cap verses / そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ

 

         葉弥月さんのシリトリ

2004

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07/13 砂浜に行こう
新しい仲間と
昔落とした
なにかみつけに

葉弥月
おはよう
っていえる朝
しっぽふりふり
ごはんをたべよう

葉弥月
この手に手を
胸元で拳を
ひらいてむすんで
新生、俺。

葉弥月
砂浜を足の掌で
握りながらあるく
全ての始まりと
全ての終わりを

葉弥月
おはようBAD MOON
気分はどうだい
なかなか悪いね
始めようか暗い朝を

葉弥月
この手につかんだものは
脆いものも
強いものも
わたしの一部

葉弥月

おはよう
やたら重く聞こえた
涙が出てきた
おはよう、おはよう。

葉弥月


06/29 約束という
言葉の不安定さに
どっぷり沈み込んだ
君を巻き添えに

葉弥月
ぐらぐらと
ゆれるあたまを
おさえながら
ぽてぽてとあるいてる

葉弥月
消さないでいても
消えてしまうから
捨ててしまおう
なくしてしまおう

葉弥月
約束はしない
動けなくなるのは
いやだから
身勝手でいさせて

葉弥月 
ぐのおおい
カレーがたべたい
むかしたべた
なつのあじ

葉弥月
消さないでなんて
山のように残した
宝物はもう
ガラクタ模様

葉弥月
06/15 遺言を
書いてるような
暇はないから
化けてでますよろしくね

葉弥月
感情を
ギリギリまで
追い詰めて
ぱっと羽化する

葉弥月
ギリギリのラインで
歩いて行けたら
いいと思う
クモの糸でもわたるよな

葉弥月

感腺を刺激する
たくさんの世界を
リボンでくるんで
あなたにあげる

葉弥月
ギリギリ
生きてる
それで
十分

葉弥月
06/01 ふたりきりだったら
見えないものもきっと
いっぱいあったから
これでよかった、たぶん

葉弥月
素直に泣けない
あたしを許してね
ふたりきりでも
許してね

葉弥月
見えないものほど
欲しくなる
この世の全て
欲しくなる

葉弥月
ふたりきりの時間
なんてほんとはなくて
小さな寝息や
内緒話が聞こえてる

葉弥月
四葉の苗を
一つ買う
ブルームだらけの
あたしを食べる

葉弥月
見えない方が
楽だけど
見えない方が
長く苦い

葉弥月
05/25 睦まじく
の「睦」ってなんでしょう
まあどうでもいいか
ひなたぼっこの毛づくろい

葉弥月
居間には今私独りですが
今から祝いの宴
今すぐのいてね
居座りオバケ

葉弥月
背中の姿だけを
幾枚もかかれた
スケッチブック
ちらりとのぞく

葉弥月
睦まじくならんだ
二つの背中
正面なんか
見る必要無いね

葉弥月
居間に今まで座ってた
小さな宝を捨てました
睦まじく鳥達肩寄せて
僕の姿を笑ってました

葉弥月
背中にも顔はあるよ
時々、口より目より
しゃべってくれるよ
居間に一枚飾ってる

葉弥月
05/18 まっててくれる?
本当はもう戻らないこと
知っててあなた
許したのね

葉弥月
日が暮れる
ピンクの空
黙って二人
見ていた夏

葉弥月
わがままを
言ったつもりはないけれど
どうやらあなた
ご立腹

葉弥月
まっててくれる背中が
ひろくてせまくて
くすぐったくて
だきつきたくなる

葉弥月
日が暮れるほど
話してたけど
10分しか話せない今
むしろ貴重

葉弥月
わがままになります
宣言します
これからあなたと
一緒に生きるためなのです

葉弥月
05/11 はらりとこぼれて落ちたのは
俺の良く知るアイツだろうか
そもそもそれはなんだった?
こぼれ落ちたから解らないのか

葉弥月
ちょっとさみしい最近
どうやら
落ち着き過ぎてる模様
そろそろ暴れておかねばな

葉弥月
ベンチが嫌い
微妙な長さが嫌い
二人で座るにゃあまるし
他人とシリを合わせたくはない

葉弥月
はらりと舞う時
美しいのに
ふんづけられて
コンクリを汚く染めてた

葉弥月
ちょっとさみしい
まさか自分が
こんなにさびしんぼうだとは
気付かなかったよ

葉弥月
ベンチってすごい微妙な
アイテムなのに
絵になっちゃうから
ちょっとくやしい

葉弥月
04/27 写真が増えてる
好きに使いなと
姉弟から抜け出して
芸術屋達の気分

葉弥月
春風の
色が消える
淡すぎて
見えなくなる

葉弥月
すきだったひとの
話題が出ると
私押し黙るけど
謝らなくていいから

葉弥月 
写真は嫌いと言った
手元の写真の中に
私の知ってるあなたは
たしかにいなかった

葉弥月
春風に
気づかない程
走っていた
自分で風を切って

葉弥月
すきだったひとも
たぶん
いたとおもう
おぼえてないけど

葉弥月
写真を撮っておこう
嘘をつくには
絶好の
アイテムになる

葉弥月
春風を引っ張れば
夏が引きずられて
くるんじゃないかと
思うんだけどどうかな

葉弥月
「すきだったひと」だなんて
過去形にはできないし
「すきなひと」っていうのも
だからただ隣にいるの

葉弥月
04/20 アナタ
コナタ
ヒナタ
カナタ

葉弥月
おちた葉っぱを
ひろってみた
まだまだ
生きてた

葉弥月
みつけられないものは
いつかでてくる
みつけられないものの
かわりにでてくる

葉弥月
アナタと呼ぼうか
アンタと呼ぼうか
兄さんって呼んだら
怒られたしなぁ

葉弥月
おちたんじゃねぇ
おりたんだ
俺の手と足で
別に怖いわけじゃねェぜ

葉弥月
みつけられないんだ
ちょっと手伝ってくれ
このへんにあるはずなんだ
なんだかは思い出せないが

葉弥月
04/13 好きなものは
いつだってスキ
うまれたてでも
おばあちゃんでも

葉弥月
翼は重い
だからヒトは飛べない
身軽になって
手をつなぐため

葉弥月
ピエロの仮面が
僕を救う
君に哀しみが
伝染しないから

葉弥月
好きなものは
最強の武器
でっちあげのナイフなんかに
負けたりしない

葉弥月
翼は重なる白い雪
折り重なる淡い花
君がいるから僕は飛べる
凍えても毒があっても

葉弥月
ピエロ病が蔓延してる
狂おしきも美しい
ショータイム
僕の姿も見えないくらい

葉弥月
03/23 国をいくつ
従えても
手に入らない
花がある

葉弥月 
まわる世界に
まわる月
星のめぐりは
君次第

