cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ


NO.506  2023/04/01 (09人27作)
眺める はなうた

上履きトントン
履き替えて
駆け出すリノリウムの廊下
おはようの声響く教室

ふみちゃん
眺める
ふるさとの風景
変わりゆく街
変わらない山

ふみちゃん
はなうたまじりで
干すシャツを
揺らす春風
空は水色

ふみちゃん
 … 「水色」 だよ 「みずいろ」

上を見上げると
白い花びら
空を舞い
わたしのもとに

そばかす
眺める
川岸
霞のように
咲く桜

そばかす
はなうた歌い
こねるパン生地
りんごをはさもうか
チーズを入れようか

そばかす


上弦の月はうつろう
夕闇は刻一刻と深くなり
白金のひかりをつれて
季節を巡る

ふらっと
眺めるうちに
表情を変え
深みを増す青
光は眠る

ふらっと
はなうたを
唄っていたよと
言われて気づく
きょうもしあわせ

ふらっと


新年度ですね、こんにちは。幸せがただよう「はなうた」たちが、大好きでした。ありがとうです。
そして、9作ぜんたいに、そこはかとなく春の空気のすがしさがちりばめられていて。すてきすてき。よろこびました。



上々の
卯月の風の通り道
誰も知らない
ビルの屋上

肉野菜 … 
「屋上」 だよ 「おくじょう」

眺めると
曲がりくねった道たちも
ただそれのみの
懸命の道

肉野菜
はなうたも
至極自然な帰り道
ざわざわふふふ
春の東京

肉野菜
上へ下へ南へ西へ
北へ東へ軽やかに
リュックひとつ
山道歩く

ぬちうむい

眺めるだけで
心満たされる
浦賀水道行き交う
貨物船

ぬちうむい
はなうたならば
はずかしくないから
さくらなみきで
あいしてる

ぬちうむい
うーん。どちらも素敵ですねぇ。
「上々の卯月の風の通り道 誰も知らない ビルの屋上」 いいですねぇ。ずっと大事にしたい場所ですね、そこ。
「上へ下へ南へ西へ北へ東へ軽やかに」 これはもう視覚的にも広がるせかい。
ビルと山 場所は対称的だけど、どちらもひとり、しずかな決意がみえかくれ。

上がってく
風を掴んで花びらが
青空に舞うその姿
ソメイヨシノの勇姿に感謝

スー・
眺めると
遠く輝く海辺まで
連なるような参道に
圧倒される古都の趣

スー・
 … 「趣」 だよ 「おもむき」(趣味の趣)

はなうたを
みんながもっと歌ったら
きっと楽しい世界中
そんな想いが舞い踊る春

スー・
上手の手から
もれた水
さりげなく
そっと掬いとる

こまはは
眺めるほどに
咲きすすむ桜
巣立つ君への
まさに花むけ

こまはは


はなうた
きままにりふれいん
るるるららら
ばいばいぴえん

こまはは
「眺めると 遠く輝く海辺まで 連なるような参道」 
 「眺めるほどに 咲きすすむ桜」
というふたつの描写が、どちらもとても、とてもよかった。
まなうらに思い浮かべてまんきつしました。ありがとうです。





上着は大事
中に何を着ていても
誰にもバレない
たくさん着込むカクレミノ

ナツ
眺めることができる
響くトリの声もシアワセ
桜の下を素通りした
あの春のぶんもとりもどす

ナツ

はなうたいつのまに
あなたといっしょ
背中合わせ知らぬ顔でも
でんせんする

ナツ
うん。なにか、わたしのきんせんにふれてしまって、
今月の「あの春のぶんもとりもどす大賞」ということにさせていただきました(*^-^*)
ひきつづき、より良い春になりますように。












上質な眠りのあとの
お散歩の
このうえのないすがしさの
春の大地と我のよろこび

soyo
 
眺める春の雪どけの
川面のうねり みずしぶき
迷うことなく ごうごうと
せかいにつづく海にいくのね

soyo

はなうたに
あわせてギター弾いている
好きなだけ
好きなことだけしてる春です

soyo