cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ


NO.507  2023/05/01 (09人27作)
屋上 水色
屋上でふと、蘇る
記憶はまるで8ミリフィルム
昭和レトロな遊園地
手をふる若き父と母

ふみちゃん

趣のある古民家の
軒に見つけたツバメの巣
雛鳥の声
高く響いて

ふみちゃん
水色のシーグラス
拾い集める春の浜
スパンコールの
海が広がる

ふみちゃん
屋上には
ただ広がる空
飛んでいく鳥
残る囀り

そばかす

趣きを極める
夏の古都
打ち水して
涼を呼ぶ

そばかす
水色のビー玉を
通してみる世界
あまりに涼やかで
泣きそうになる

そばかす
あ。わたくしも、その屋上の遊園地、知ってる知ってる …… 8ミリフィルム、うん。ほんとうに。
そして、そこにつづく そばかすさんの四行が、エンドロールの映像みたいに効いてしまって。
すばらしかった。ありがとうです。
屋上の
空一面の青の青
目を開いてる
息をしている

肉野菜

趣の
ある下町の川べりの
ささやくひかり
五月たらしめ

肉野菜
水色の
宝石のよう若き日の
我を忘れし
あの坂道に

肉野菜
屋上で
まぶたを閉じて深呼吸
空の青さに
洗われている

ふらっと
     … 「洗われている」 だよ
趣向を凝らすより
あるがままがいい
切り刻むより
丸ごとがいい

ふらっと
水色と藍色のあわい
ゆりかごに揺られるように
身を任せて
時をうつろう

ふらっと
屋上で
空を見上げて深呼吸
遮るものが何もなく
宇宙と交信出来そうな夜

スー・


趣を
身近に感じ参拝し
昔の日々に思い馳せ
また来年も願う白藤

スー・
水色は心が和む紫陽花や
悲しい時の涙色
爽やかな春の空の色
喜怒哀楽にそっと寄り添う

スー・
屋上シリーズ、青つながりと、深呼吸つながり(^^)
ほかのお題も含め、四行目がとくに、どれもとても好きです。
「宇宙と交信出来そうな夜」 「五月たらしめ」 「丸ごとがいい」 うん。すてき。

おいそがしいなか、忘れずに届けてくださり感謝です。




屋上で人知れず涙ぐんでいた
叱られたり突然の哀しい知らせに
私だけが欲深く身勝手だったことを
ぼやけた星屑に曝して拭ってもらった

ぬちうむい
趣味特技はなしと記入欄に書いて
大切にしていることは何かとの問いに
心地良いそよかぜに身を晒し
明日へと一歩踏み出すことと答えた

ぬちうむい
  
水色から深緑まで
多彩に刻々と変化する海を目にして
勇気を出し岩の上に立ち両手を揃え
肌をさらしてすべてをゆだねる

ぬちうむい
三作とも、ぐっと読ませてくれますねぇ。「さらすこと」がテーマなのかな。
「大切にしていることは 〜 明日へと一歩踏み出すこと 〜」 ここがよかった。です。ね。






屋上から手を振る
私はあなたを忘れることはなく
相も変わらずありがとうと
ごめんねを風に放つよ

ナツ
趣を残す庭は荒れても
石灯籠の陰で
つつじが燃えている
あるじ亡くても

ナツ
水色のスカートひるがえし
みどりの風を味方につけて
さっそうと行け行け
五月の少女たち

ナツ
    
屋上ビアガーデン
背伸びしてフライング
小ジョッキ合わせて
ぎこちなく「カンパイ」

こまはは
趣きかもす白い庭に
色どり映えばえ
君子蘭のオレンジ
赤紫のチューリップ

こまはは
    … 「チューリップ」 だよ
水色コーデ
お似合いです
オオデマリの花房
真白に輝いて初夏の候

こまはは

わぁ。なんか。爽やかな風が吹き抜けている。
「水色のスカートひるがえし 〜 五月の少女たち」  いいねいいねー。
「水色コーデ お似合いですね 〜 初夏の候」 これも、これも、 いいですねー。
五月の風をありがとうです。











屋上につづく階段
踊り場の壁にいつから
描かれたままのだれかの
TO DO LIST

soyo
 
趣きの 深いぃ音の正体を
確かめたくて 知りたくて
そっとしずかに やみくもに
音を鳴らしてすごす 生涯

soyo

水色のたりない場所をみつけては
そこにこっそり咲きそめる
わすれな草の
そうゆうところ

soyo
   … 「ところ」 だよ 「ところ」