葉弥月
新学期
その言葉から
遠く離れる一瞬が
こんなに早くせまってる

葉弥月
国境をひいた
赤い油性マジックで
幾千万の
"私"の手で

葉弥月
間、悪くても
どうにかなってる
間、悪くないのかも
天才かも

葉弥月 
新学期
桜と
毛虫と
おニューの靴

葉弥月
03/09 あなたの声が
聞こえた気がした
ただ
それだけのこと

葉弥月

毒色のドレスで
誘惑してあげる
気高き罠と死を表す
貴方に紫のカーテンを

葉弥月
姿は見えずとも
暗がりに蝙蝠
全て知っている
ただ翼が小さすぎたのさ

葉弥月
03/02 花びら回転
看板持ち
新宿深夜
暇持余す

葉弥月
ワクチンは
この世でひとつ
まだ見ぬ
あなた

葉弥月
たたずむマチは
さむすぎて
にげこんだ部屋も
いまや磨がれた氷のよう

葉弥月
花びら美し
齧れば
受ける
甘い毒

葉弥月
病葉繰らば
風舞の
黄色くくぐもる
私の姿

葉弥月
たたずむひとの
たたずまいは
ただすまいと
ただすまいへかえる

葉弥月
02/24 嬉しくて
あなたがいること
嬉しくて
今はそれで十分で

葉弥月
光源は見えない
でも
それでいい
それがいい

葉弥月
つなげてしゃべって
なにかしゃべって
あなたとわたし
放送事故

葉弥月
嬉しくても言えない
君には言えない
悲しくても泣けない
ここでは泣けない

葉弥月
光射すステージに一人
客席に一人
さあもう一度はじめよう
とっておきのライヴ

葉弥月
つなげてきたはずの糸は
いつかふつりと切れていた
どうりで軽いはずだと
片足上げて笑ってみせた

葉弥月
02/17 歌をうたいに行きました
通い慣れた
カラオケボックス
「始めてみたよ、独りだなんて」

葉弥月
感傷的になるのは
たぶんまだ早いのでしょう
深夜の闇が
古い曲を選ばせただけ

葉弥月
カナリヤの歌
美しいと皆言うけれど
きいた事がおありでしょうか
レモンカナリヤもう一度

葉弥月
歌がもし
わたしから消えたら
どう生きるんだろう
ふと考える台所

葉弥月
感情のナミ
ユラ、ユラユラ
ついていくのが大変だって
だから私は目を閉じた

葉弥月
カナヅチにでも
なったみたい
長距離は
得意だったはずなのに

葉弥月
02/10 篭城用の兵糧なら
畳の中に
特攻用の栄養剤なら
誰かのこころのなかに

葉弥月 
れんにゅうみたいな
せかいのまくを
ぜんぶなめちゃって
ぼくときみになれたらな

葉弥月
彼女という言葉を
嫌っていたころは
わからなかった言葉も
今なら少し、わかる気がする

葉弥月
聾唖になって
現実を隔てることが
できるのなら
叶えたい罪がある

葉弥月
霊魂と心と体
ばらばらになったり
くっついたりするのなら
お前を創ることも可能だろうか

葉弥月
彼女はすべてを黙認するが
お前は決して許さぬだろう
親愛なる
馬鹿者よ

葉弥月
01/27 まるをいっこ、
かいてみて。
それが、あなたの。
わたしのかたち。

葉弥月
よるになったら
ココアをいれよう
用意しよう
ブラウンケット

葉弥月
ラーメン!
つくってくれるって言ったよね!
えへへ、あたし
もうすぐ誕生日だから。

葉弥月
まるまんまいれたって?
これなに?
いや、入りきってないし。
わかんないでかいって。

葉弥月
夜鶯 探して
目を閉じて歩いた
すすりないても
美しかろうと

葉弥月
ラーメンの湯気
勢いよく吸い込んで
一人でむせた
ちょっとしょっぱい

葉弥月






2003

10/14
やめられなくて
言葉つづりがたのしくて
はなれてみても
またふらりたどりつく

葉弥月
草のにおいに迷い立つ
町の姿はあってみえず
いつもの道も
いつも違っているような
 
葉弥月
アウトになるのが
こわいよな
まちどうしいよな
びみょうなかんじ
 
葉弥月







2002

06/25 なまえもかおも作り物で
愛の言葉は本の受け売り
でもその仕種の全てが
貴方のものでしょ

葉弥月
ないしょにしとくよ
アンタの泣き顔
ただ
俺も特別な人に加えてよね?

葉弥月
木の葉の手の平の下
いつだって僕らはそこにいて
遠い空を見つめてた
明日が見えるような気がして

葉弥月
なまえも知らないような頃
幸せな夢を見てたんだ
名前を知って癖を知り
壊れた夢に泣いただけ

葉弥月
ないしょだから。
ぜったいおしえてあげないんだから。
ずっこいこでいいんだから。
きになるこになればいいんだから。

葉弥月
木の幹を両手一杯に抱きしめて
地下に流れる輝きを聞く
遠い地面
誰かの声が聞こえそうで

葉弥月
なまえも言えない?
あー、そう、
んじゃいいや。
次。次あった時教えてもらうからサ。

葉弥月
ないしょにしていた宝の地図は
貴方が先に掴んでしまって
それを理由に貴方は私を隣に置いて
悔しいほどに幸せな顔

葉弥月
木の根のように
とても優しくて強い姿を
そっと土の下に隠してた貴方も
露になってしまう時が来るのかしら

葉弥月
木の実を拾って歩くような
ゆっくりした感覚で
どこまでも行けるんだと思う
ひとりぼっちじゃなくなれば

葉弥月
06/11 その人のこと
どんだけもしらないけど
なんだかあつくなっちゃう
あなたがいっしょうけんめいだから

葉弥月
大好きをないしょにしてさ
もっとぎゅっとして
ずっとドキドキしてたいの
ハートとハートをくっつけたいの

葉弥月
さぁ両手を広げて
やまもりキャンディー
ゲットして
きっとしあわせの味がするから

葉弥月
その人、どんな人?
素敵な人だったよ
どんなふうに?
 ……ないしょ。

葉弥月
大好きって
素直に言える貴方が
うらやましくて
紙の上にたくさんのせて

葉弥月
さぁ行こう
辛い旅路へ
もう一度ここに来る時
君はきっと天使になっているから

葉弥月
その人 どの人
こんな人
探して下さい
迷子の子

葉弥月
大好きはいくつもあるから
簡単には言えないよ
だから
もっともっと側にいて

葉弥月
さぁかすみたいなじんせいを
ずっとあるいてきたけれど
いっきにふけちゃったみたい
ふたりえんがわでひるね

葉弥月




以下 2000〜2001

  12345678910111213141516 12345678910111213141516 12345678910111213141516
青はなんのあお
そらのあお 
反射してうみのあお
隣のジャケットも煤けたあお

