出て目に届く
届けたいのは心で
届かないのも心

苔虫

っきからさあ なんかさあ
ずっきんばっきん 聞こえてさ
うるせえんだよ おめえよお
ほしをぶつけて あそぶなよ

苔虫

寒いから
ひまわりの絵なんか
かきながら
母の帰りをまっている

苔虫

叫び出しそで ふとん敷く
あした晴れたら ほせばいい
涙も傷も 乾くから
叫び出しそで ふとん敷く

苔虫

探したくない 忘れもの
探すふりして いつまでも
終電までも 朝までも
何をしてるか忘れるまでも

苔虫

食卓ぽんと ふみこえて
百本の手の 女がせまる
宙にさわさわ 手がなびき
見とれたらもう 墓のした

苔虫

知りたくて渡る橋があり
知ったら戻る橋があり
でも人が探すのは
知ったら戻れぬ地獄橋

苔虫

じらしにじらして ちらリズム
おもわせぶりの とぼけぶり
ここらで甘くと 振り向けば
なによどこなの どこいった

苔虫

しどろもどろをあげるから
きびしい口調をなおしてね
でも全部はこまるから
君がしどろで僕がもどろね

苔虫

るどくといだ ひかる刃に
にげまどいつつ 切り裂かれ
こころふるわせ なみだする
そんなことばに であいたい

苔虫

すぐそこにいると思うから
へいきなんだ
たのむからもういないよなんて
教えないでくれ

苔虫

すきまができた
とってもさむい
こらえきれずに
あなたに惚れた

苔虫

スピーカーです君のくち
そんなになんでも喋ったら
僕はどんどんちぢこまり
そのうち消えてしまいます

苔虫

すぐそこに電波が飛ぶから
アンテナでのぞいてみたら
わたしのほほは
みるみるピンク

苔虫

少しくらいはタラバガニ
痛い痛いも好きのうち
奪い合っても愛情家族
黙って聖夜のタラバガニ

苔虫

ずいずいずっころばしごめんなさい
ぎゅっと握って抜けなくしたの
いじわるじゃないんです
じゃあなにって言わないで

苔虫

席を立つ音 きこえたよ
黙って行かせて あげるけど
振り向かないで 消えてよね
肩の震えが 止まらないから

苔虫

絶体絶命 逃げるが勝ちだ
弱虫だって かまうもんか
つぶれるなんて 御免だもん
砂漠の向こうで やりなおし

苔虫

センベイ布団 切り刻む
きみと何度も ここで寝て
きみが何度も ここで泣き
残った抜け殻 みてられず

苔虫

制服は脱げばいいよ
らしさの強制だからね
脱いだあとの空白が
怖くなければ

苔虫

「ぜ」はどこかしら 威勢がよく
行くぜ!だなんて 言われると
ついふらふらと あーららら
忘れちゃいかんぜ! 主体性

苔虫

そんな感じで 冬がきて
あくびをしたら 雪が降り
春夏秋が くりかえし
耳掻きしたら おじいさん

苔虫

   
たべてみたいの ぷるぷるん
さわってみたいの すりすりり
おどってみたいの すったたた
だまって見たいの 夜の海

苔虫

誰だって誰かに初めて恋をして
胸がドキドキ気もそぞろ
その瞬間をフリーズドライ
初恋ポテチ 新発売

苔虫

旅だった
君だった
手をふった
過去形の夏

苔虫

たべてみたいのは
ガムシロップ入りの情熱
やや茹ですぎのストイック
梅肉と和えた倦怠

苔虫

たまに笑ってごまかして
物忘れした自分を悔やむ
でも本当に忘れたくないことは
きっと少ししかない

苔虫

誰が決めたの 梅雨だって
誰が決めたの 夏だって
こんなに震えるタマシイは
春の出会いの照れかくし

苔虫

たまに笑って人ちがい
雨を見つめて日が暮れて
忘れ去られたブスはここ
なぐさめないでよ倒れそう

苔虫

チキトクデハ ナイケレド
ハハモゲンキデ イルケレド
アルバムミテタラ アイタクテ
アルバムトジタラ ナミダデタ
(ハハヨリ)

