cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ



NO.448  2018/06/01 (10人30作)

とぼとぼと 余白
とぼとぼと
足音もない夜の道
街灯だけが
妙に明るい

ふみちゃん

余白に描いた
パラパラマンガ
走って飛んで
ころんでる

ふみちゃん

音色涼やか
風鈴の
赤い金魚が
泳ぎだす

ふみちゃん
こんにちは。こんにちは。今回もありがとうです。ん〜。今回もふみちゃんの三作は…… どれも大好き。 ふるえました。
「走って飛んで ころんでる」  とか 「赤い金魚が泳ぎだす」 とか。ね。 
ちょっとした郷愁みたいなものがね、ちくんと胸にくるような ……。  だいすき〜。 
そして。肉野菜さんの作品との、この呼吸……。
とぼとぼと足音もない夜の道 街灯だけが 妙に明るい (ふ)  
とぼとぼと川沿いの道歩いてる この人生はそれでまたよし (肉)
とぼとぼと
川沿いの道歩いてる
この人生は
それでまたよし

肉野菜

余白を埋める
ことはやめよう
憂いても憂いきれない
ことに気づきて

肉野菜

音階の
流れ気ままに揺れている
はじめから自分の中に
あったメロディー

肉野菜

とぼとぼと歩くよ
梅雨がもうすぐやってくる
ひと足ひと足
自分をはげましながら行く

ナツ

余白にちいさく
書かれたハート
飛んでけひろがれ
沈黙を吹き飛ばせ

ナツ

音 月明り
ふたつは溶ける
わたしをつつむ
深夜の電車カタタン タン

ナツ

そしてそして。ナツさんと肉野菜さんのこのフレーズも、並べて読みたいことでした。
音階の 流れ気ままに揺れている 
はじめから自分の中にあったメロディー (肉)
梅雨がもうすぐやってくる 
ひと足ひと足 自分をはげましながら行く (ナ)  

ね。なんかね、なんかなんか、この「自分」らの 歩調? 波長? そうゆうものがたまらないです。
たいせつな、ひとつひとつでありました。ありがとうです。
とぼとぼと
ただと
ぼとぼと
とぼとぼと

湘南坊主
余白
余韻
静寂
無音

湘南坊主
音とは
波であり
その波が
届くのが耳

湘南坊主

とぼとぼと ただと ぼとぼと とぼとぼと

これね、みなさん、どんなふうに読んだでしょうか。
わたくしは、はじめ 「?」 と思って、そのあと「!」って、なんとも言いようのない可笑しみにつつまれました(*^-^*)
声に出して読みたいシリトリ みたいな。はやくちことば みたいな。「ただと ぼとぼと とぼとぼと」 「かえる ぴょこぴょこ みぴょこぴょこ」 みたいな。
なんの説明もなく、こうゆう可笑しみを届けてくれる湘南坊主さん……  読み手として信用されている感じがありがたいなぁ (とひとりごちでいるのだった)。
とぼとぼと行きすぎる人
駅前の雑踏のなか
帰る先で安らげますように
祈りつつ見送る日暮れ

ふらっと

余白にびっしり
覚え書き
見返しても意味不明
それでもなぜか頬ゆるむ

ふらっと

音が響けば
こころにみちる
からだにみちる
ねむりにおちる

ふらっと

とぼとぼと歩く夕暮れ
もっと遊びたかったって
思いながらも途中から
楽しみに変わる 夕ご飯

alice
余白を心にも持ちたい
行き場のない思いを
そっとそこに置いたりして
なんか 安心する

alice

音はいくつあるのだろう
色が限りなくあるように
果てしなくて 無限
もう好きな音に出会えたのかな

alice
うん。みんなが うんうんと頷きそうな 「余白」 がふたつ。そんな視線がとても好きです。
そして、四行目のね 「なぜか頬ゆるむ」 と 「なんか 安心する」 とゆう、心地よいシンクロ。にこにこしつつ読みました。

もうね、全体的に愛があふれていますねぇ。うん。ありがとうです。だいじです。





とぼとぼと
雨の細道
鮮やかな紫陽花ブルーに
息をのむ

そばかす

余白には
香りたつ
ライラックの
花びらを

そばかす
音は消え
雨の香りに
包まれる
濃密な夜

そばかす

うーん。どれも素敵ですねぇ。そばかすさんならではの、シンプルなうつくしさ。
「雨の細道」  「紫陽花ブルー」  「香りたつライラック」  そして 「濃密な夜」! ああ!!  
とゆうふうに、どきどきしました。ありがとうです。 今日から始まる六月を六月たらんとしらしめる、そんな三作なのでした。ありがとうです。




 
とぼとぼと うつむき歩む足元に
たんぽぽの綿毛見つけたよ
ふぅ〜。ふぅ〜。ふぅ〜。
いじけ虫も飛んでいけ

こまはは

余白を埋め尽くす満天の星
突き抜ける糸杉
時空をとび超え
鼓動が響き合う星月夜

こまはは

音。光を追いかけ
風にのり
色をまとい
自在に往き来する旅人

こまはは

とぼとぼと
帰る夜道に光る月
いつも見守り続けては
励ましてくれる そんな関係

スー・

余白には
何を書いたらいいだろう
何で埋めたらいいのかな
それともそのまま 楽しもうかな

スー・

音もなく
隣や後ろにいつの間に
我に返って目が合えば
可愛く挨拶し合う幸せ

スー・

なんかね、ふたつの「音」が、とてもよかった。
「音そのものをみつめている」こまははさんと、「音もなくうごくものについての愛」を書いてるスー・ちゃんと。
ぜんぜんテーマはちがうんだけど、「自在に行き来する旅人」と 「隣や後ろにいつの間に」 っていうところがね
自由人同士 みたいな、、、(音のことと猫のことなのに自由人同士?!) みたいな、そんなおもしろさがありました。たのしぃー。


と、ひとり勝手な解釈をたのしんでいる初夏の夜長でございます。今回も、いっぱいありがとうでした。








とぼとぼとあなたの歩く道ばたの
あなたが蹴った石ころや
こぼれた種やためいきが
熟成されてできたこの庭

soyo
 … 「庭」 だよ 「庭」
余白はひろく だだっぴろくて
そう そこに 
うつくしいかたちのゆめを
落とすよろこび

soyo 
… 「よろこび」 だよ 「よろこび」
音叉で軸をととのえている
ひつようなひとつひとつを
まぜこぜに
つくるあらたな我の枠組み

soyo
 … 「枠組み」 だよ 「枠組み」