葉弥月

亜寒期に
生まれたまんまの
蒼い瞳を
愛す言葉を知らぬ繋がり

葉弥月

愛して欲しいと叫べない
愛していると泣いたりできない
その音は血肉を裂くためのもの
何も知らずに 蒼の名を

葉弥月

あなたにあげる
なんだってあげる
幸せ 苦痛 快楽 脱落
私はあなたの掌よ 翼はいらない

葉弥月

味見してもいいかな
キッチンの主がいないうちに
そろりそろり
ごつん!いてて

葉弥月

あきらめて嫌われるわ
貴方には私じゃない
大丈夫よ 貴方は良い人
貴方の観察日記だけ 残った

葉弥月

秋の日の到来に
水の冷たさと
空の色で気付く
あの人の居ない朝の薄さにも

葉弥月

暖めて欲しくないから
胸の中にとびこんで
虚空の妖精待ち待ちに
いつか二人は溶けるのかしら

葉弥月

悪人ぶった顔をしている
「シアワセフウフ」
みんなそんな顔をしているもんだから
そうみえるのだわと抱きついて

葉弥月

味なんか確かめなくたって
てめえの作るモンなら
何でもうめえよ
ほら、もう飯の時間だろ

葉弥月

溢れています。
零れそうです。
ワイングラスには
硝子玉を注いで。

葉弥月

穴があいた掌に
パステルの粉を詰め込んで
擦りつければまた描けるよ
こんどはもっと柔らかく

葉弥月

秋の宿題 落ち葉あつめ
夏に落とした落ち葉たち
一枚一枚拾い上げ
ついつい読みふけって また来年

葉弥月

あの店にはいつも
気の良い頑固なおやじと
安いコーヒーと
その薄汚れた壁には僕らがいた

葉弥月

あめふりしずく
ぽたぽたきもち
てのひらにもれて
からむすかあと

葉弥月

溢れています
胸の中 貴方の台詞
今だけは
こうしていてもいいですか

葉弥月

溢れていますよ、お水。
ほら、ほらほら。
あああ、びしょぬれ。
しょうがないなあ、お風呂はいる?

葉弥月

忙しいは逃走文句
字を書く度に思い出す
「忙しいは心を亡くすって書くんだな」
昔にみたTVかもしれないし

葉弥月

胃の中の残留物が
一気にひっくり返ったかのような悪寒に
その名を呼ぶのを拒否させられた
僕のAnswerそこにある if

葉弥月

痛くないよ
たとえ微塵に消えたとしても
貴方の腕がそこにあれば
私はワラっていられるよ

葉弥月

一緒にいてね
口には出さない出せないけれど
出さない限り一緒は確実
でも、喉にひっかかってんの不安なの

葉弥月

一緒にいてね?
生まれたまんまでいいじゃない
成長したっていいじゃない
結局僕らは一個づつの半分なんだよ

葉弥月

いっしょにいたいよ
ぼろぼろに腐っちゃうまで
僕は永遠の
未完成だから

葉弥月

いっぽん線を引くだけなのに
こんなに道具が必要なんだね
おっかしいねぇ?
いっぽん線を引くだけなのに

葉弥月

糸はなんて滑らかに。
そしてなんて強靱か。
弾けば音楽となりうるそれを。
私は通し、編んでゆく。

葉弥月

いらなくなった恋心
買い取りましょう
新しい恋と
交換に

葉弥月

うさぎは寂しくなると死んじゃうんだとか
よくかんがえなさいよ
生きる為のただの手段
その腕その膝が私の陣地なのだから

葉弥月

ウィリーで逆さの空を見る
あなたの名前を忘れたわ
わたしのすべてをとりだして
低く散らばる茶色の空にあずけたわ

葉弥月

ウソツキキツツキ
赤面性
嘘をついては恥ずかしくて
そっぽを向いて樹をつつく

葉弥月

絵本もいちどくりかえし
幼日になんども読ませた思い出も
妹弟くりかえし
また今日も風呂が遅くなる

葉弥月

笑の名は
貴方を笑わす
呪文なのです
生まれた時に 決まったのです

葉弥月

 
おめでとうは知らないよ
まだ生まれて無いんだよね
空っぽの最高で
赤い葉っぱ追っかけよ
そしたらピンクの花びらで 
帰ってこようか

葉弥月

おやすみ
恋心
次の運命
巡るまで

葉弥月

おもちゃを与えられた
それはまるで僕に
扱い切れなかったけれど
僕はそれにしがみつくしかなかった

葉弥月

音楽会がなつかしい
手元に喉しかないものだから
たったひとりで毎日歌う
今ならソプラノパート、歌えるのにな。

葉弥月

追って来るかな
追って来るかな
来ないって知ってるけど
振り返っちゃうよ 馬鹿だから

葉弥月

おもちゃはすぐ
壊れてしまうけど
その頃には
新しいおもちゃにはまってる

葉弥月

覚えきれないよ
そんなにいっぺんに
数えきれないよ
貴方の目玉

葉弥月

追って来るかななんて
調子に乗って飛び回った
細長い校舎の中に
迷いコウモリ

葉弥月

おやすみしたいな
ちょこっとだけ
あのね、
あの人に逢いに行くんだ

葉弥月

おじさん似てるよ
僕の知ってる人に
何処って訳じゃないけど
うん、なんとなく。

葉弥月

帰り道 一人歌ってたのは誰のため?
だあれも聞いてない 
だあれも知らない僕だけのうた
3秒後に忘れる歌は

葉弥月

蛾のサーカステントに蝶迷い込む
お喋り蝶はテントの中の素敵なミセモノ
言葉交せるものはなし
背の色のそんなに近くも遠い風

葉弥月

軽くなるかな二人なら
逃げ出してもいいんだよね
……ここにいても、いいんだよね
罪なら教えて 叫ぶ理由を

葉弥月

影のある気持ち。
影しかない気持ち。
光しかない気持ち。
わからなくって泣く気持ち。

葉弥月

「かえろう」
喉元に隠してある言葉
「かえってきて」
胸奥にしまってある言葉

葉弥月

賢くなりたい
貴方のように
計算能力なんかじゃなくて
誰かを守る賢さが

葉弥月

賢くなりたいけど
強くはならなくていいや
しょうがねえなあって
守られてたいや

強くなりたいけど
賢くはならなくていいや
馬鹿やろうって
笑われてたいや

葉弥月

葉弥月

がらんどうの空の薄さに飛び込んで
二度と返らぬぬけがら目指し
背骨をちぎられた痛みに振り返れば
あなたの残した泣けないあの子

葉弥月

外見だけで決めてください
どうか中味は見ないでください
2の名のついた兄の目と
1の名のついた弟の口元

葉弥月

軽くなるかな飛べるかな
ふぁんふふあん
お月様はするると笑う
マチは素敵な霧の変身

葉弥月

影に出来方は
光によって違います
散乱する蛍光灯の光
一途な太陽光

葉弥月

からまわりしてるのは
屈折する鏡を挟んだ
僕と君
同じことを望むから

葉弥月

固まって
お口をあんぐり開けて
呆れてるの?
おばかさんっておもってるの?