苔虫

地下を流れる配水管が
このごろいつも詰まるのは
行き場を無くした情熱が
捨てられ冷えた滓なのです

苔虫

ちらりと雪の降る夜に
家をぬけだし待つ君は
ひざをかかえて上を向き
空に昇ってゆくごとく

苔虫

チョコレートならここにある
甘い言葉がお好みなら
好き愛してる一緒にいたい
気に入るものを持っていけ

苔虫

ちらりちらりと見えるから
つい目がいってしまうのだ
いっそまるごとあらわなら
やっぱり見ますごめんなさい

苔虫

チョコレート乗せて走るよ
おもちゃの汽車が
畳のへりをコトコト進み
目指すはコタツの君の足

苔虫

つきあたりには 闇があり
わたしをさそう 闇があり
ためらいながら すすんだら
しばらくたって ペッペッペ

苔虫

つんとしている背中から
話し掛けるなを越え
ほっといてくれを越えて
行かないでくれが聞こえる

苔虫

 
手痛い詐欺にあったのさ
ミニスカートだと信じていたら
巻きスカートのふりをした
キュロットスカートでやがんの

苔虫

てぶくろを裏返して干したら
スーっと何かが
飛んで逃げた
バイバイ冬

苔虫

てぶくろしたまま 握手して
大きなバッグの 君はすぐ
やけに明るく 手をふった
てぶくろ嫌いは それいらい

苔虫

どうしていますかなんて
メールくれなくても
ただ振り向いて
手を振ればいいじゃないか

苔虫

問いをやめたら 消えそうで
ひたすら喋って 疲れはて
あきらめてふと 空をみた
僕らは消えずに そこにいた

苔虫

「遠すぎるのだ!君のひとみは」
シェイクスピアの言葉ではない
ぼくの皮膚がいま叫んだのだ
手を伸ばせば届くのに 無限

苔虫

どこですか?はぁ〜
すかですか?はぁ〜
よかですか?はぁ〜
横須賀どすこい

苔虫

突撃だー
ダダダダダーゴツン
あのさ
知らんぷりするなよ

苔虫

前を呼んではいけません
そっとふれてもいけません
ましてやぎゅっとはちっちっちっ
許されるのはただ見つめること

苔虫

名もないその子がいったなら
そこにはせめてスペシャルに
優しい保母さん居てほしい
悲惨なニュースに非力な祈り

苔虫

夏休みなんか嫌いです
後姿も見れないなんて
もう終わりにしてください
宿題ぜんぶやったから

苔虫

流れ流れてきた部屋は
木造モルタルおんぼろで
見つめるものはただひとつ
それでも生きるこのわたし

苔虫

何もかも定規で測って
エクセルに入力したら
死ぬとき私は満足か
合計キロは人生か

苔虫

流れ者じゃない酔っぱらい
浮かれ踊って酔っぱらい
どうせ独りさ酔っぱらい
電柱抱いてあっぱらぱ

苔虫

にあわぬ虚勢をひねりだし
マユのあたりに貼りつけて
時には俺も立ち向かうのだ
ヒザの震えを隠しつつ

苔虫

虹がでたらハシゴをかけて
ウォータースライダーで
ひともうけ
消えたらそこで店じまい

苔虫

虹に
みとれている
7人の
こども

苔虫

虹に座っていちゃいちゃして
ここなら誰にも気づかれない
なんて思ってるのは君たちだけだ
降りてきなさい

苔虫

ぬるぬるでもベトベトでも
ころんでもすべっても
傷ついてもさけんでも
君がいるから

苔虫

抜けないんだよ
ひっぱってよ
もうこんなとこ
いやだよ

苔虫

 
寝顔を見てたらむらむらと
こみ上げてくるいとしさに
つい切り刻んで食べた夢を
見て泣いてる自分を想像し

苔虫

   
     