葉弥月

固まってしまった粘土も
まだ少し生きているなら
復元できるよ
ちょっとお水を足してさ。

葉弥月

隠すしかない 現実は
ただ躰だけに響くばっかりで
伝わらない苦しさで
泣けばいいじゃん涙がでない

葉弥月

風を司る妖精は
微笑みの者じゃないかもしれない
昔 罪人だったかもしれない
それを仕事とわりきれば

葉弥月

肩の冷える窓越し
つつじの季節
凍えながらつぶやいて見る
「春だなあ」

葉弥月

肩が並ぶハンモック
籠にあわない長い足
くるんとまるめて
にやにやにや

葉弥月

仮面の人形は
操られている
それと知らぬ間に
愛や正義をうたいながら

葉弥月

仮面をかぶり続けて来たから
それが素顔に見えて来ました
誰ですか
接着剤を塗ったのは

葉弥月

仮面の名前で
本音を呟く
4行の綴り
繋がっていく蝶のおしゃべり

葉弥月

消えた掌許せずに
消えた電球そのままに
消えたらくがき気付く間もなく
消えたまなざし 悲しむ石影

葉弥月

軋んでいるのは私の肩か
それとも肋骨 腰 頭 
でなけりゃ脳の虫が
あんたの蜘蛛の巣 ひっかかったのね

葉弥月

傷がくっきりついたのは
バイバイのときとちがうだよ
しらないひとが
あの名前 いったときだよ

葉弥月

決めたから。
もう決めたから。
貴方がどう言っても
私の未来はこの通り。

葉弥月

切符を買って
改札を抜けようとした時
貴方に肩を叩かれた
それで切符を無くしてしまった

葉弥月

気づいてくれてもいいとおもった
気づいてくれるはずだとおもった
気づいてないわけないとおもった
気づくはずないとおもわなかった

葉弥月

記念日はいつでもいいさ
理由つけて祝うためだもん
誕生日を祝えないならこうしよう
今日が記念日 記念記念日

葉弥月

傷跡を勲章にできるくらい
強くなりたい
名を上げたい
人とおんなじことをして

葉弥月

決めたカラーで仕上げて下さい
でもここは
貴方が良いと思うカラーを入れて
それでお終いにして下さい

葉弥月

擬人化されたプラスチックが夜踊る
通りすがりの歌に合わせてくるくる踊る
だあれもいない空の空虚で
貴方にもっと近くの場所で

葉弥月

今日もまた でき上がらない
わざとせかさぬ友人に怯え
肩もずいぶん痛むのに
今日もまた キーボードを叩いてるのは

葉弥月

ギミックの腕
カタカタなって
お前を喰う
夢を見た

葉弥月

銀蝿の唸るのに怯えてる
守るべきものを諦めている
守られるのに震えてる
愛されているのを忘れてる

葉弥月

唇の柔らかでなんて甘い
肌の真白で緩やかで心地よい
髪のするやかでそんなに透き通った
消え入りそうな君に 雪の名をつけた

葉弥月

くーーーッッ!!
なんで消えるのエラーなのー!
今週火曜トップページにて
パソコン君と静かなる闘い

葉弥月

口喧嘩じゃ 勝てないけど
キーボード越しなら 勝てるかな
手紙じゃ 辞書引くうちに
ふきだしてしまうもの

葉弥月

暮れる夏色 一瞬の戸惑い
全て間違いだったと捨ててしまえ
自転車転んだ 荷台の荷物
たどり着くまで重すぎて

葉弥月

原色は「赤・青・黄」の3つだというから
それだけ買ってきて絵の具を溶いた
嘘つきめ できやしないじゃないか
ここにある色

葉弥月

携帯している
恋心
時々けたたましく鳴り出して
貴方の元へ走ってく僕

葉弥月

化粧品 一瞬そろえた
一瞬被せた
一瞬で無くした
どうしたまだ不安?

葉弥月

携帯をにぎりしめて
貴方からの電話を待っている
かかってこないのを知っている
かかってこないのを願っている

葉弥月

携帯の番号を押して
かからなければそれでいい
それでよかったのに
鳴り出す呼び出し音 留守番電話

葉弥月

げんなりしないの
ちょっとぐらいがまんしろ
大したことないでしょ
ピーマンくらい

葉弥月

げんこつごつごつ四角い手
ごちんとぶつかる私の頭
あんなに強くて険しい腕が
どうしてこんなにあったかいんだろ

葉弥月

声は花色鮮やかに
幾千幾万まぜまわり
空の瞳におちてゆく
自分だけの歌

葉弥月

こびとの言葉はどんなかな
僕らには 自分の言葉がないからね
こどもみたいに 言葉を作るよ
誰にも解らない 僕の歌

葉弥月

壊してよ 何処にもない其れを
壊してよ 誰にも見えない其れを
あたしが此処にいるから
壊してよ 何でもない其れを

葉弥月

小道具はパラドックスの底
ほしけりゃあんたの素手で掴んでみなよ
それが怖けりゃこっちにおいで
あんただけでも歓迎するよ?

葉弥月

午前2時のおねむのじかんが
午後11にはおねむに変身
…困った
頼まれ仕事ができないじゃん

葉弥月

寂しいのは
あの人と同じピアスがゆれるからよ
決して外そうとしないのは
あの人と同じ寂しさを
受け継いで生きたかったからよ

葉弥月

「探してくれ」に気付けずに
ずっとここで待っていた
帰ってきてほしかった
わざとここで待っていたのに

葉弥月

探しっこ
あなたとわたしと探しっこ
どっちがはやくみつけられる?
ころころココロころがるココロン

葉弥月

じんべいにあこがれてたの
肩のところがかっこいい
流行ってるみたいでうれしかったのに
もうおしまいなの?

葉弥月

しどろもどろ どろんどろ
そんなふうに優しくするから
馬鹿みたいでしょ
馬鹿みたいだけどもうちょっと

葉弥月

証拠がなければ愛は亡きもの
わたしとあなたも
あなたとあの子も
証拠がないから まだいられる

葉弥月

白い子猫が目に映り 振り向いて
形のない亡骸と知る
帰り際には泣いてる子供が目に映り
誰かの忘れた白い自転車に駆け寄った

葉弥月

しろいしろいせかいを
ずっとずっとあるいてる
いつかえれるかな
わたしのおうちはどこですか。

葉弥月

証拠なんてないから
僕らが在ることを
証明するものがないから
僕らは永遠に生れない

葉弥月

辞書のおねだり
私の頭とリンクして
忘れた言葉を表示する
本型にして 千円以内で

葉弥月

時間や時空を飛び超えて
今日も窓から忙しがる
名前なんか必要だろうか
あんなアイツに

葉弥月

知りたくて 知りたくて
しょうがないから
聞かないでいる
聞いてしまわないでいる

葉弥月

スピーカーに 楽譜をのせると
蜂がくる
いっぱいならべて
羽虫の音楽会

葉弥月

すぐそこにあるのに
すぐここにあるのに
おあずけのまんま
借り、買いっぱなしのゲームソフト

葉弥月

すぐそこにいるのに届かない
手をつないでも
かさなりあっても届かない
他人じゃ不満で他人でありたい

葉弥月

すきまには何が入るかな
うさぎのおみみ
ちいさいビーだま
ごはんつぶ

葉弥月

素顔は何処に隠してしまったのかしら
言葉を繰り返す度に
遠くに行く気がして
必死で話をそらして怒られた
まだ消してないよ、あのメール

葉弥月

ずるずると春になり
ずるずるとラーメンすすり
ずるずるずるっこ
ずるるるる

葉弥月

すぱいすはキツめにしとく
あまあまなのは
目にあきた
コックの仕返し ごらんあれ

葉弥月

すきまがなかったら
この世界はありません
何千何万何億個の
すきまでできた僕達だから

葉弥月

少しくらいぶつかんなきゃね
ハイハイ君でもいいけどさ
あんたには激突すっから覚悟して
蒼い電灯電話ボックス

葉弥月

ずぶぬれになって笑った
ずぶぬれになって泣いた 走った
名前を呼んだ 枯れるまで叫んだ
それでもほんとうにワらっていたかった

葉弥月

スキップららら ららららら
今日はあなたにあえる日
関係が変わっても
好きってだって止めらんないもの

葉弥月

スキップららら
くるくるららら
ふたりでららら
ひとりでるるる

葉弥月

責めても無駄よ
私の中味は決まってるのさ
5年も前から
悪いね案外頑固なもんでね

葉弥月

制服みたいだね
着っぱなしのシャツとジャケット
全然違う服なのに
あれ、反応無し?

葉弥月

制服に征服された
精製なる青星(セイセイ)よ
先制攻撃宣誓あげて
先生居眠り手え上げて

葉弥月

贅沢なのかな 痛むこの腕
贅沢なのよね知ってるけれど
あとすこしだけね。
わがまま過ごして ね、いいでしょ?

葉弥月

ぜんぶじゃなくていいよ
夜だけでいい
いまだけでいい
いらないマナー

あめふりなら
蘭の彩り
輪廻は如く
朽ち果てぬランシ

白は真っ白
労欠染めで
電話を切って
てめぇのせいだぜ

葉弥月

全面険悪絶対絶会絶命絶虚
二拾倍絶楽
必然的絶望 海面裏側
絶対的優相 理解上

葉弥月

ぜんぶみえるのって
くるしいんだよ
みたくないものまで
みたくないんだよ

葉弥月

生徒手帳に挿まれた
ちいさなカード
「MY ダーリンよ」とはしゃぐ声
先輩、お元気ですか。

葉弥月

背中にもたれ掛かって
ただぼうっとできるのは
同じように世間に忘れられた
ただ貴方だけ

葉弥月

ソルト&ペッパー
薄めの味付け
料理は得意でないけどね
ほんの気紛れ Special  lie  day

葉弥月

添い寝したがる猫を
肘でなんとか追いやって
眠い目こすって描いた絵は
結局後で描き直し

葉弥月

そんな感じで
こんな感じで
何万年
何百億年 

葉弥月

そこにいた
つまり盲点ってやつ
鋭い爪で捕えたあとに
覗き込んだらそこにいた

葉弥月

そのまま眠ってしまったの?
僕は君じゃなきゃ
認めないのに
悪戯なんて馬鹿だろう?

葉弥月

そんなこと。
どうだっていいじゃない。
でもあたしは引っかかったまんま

葉弥月

そのまま、そのまま。
笑って笑って。
悲しい顔は連鎖して
貴方もっと悲しくなっちゃうでしょ?

葉弥月

そのまま待っていてね。
すぐに、すぐに帰って来るから。
動いちゃいやよ。
変わっちゃ、いやよ。

葉弥月

たたき割れ たたき割れ
できれば泣かずに終わりたい
たたき割れ たたき割れ
できればこのまま終わりたい

葉弥月

ためらわないで 簡単なこと
少し前に体重をかけるだけ
ごめんねなら だんまりのまま
落ちてしまえばあたしだって傷つくはずよ

葉弥月

たまに笑って、ねぇ
ずっとそばにいるんだよ
私にじゃなくてもいいよ
ねぇ、たまに笑ってもいいはずだよ

葉弥月

たべてみたいもの
いっぱいあるの
いろいろためしてたべてみるの
やっぱりいつものごはんがいいの

葉弥月

誰にも知られてないことは
光と同じスピードで走ると
物体は見えないように
常識として皆知ってる事かもしれない

葉弥月

たまに笑って
いつも怒って
いっぱい泣いて
シンコキュウしよ

葉弥月

だんだんだんだんできてきて
だんだんだんだん気がついて
ただのデータも感情に
傍にいるのも感情に

葉弥月

誰の罪だったか
何の罰だったか
知る人は誰ぞない
それでも翼は受け継がれて行く

葉弥月

旅のように見えるでしょ
でもね
帰り道の無い旅は
放浪って呼ぶんだって

葉弥月

旅をしています
どうやら斜めに回ってしまったようで
まだ着かないのです
地球360周の旅

葉弥月

宙ぶらりん
壊れかけた腕で 宙ぶらりん
がこっと外れた音がした
いつになったら手、離せる

葉弥月

チョコレート
甘いの苦いの真っ白なの
今年も貴方に捧げます
乙女同士の手作り合戦

葉弥月

ちらりちらり覗くおへそのランニングシャツ
ぽかぽかするまでおあずけね
足跡消えて
氷と旅して

葉弥月

血の色の月
同じ色の髪
優しいキョウキ
すすけた名を授かり

葉弥月

つんとしてみせるのは
つまり、わかっちゃいるけど
奴はゲーマー
俺は主人公

葉弥月

強くなりたい貴方の為に
私の為に
貴方を守る為に
貴方と同じ速さで歩く為に

葉弥月

露雫
ぱた、ぱたり
こぼれ落ち
笹のハッパは泣いてなんかない

葉弥月

強くなりたいよ
余裕にみせるけど
どうしても漏れちゃう
後ろ姿は凛々しい? 