果てない夢は 見るだろう
たとえ私の 正体が
37度の 熱をもつ
タンパク質に すぎぬとしても

苔虫

スていあたりに おりたった
ちきゅうのなまえ つけてから
がっこうにゆき てんこうせい
だれもしらない ぼくのかこ

苔虫

バナナを一本にぎりしめ
さっと突き出しバキュンと撃つ
でもそれはバナナだから
お前に気持ちは刺さらない

苔虫

パピポピポ
電話があればそこはオフィス
歩いてたって青空オフィス
マナーモードで本日閉店

苔虫

始めてよかった なかぱっぱ
終わりよければ なかぱっぱ
かんじんなのは なかぱっぱ
おなじアホなら なかぱっぱ

苔虫

母に似合うのは小言で
似合わないのは口紅だと
鏡に向かう母の背に
視線を投げてまたエンピツを持つ

苔虫

バカだから
走って走って
走ってこけて
君に見せたんだ

苔虫

バタンと閉める
遠ざかる
それから世界は
殺しあう

苔虫

半分ずつに したからにゃ
半分残して おかなくちゃ
誰かが待って いるはずの
私を待って いるはずの

苔虫

母に似た
人とだけは
父に似た
人にだけは

苔虫

ハートに顔描いたら
かわいいよねー
ハートに穴描いたら
おしりだよねー

苔虫

ひったくった君の心が
とんで帰って行っちゃって
まってよって追ったけど
こっぱみじんのひじってつ

苔虫

ピンクだったあの人は
ある日を境に青になり
しだいしだいに枯れてきて
このごろピンクにカムバック〜

苔虫

火の色の空 あかね空
見たら大変 くるい空
家路を誘う ふりをして
家出を誘う 泣き出しそうに

苔虫

ひとりごとにも あきたから
押してみようか このブザー
救助姿の おじさんは
身の上話は にがてかな

苔虫

ピンクの帽子のプレゼント
ごはん食べてもうれしくて
パジャマを着てもうれしくて
寝息をたしかめそっととる

苔虫

人だとて
遠慮はいらぬ
正義も徳も
ただの約束

苔虫

日焼けあとから きえそうな
夏のにおいが するみたい
思い出数えて いとしくて
シャワーでさっと さようなら

苔虫

日焼けあとにムヒをたっぷり塗って
悲鳴を上げながら畳の上を転げまわると
ある日味わう底なしの絶望と後悔を
お安くお手軽に予習できますお試しあれ

苔虫

秘密だよ
今うちのお風呂で
カンダハル帰りのゴルゴ13が
鼻歌うたってることは

苔虫

ふたりでいつもいる猿が
ひとりになって驚いた
あれは誰なのどこ行った
私は誰なのなぜいるの

苔虫

プライドを戯れに立たせた
彼は横目で私を見ると
翼が欲しいと言い残して去った
欠落は抜歯跡のようだ

苔虫

ブットビ
カットビ
ブリ
ブンブン

苔虫

ふりそそぐ母
ふりはらい
ふりあおぎ見た
空に焦がれ

苔虫

ぶっきらぼうに
やぶからぼうに
とうせんぼうは
痛くないぼー

苔虫

振り向けばもう消えていて
そんなことなんかありがちで
ひとりでポコポコ歩いてると
しらないうちにまた君は

苔虫

プライドなんて
きんたまだ
風もないのに
ぶーらぶら

苔虫

ぶさいくだってホラ
みつけたんならサア
晴れ時々曇りクライが
歩き出すにはちょうどイイ

苔虫

武器があるから
へいきだと
悲しく笑う
カブトムシ

苔虫

不死身の身体を持ちました
うれしくなって二階から
試しに飛んだら死にました
オプション指定があったかな

苔虫

不自然にならないように
こぼれぬようににらみ読む
黄色い線まで
おさがりください

苔虫

ぶーたれて
ブランコに
遅れてゴメン
ふたりこぎ

苔虫

降りそそぐ菜々子
打ち寄せる由紀恵
夜は深く
悩みナシ

苔虫

武器は石オノ
服は腰ミノ
空は青く
悩みナシ

苔虫

へんぺいな足のうらは
歩くのに疲れるだけでなく
心までへんぺいな気がして
ちょっとさびしくなる

苔虫

ベランダで
ひざをかかえてたら
泣いてるの?
って天使がきいた

苔虫

北京ベルリン寒くて嫌だ
渋谷の路上に寝転んで
バカな娘に踏みつけられて
旭屋書店で立ち読みしたい

苔虫

ベルマークだよあったでしょ
ぎゃあそうだっけ捨てちゃった
んもう
わりいわりい

苔虫

     
まっ赤なお鼻の
酔っぱらいおやじ
いつも誰かを
さらいますフッフッフッ

苔虫

またあした会えばいいよ
『万有引力は
ひき合う孤独の力である』
って詩人もいってるしさ

苔虫

谷川俊太郎 二十億光年の孤独 より

ッチ売りの少女ほど
私は悲しくないのだと
思い定めてよろ歩き
だどりつきたる暗い部屋

 苔虫

魔法の呪文で
かなう願いなんて