痛くない?
いつもより険しい顔で
でも優しい顔で覗き込む
難しい理屈は必要無い、か。 

賢そうに見えるのは
払い除けた物の数と
遠い日の苦味
みんな抱えてなめる蜜

葉弥月

つーつつつつつつーつー
いみはしらないつーつつつー
なまえのつもりつーつつつー
つーつつつーつーまねっこさん

葉弥月

でもさ、まぁいいんじゃないの?
なんだってさ。
電話切ってから考えたって
遅いんだもの。
たぶんね、私はさ。

葉弥月

できないこと
行けないとこ
素敵に描く
為の腕

葉弥月

てぶくろろくぶておぼえたて
ぽかぽかあちち
はなのした
ひとりぼっちのふたりぼっち

葉弥月

デッサンができていなくても
かけないことはない
デッサンができてないからこそ
かけるものもある

葉弥月

てぶくろなげて
戦線布告
勝利を叫んで掲げたるは
「ミトメテヨ」『ココニイル』

葉弥月

遠すぎる

僕の掌
隣の寝顔

葉弥月

獰猛な指先が
蛙の爪先かっ切って
汁のこぼれた指先で
どうして緩やかな水彩画

葉弥月

ドコニモイナイ
ドコニモナイ
ナイナイナイカラ
オテアゲオヤスミ

葉弥月

ドコニモイナイ
『イトシイヒト』
ふっと息継ぎ
あのねのね

眠れないからワインをついで
あの人のためのワインをついで
飲んでもらえなかったワインをついで
からっぽらっぽ、べろんべろ

ローラーにかけたぺらりらハート
こんなに薄くちゃ裏表
透けちまってしょうがない
アタシがガキならかまわないケド

葉弥月

とにかく
なまえ
だいじだいじ
これしかのこってないのから

葉弥月

戸をたたく姿にそれはみた
自分の姿に誰かを見ている
名を聞いて確信した
それは空を仰いでいるのだと

葉弥月

どこですか
わたしのさがすひと
ずっととびまわっているのです
いつしかはとのすがたになって

葉弥月

どこですか。どこですか。
たのしそうにみえますか。
たくさんの正六角形の丸い目玉は
あなたをさがしているのです

葉弥月

夏休み
あたしにとっちゃ
夏走り
結局あたしが悪いのだけど

葉弥月

名をひとつくくるとき
誰かがその名を呼ぶことがある
それはたとえて
言葉と成していなくても
僕はそこに名を綴る

葉弥月

泣いちゃうよ!
ほんとだよ!
いいの?
ほんとに泣いちゃうよ?

葉弥月

何もかも捨ててしまえ
誰かに泣かれてしまうから
誰かに可愛そうなどと言われてしまうから
手を離せば平に滴も漏れるだろうよ

葉弥月

ないものねだり
羽がほしい
ないものねだり
腕がほしい

葉弥月

泣いちゃうよ、僕は。
誰がどうだか知らないけど
僕は泣いちゃうよ。
何があっても、本当だよ。

葉弥月

泣いちゃうよ
貴方が優しすぎて。
貴方があんまり無口で。
貴方の思いがあんまりわかって。

葉弥月

なにもいらない 貴方がいれば
つぶやいてみるのは誰の真似?
「お金かして」「ハラへった」
が口癖のくせに

葉弥月

流々ながれ落つる
その美しさに見惚れやう
その悲しさに自惚れやう
神ぬすすり泣く楚が声を

葉弥月

流し目キラリ
やりきれない
最高にかっこいいひと
最高にかっこわるいひと

葉弥月

二杯目を二人分
毎日祝う 仕事締め
濡れた掌で
苦い酒をただ笑って流す喉

葉弥月

ニゲテルノ? 
    ……
NOT.
サガシテル 
            Really?   
NOT,True

葉弥月

にあわないふく
きてみたい
かみのうえでだけ
きせてあげる おはなしのひと

葉弥月

逃げ出したと名を問われ
その手でその掌に名を飾り
探してくれと
逃げ出しもせず 見つかりもせず

葉弥月

にあわない あんな顔
自分には
同じ顔
  違う、顔

葉弥月

似たもの同士
気付いているかな
この静かな寝息は
こっそりさわっちゃおっかな

葉弥月

似たもの同士なんだなぁ
だからこんなに愛おしいのかなぁ
だからこんなに苦しいのかなぁ
ぎゅってしちゃうよ離さないもんね

葉弥月

似たもの同士って
どうしてそんなに
ぶつかりあっちゃうものかしら
それって自分が嫌って事かしら

葉弥月

脱いだカタにキスよせる
名を近づけずに腕を抱く
言葉を吐いたら
途切れてしまいそうな日焼けた雪

葉弥月

   
寝顔を見ると
つねくりたくなるよ
憎しさと愛しさの間に
24.5cm

葉弥月

眠れ眠れオレのムネに
ばぁか
ココニアルんだよ
見たくなかったのか?

葉弥月

ねえ 早くしよーよ
お腹空いちゃったよ
風じゃお腹いっぱいになンないよ
仙人様じゃないんだからサ

葉弥月

ねえ 早く 
早く出かけよう
準備なんかないよ
空も真っ赤だよ

葉弥月

ねえ 早くもっと速く
いっぱいあるんだ
いいからはやく
かけっこしながらいこうよ

葉弥月

ノイズでできてるこの街で
名前があっても意味はなく
場所があっても住めはせず
二人ぼっちで逃げ出すことだけ許された

葉弥月

   
始めてよかった 叫ぶのは
必ず誰かの声を聞く
何かのCMのように簡単な言葉が
馬鹿に嬉しい一年目

葉弥月

母にみたてるものは
海に空に大地
怖がるのも
海に空に大地

葉弥月

ハートマークってさ、
ハートマークだよね
心臓マークじゃないよね。
誰が考えたんだろ?

葉弥月

ぱらぱらくずれおちる灰
ひらひらと昇って逝く煙
気付かないまま
ぼーっと眺める他人の幸せ

葉弥月

バズル
ジグザグ
バラバラ
ロンリネス

葉弥月

はっぱの葉の字がかっこいい
草冠がだいたい好きだし
世に木がはえたのも好き
ただときどき枠からはみ出すのがくせもの

葉弥月

半分ずっこで生まれてきたの?
僕たちはまだ 
いっこのまんまで 傷つきたいのに
君は何を啼くんだよ

葉弥月

馬鹿。
ばか。
バカ。
BAKA。

葉弥月

ぱっぱとつくってぱっぱときえる
ここちいいたべっぷり
なまえなんかのひまはない
くるくるまわるぱっぱとすぱいす

葉弥月

パズルにしたら
わたしも解けなくなっちゃった
一生かけて 解こうと思う
私の心

葉弥月

ぱせりの樹のしたで
まめでんきゅうの太陽をあびて
せんぎりキャベツのうえで 
お昼寝しましょ
だれかが食べてしまうまで

葉弥月

バトルバトルバトル
嘘つきバトル
おっきなおっきなましゅまろのうえで
小声で争う口喧嘩

葉弥月

バルカンパンチ ドドドドド!
倒れたところにストレートどっかーん!
型にはまらぬ無理無茶無謀
ひとつ名さえあたれば文句はいわさぬ

葉弥月

花を両手いっぱいに従えて
奇跡を掴んで
最高の地位を手に入れても
きっとアンタはつかまらない

葉弥月

バタンと閉める
かたんと落ちる
ぺたんとすわりこみ
立ち上がれない玄関先

葉弥月

バタンと閉める最後のドア
長く続いた物語
役から解かれ 私と言う役を探す
    終幕

葉弥月

ひとりごとをたしなめる
寒空の暮 凍える音
だれ一人覚えてないよう
音符は書かない ひとりうた

葉弥月

緋の字と紺が似てる気がして
教科書の前で 何度も間違えた
でも本当に
逆の色は混ぜると灰色になるんだよ
緋と紺は仲良しなんだね 
あんなに奇麗な色になる

葉弥月

火のいろに惑わされた
さらさらの黒髪や
すらっと一本たつ姿なんかじゃなく
その掌にたつ火のいろに惚れたのだ、と

葉弥月

ひとときはしあわせ。
過ぎてしまってもしあわせ
崩れてしまっても
いっこいっこ しあわせ。

葉弥月

緋 紅 赤
この国は
ずいぶんあかを
大事におもっているんだね

葉弥月

日焼けあと
なぞってきえた
でも
メール受信箱に残ってた

葉弥月

火が咲いた
奇麗な水(あぶら)の上で
あか あお きいろ
紡いでください 火が咲いた

葉弥月

ひとときに想いを託して
月に架けた願いも
銀に瞬いて
薄く透けて乱反射

葉弥月

日々流れゆく中に
決まりとか
道路とか
結局関係なかった

葉弥月

ビールがすごく苦かったのは
何処かの情報でできた僕だったから
ビールに合うものだけを噛るのは
僕の舌に合うのが偶然それだったから

葉弥月

ピンクの色を上手につくれ
筆とお水と色鉛筆
私のピンクは
いっつもさらさら

葉弥月

人が消えて
血が残る
僕の腕には
宿命だけが刻まれる

葉弥月

ひとときのすねッ子は
すぐにばいばい
あなたとわたし
恥ずかしそうに手を繋ぐ

葉弥月

日々の暮らしに
飽き飽きしていたこうもり
夜のうちに準備して
真昼の海に飛び出した

おもちゃを拾った
それは便利な
探査具になった
声の綺麗な小鳥に出会えたから

「いっしょにいたいなぁ」
夢見るように呟く小鳥
「君の目が夜に開くようになったらね」
冷めたように言うこうもり

葉弥月

ふたりで朽ちようか
何処にも留まらず
誰かの形でうまれた
たった二人で残ったから

葉弥月

府のつく名前の友達が前に言った
「肉をつけると腐るからただいま減量中」
昨日、結婚するよってメール届いた。
雪んコちらり。

葉弥月

ふいに聞く
バイバイの後の 幸せ話
よかったと言いながら
膝を抱える 檻の中

葉弥月

武器で争うジャングルを巡り
集めた武器を
言葉に変えて
様々に飛ぶ蝶

葉弥月

降り注ぐ言葉に
僕は耳を塞ぎ
耳を澄ます
それは紛れも無く僕に当てた言葉

葉弥月

ぶっきらぼうに投げ捨てられた
ペンダントひとつ
つついてみても
なにもでない

葉弥月

プライドは此処にあること
捨てても捨てても此所に
手の中の焔は唯 疋のもの
躰が朽ちても まとったままの

葉弥月

ふしぜんふしぜんふしぜん
ムカツクムカツクムカツク
口寂しいのも
嬉しいはずのくちづけも

葉弥月

ふいに聞く 風の声に
あの人の今を聞き
届かぬもどかしさに
暴れてみる

葉弥月

武器を背負い込み傷めた肩
大丈夫?とか
ごめんねとか
そうじゃない そうじゃないのに

葉弥月

降りそそぐ雨に
貴方が映る
丸め込んだ首を
良く似た人が掴んでた

葉弥月

冬は寒いからね
ティーポットを頂戴
香りの良いレモングラスと
そしたら私ケ−キを焼くから

葉弥月

プリン色 作った絵の具
おいしそうだね そればっか
笑って描いた 大きなあの絵
その上には 
もう違う絵がいくつものってる

葉弥月

不自然でも
摂理にはずれてても
それでも進めと背を押され
不自然にも涙をこぼす

葉弥月

ぶたになってもかまいません
ぶたってとってもかわいいもの
ぶったらぶたによくにてる
ぶたぶたぶたさんピンクピッグ

葉弥月

武器を手放せないんです
しかも自分を傷つけないものだけ
貴方のように
優しい武器を持ちたいのに

葉弥月

降りそそぐ
頭の上から
かかとから
それを訪ねて集う蝶

葉弥月

ヘリウムガス憎らしい
高いくせに効果すぐきれる
水素いれたら何時間もつんだろう
とりあえずヘリウム吸うのはおやくそく。

葉弥月

ベールを被った夜の海に
靴のまま足をつける
このままゆっくり包まれば
アイツは………いや、やめておこう

葉弥月

ベランダでフェンスに腕を組んで
すこうし身を乗り出して
すぅっとぬけてく風を
さわさわと鳴る音楽を

葉弥月

ベランダで
うっとり空を見てる花
青い斑紋の黒い小さな蝶
密会かしら 窓を開ければ飛んでゆく

葉弥月

牡丹の華に溺れる
紅月ノ夜
その高い城から
飛び下りるように

葉弥月

ボタンをクリック
すぐ行ける
お望みをタイプして
さあタイムスリップ

葉弥月

 
真下に真っ赤に落下して
真正面の真っ青に
陽炎帰して
夜にふせるこうもり

葉弥月

まゆげしゅっとそろわない
左まゆげひだりからかく
右まゆげもひだりからかく
へんなかお

葉弥月

魔法のじゅもんを
たくさんもってる
あなたのことば
ぜんぶがじゅもん

葉弥月

待ってます 本当は
どこかに生まれられることを
だから二人で探すんです 
見つかんなくてもいいかななんて