どうせ金で買える
ものばかり

苔虫

まばたきを我慢した
記録は3分21秒
どうやら魚には
なれないみたい

苔虫

窓を開けるとアイコンがあり
クリックすると彼女が起動して
コーヒーなんか入れてくれたら
それはそれで怖い

苔虫

魔法の呪文は
ほんとうは
おやすみのその次に
かくれている

苔虫

水溜りだって良く見れば
ミクロの暮らしが始まって
恋もケンカも始まって
やがてギラギラ空に消え

苔虫

見せたいものがあるんだと
呼びだし君と喫茶店
私服の君はおとなびて
出せずに汗ばむヒトデ貝

苔虫

みっつの願いで俺は今
不死身の体で空を駆け
人心を読みぽつねんと
途方にくれて海を見る

苔虫

みっつ未来は大物と
歌ったけれどにゃんとまあ
大ちゃんただいま
失業中

苔虫

むかしむかしの そのむかし
天使が陽気に そらをとび
人とたわむれ あった日の
記憶はきみの ひざあたり

苔虫

むずかしい顔だって?
おでこの皺が取れないだけだ
悩みはオゾンに溶けてった
ただ笑い方が分からないのさ

苔虫

無限大に続く葬列が
涙で川になったなら
子供が元気に泳ぐのを
死者はきっと願うだろう

苔虫

むきだしの
ああそんな
いけません
目もおよぐ夏

苔虫

無人の教会で式を挙げ
無人の市役所に届出をし
無人の病院で産んだのは
ほかでもない無人君だ

苔虫

無防備は
裏切られたあと
身につく強さと
信じて笑う

苔虫

無防備なんて
とっくになくした
あれはたしか
恋を知ったあの日から

苔虫

眼を閉じたまま こっちをお向き
こわがらなくても いいんだよ
ぼくがリードを してあげる
まっすぐ歩いて たたき割れ!

苔虫

メビウスさんは輪を残し
無限の道に何を見た
泣いて笑ってとどまらず
あゆむ男に何を見た

苔虫

 
森高千里だって松嶋菜々子だって
いいさいいさ行っちゃえばいいさ
オレは練習してるのさ
娘たちが行っちゃう時の

苔虫

森には
木が生えています
それだけなのです
泣きたいほどに

苔虫

 

やりなおしです おばかちゃん
やりなおしだよ あほんだら
だったらぼくは あすあたり
生まれなおすよ べろべろば

苔虫

ヤザワエイキチぶりながら
人差し指をおったてて
いきがっている鏡のオレよ
そのなで肩が悲しいねぇ

苔虫

 

ゆうびんやさん まってるの
うきうきしながら まってるの
バスに乗るとき 言ったから
そのうち書くって 言ったから

苔虫

ゆかいに笑う
髪をいじる
親指で話す
バスはゆれる

苔虫

ゆかいなことも
どこかにあった
おずおず進む
アルバムの森

苔虫

指パッチン
膝ガックン
胸はドキドキ
おしりはブー♪

苔虫

 
よせばいいのに かえりみち
あのこの家の 角に立ち
演技重ねた 偶然は
ばっかじゃないので 幕を閉じ

苔虫

   
らくだがなくても 旅にでれるさ
かおをあげて 風を感じてさ
とりあえずおしっこでもして
軽くなったら さあ出発

苔虫

   
リンゴってさ
アップルじゃん
ダンゴってさ
もっちりじゃん

苔虫

理由はふたつ
結果はひとつ
理由がいっぱい
結果はひとつ

苔虫

 
すばんしてる こどもの目
エデンのひがし 果てのにし
駆け抜けるそら ゆめのくに
たんすに夕焼け ママきたく

苔虫

   
れっつらごーと 飛び出すも
サイフわすれて ひきかえし
おさかなくわえた どら猫なんて
いやしねーじゃん もーふて寝

苔虫

れーちゃんね
おとーさんと結婚する
という時期は
過ぎにけりけり

苔虫

 
路地裏駆け抜け先回り
森を突っ切り見上げても
月は二人のいつも前
行くあてのない十三夜

苔虫

ろばがなくても 旅にでれるさ
疲れてきたら 休めばいいさ
お腹すいたら 働くんだね
出会えたら 住めばいい

苔虫

 
ざと自分を きずつける
人がいること おもいだし
わざと自分を くすぐって
みてもなみだは わくばかり

苔虫

ワインを飲んで森を行こう
ぐるぐる回る言葉を閉じて
いきもの達に耳をすまそう
言葉の酔いが醒め乾くから

苔虫

忘れて笑っている日々に
不吉な予兆はふいをつく
低空飛行でしのびより
ふとった私に突き刺さる

苔虫

わたしコンニャク食べてたら
今朝コンニャクになっちゃった
ちょっとやめてよ揺らすのは
ボヨヨヨンうわあボヨヨヨン

苔虫

A
B
C
FUNE ORITARA SUGU IKU
MATERO OMAE NO KAO YA
ZENBU OMOIDASU KARA
KONO TEDE

苔虫