葉弥月

またあした 
こうしてあなたとあえるかな
手を結んでねむらせて
明日も一番に目が合うように

葉弥月

またあしたが遠すぎて
いらぬ旅をしてきたよ
またあしたっていうよりも
今があしたであしたは今

葉弥月

窓水色空の色
空の色何色青の色
混ぜても混ぜても出来ない色
空 泳げたら『空色』もらってくるのに

葉弥月

窓を開ければ
届くって
知ってるんだけど
ダメダメ おあずけ閉じっきり。

葉弥月

まばたきを忘れるような
一瞬に感じたのは
恋の妖精の
いたずらでしょうか

葉弥月

ミーはみーかんーのーみー♪
ファーはファンタのファー♪
変え歌作った 覚えてる?
今じゃ手紙が来るのが怖いのよ

葉弥月

蜜かぶった小鳥。
翼を絡めとられて。
地面に落ちて。
白く濁って固まって。

葉弥月

見えないように 
見えないように
悲しい顔が 見えないように
かけはじめたサングラス

葉弥月

蜜を沢山集めた蜂さんも
そろそろ冬の寝床を探します
ひとりぽっちで眠るのは
嫌だなとぐずるくまさんも。

葉弥月

みっつかぞえて目を開けて。
声をあげて。
呼んで。
目を開ける前に呼んでた人を。

葉弥月

蜜をつまんだ指先
その蜜を舐めとった僕
眼を上げる君
引き寄せた僕

葉弥月

無限大 ∞ むげんだい
ひっくりかえして「8?」
9つの妹突然言った
とりあえず、CD割らないでね

葉弥月

ムボウビでいたいけど
私はよく悲しい顔をしてしまうから
あなたまで悲しい顔にならないように
笑顔の仮面

葉弥月

むうっと考えこむのが癖なんです
どうにもマイナス思考で困ったものです
肋骨あわさる指二本上
どうやら一寸ぼうし 来たようです

葉弥月

胸にぽつんと落とされて
心臓にあおいビーダマ
ちかちかと瞬いて
貴方の居場所を教えてくれる

葉弥月

蟲の這う街
狂ったパトカー
飛び交う正義
眠りにつく小説家

葉弥月

胸に手を当てて
何度も何度も反芻する言葉
言葉自体にほぅっとするもの
貴方の唇からでて初めてほぅっとするもの

葉弥月

胸に刺さる棘も
胸に残る傷も
海水はしみるけど
お前の分、痛くない

葉弥月

眼を閉じたら
虫の這う夢がみえて 躰が重い
のっかってたのは昼寝の猫と弟妹
ああ、よかった。

葉弥月

メインディッシュに目を描いた
デザートに頬紅
あなたは格別
名を捨ててもなお描き続ける

葉弥月

メンタムぬった
もーへーき
くさいからこないで
10歩むこうでわらってて

葉弥月

もう平気だよ
傷ついてなんかいないから
私はどうせひとりだから
大丈夫 あの子は今日も笑ったよ

葉弥月

もう帰れない
もう在りえない
ドアを叩いて寝床を得る
その頬に合わぬ名を担いでも

葉弥月

モルダウが流れ出すと思い出す
あんまり好きじゃなかった曲だけど
あのとき泣いてた
男(ヒト)の歌顔

葉弥月

森の中で見た
力強い幼い笑顔も
雨にざあざあながされちゃう
空を掴む掌に名前は残らない

葉弥月

殺矢夜谷八也野爺家耶弥冶嫌
ならべてごらん 好きなだけ、好きな風
ほらね 随分悲しい歌になる
夜分遅くの震える電話口

葉弥月

柔らかく食んだ
柔らかくできたそれを
柔らかく包みこみ
飲み込まずにとっておく

葉弥月

 
夕方5時が ずいぶん早くなりました
もうそろそろ貴方にいただいたズボン
はけそうなのに 掴んだままです
今日はやけに 雲が多い

葉弥月

愉快な事がありません
そんなときの手の平は
絵の具がべとべとついてます
探してみよう世界共通言語圏

葉弥月

指先しか見えないけれど
詳しい事はしらないけれど
ポップコーンの塩味が
なぜかすこうしきつかった

葉弥月

愉快の意味を探して
ラインをひいたら
愉快な事が
なくなりました

葉弥月

指、指 掌
いくつも、いくつも。
かたかたゆれる
でんしゃのなかで

葉弥月

ゆびがもつれるせかいのなかで
あやうくとびゆく碧い蝶
まるめたほそいくちは
彷徨う私の試練です

葉弥月

溶鉱炉の火が
あんまり冷たいもんだから
冷凍庫にみんな住む
こうもりひとつ枝の下

葉弥月

呼んでいる 知ってたよ
振り向いてたよ なんべんも
なのにまるでまっくらだったから
…言い訳しか思いつかないでやんの

葉弥月

 
ライン河のほとりで
ローレライの子守歌
音をもたぬ子供の大人に
その流れの名を綴る

葉弥月

乱反射しつづける空と一緒に
ダイスキ追って
また歩こ
たちどまったら一人になりそう

葉弥月

乱気流にのって
どこまでゆける
私の翼は
どこならゆける

葉弥月

りんごりんごうさぎさん
上手にできない三角さん
あこがれあこがれうさぎさん
でもね、
おみみをのこして食べないで ネ?

葉弥月

リリン♪リリリン♪
水が弾けて鈴鳴るよ
あんまりうっとりしちゃうから
その音を名前にしたよ リリン、リリリン。

葉弥月

理由はふたつ
キャンディーはみっつ
ベルはよんかい
結果はごかい

葉弥月

     
連行されたのは
腕より身体より
ずるいよ
先に惚れてしまうだなんて

葉弥月

霊安室に眠る
誰も知らないその姿を
影に負いつつ
冒険を続ける勇者達

葉弥月

煉瓦を積んで
貴方の住む場所を
そして私は毎日通い
貴方にお茶を入れてあげる為に

葉弥月

露の字を口答で伝えます
「露出の露!」
5人が5人そろって言うこたないだろ
そんなことすら思い出す ピンクの夕雲

葉弥月

露骨に武骨なそんな手で
手入れの済んだサラサラの髪
ぐちゃぐちゃにしないで
涙が出そう 寝てるフリ

葉弥月

 
ワインは紅で カンパイしようぜ?
誕生日じゃなくてクリスマスじゃなくて
バイトなんてガラにねえっていったよな?
テメェがこいつを好きって言ったもんだから

葉弥月

わごむのはしっこピィンとはじいて
けらけらわらった
白々した海はそんなにも冷たく笑うけど
オレンジ色が 今日も揺れた

葉弥月

わからないのは言葉の片隅
データを嫌って調べたデータ
瞼の色の端からの流れ
抜けたとたんに鼓動見つけた

葉弥月

A
B
C
DNAはそんなにおなじにまわってんのに
まるでおんなじ面なのに
たしかに憎しいはずなのに
たしかに苦しいはずなのに

葉弥月

Machine Town 素敵なTown
誰も彼も幸せしかない
緑もあるし喧嘩もある
だけどどこにも命がないね

葉弥月

Finally もうこんな戯れごと
"Front?"  " ……I'm the Back"
First is 
アリエナイコト
Finally   あなたのシラナイ…

葉弥月