NO.394 2013/12/01 (9人27作) |
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月
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スープ
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手袋
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月が冷たい
ナイフのように
鋭く光る
極寒の夜
ふみちゃん
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スープの湯気の
むこうがわ
しあわせゆらゆら
わらってる
ふみちゃん
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手袋でそっと
受けとめた
天から届いた
白い花びら
ふみちゃん
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月 仰ぎ見て
愛しい人を想う
いにしえの世も。きっと
はるか未来まで。ずっと
こまはは
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スープひとさじ
飲むほどに
よしよし。と
背中さすられて
こまはは
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手袋はめた
こんこんこぎつね
曇りガラスの向で
ぴーすさいん
こまはは
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「さいん」 だよ 「サイン」 |
こんにちは。今年最後のシリトリをありがとうです。
永年勤続皆勤功労ふみちゃん賞のふみちゃんと、2013最優秀新人賞のこまははさんです ヽ(*´∀`)ノ。
月もスープも手袋も、それらのことを語るなら これが王道 とゆう感じ。普遍的な視線をもって、それをだいじに取り扱っていただいて
感激なのです。いつもほんとにありがとうです。2013年をしめくくる師走がすてきにはじまりました。おかげさまです。
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月あかりやってきた
くもりガラス暖かい光
眠りに落ちるまで
そこにいてね
ナツ
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スープをよそう
お皿はいま二枚
時代と共に
増えたり減ったり
ナツ
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手袋ろくぶてランドセル
信号待ちの
小雀はしゃいで
この町にも冬が来る
ナツ
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月見上げ
日暮れの早さを思い知る
気配はとっくに感じてる
だけど待ってて もう少しだけ
スー・
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スープって
どんな時でも美味しいし
だけどやっぱり 冬が一番!
さみしい心もあったまる
スー・
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手袋を
いつもしないでいるけれど
その雰囲気は好きなんだー
手袋の似合う 女になりたい
スー・
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「もう少しだけ」 だよ 「もう少しだけ」 |
そして、自然派・なちゅらるぞーんのナツさん&スー・ちゃんなのです。
ナツさんとのお付き合いも、2008年1月の初投稿以来、ほぼ皆勤賞の6年間がすぎました。ありがとうです。ありがとうです。
「手袋ろくぶてランドセル!」 これ さいこうでした(^^♪
あのころ、どうしてみんな「てぶくろ」だけを逆さに呼びたがったんでしたっけ……と、調べてみたら
ははぁん なるほど〜。「六回叩け」と相手にいわせる遊びだったんですね(´∀`*) へいわな昭和。
今の子も小雀たちもそうしてはしゃいでいるのなら、それはたいそううれしいですね。
うん。そして。今年は、半年間のお休み期間があったスー・ちゃんですが、あら不思議。お休みしててもずーっとずーっと
いつも近くにいるような、この卓越した存在感・・・。スー・ちゃん、今年もありがとうです。
来年もこんな感じでよろしくお付き合いくださいねっ。 「気配はとっくに感じてる だけど待ってて もう少しだけ」 ここのところが大好きでしたっ。
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スープ好き
やっぱり
いちばん
貝チャウダー
湘南坊主
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手袋に
愛を
編み込む
スチャダラパー
湘南坊主
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月の満ち欠け
傾き加減の奥深さ
夜空に溶ける
心のひだ
ぬちうむい
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スープがとてもおいしいね
じゃがいもにんじんたまねぎホタテ
絹のようになめらかに
すべりおちてあたたまる
ぬちうむい
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手袋はしない
凍える寒さに身をひきしめ
あの人からとどくまで
妄想しながらやせ我慢
ぬちうむい
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「我慢」 だよ 「がまん」 |
ひとむかしまえ、「この場所の老若男女のバランスが自慢なのです」と、クチグセのように言っていたのですが
ここ最近は、あっとうてきに妙齢な(?)女性が多くなってきていて、そんななか、万年青年なこのおふたりの存在がたいそうありがたいことでした。
坊主さんの ディステンバーと貝チャウダーとスチャダラバー って、さすがですねぇ〜。このナンセンスな遊びのセンス。お見事なのです。
そして、ぬちうむいさんの 「スープがとてもおいしいね」 このはじまりがとても好きです。
「絹のようになめらかに すべりおちてあたたまる」 うん ほんとうに、あたたかいです。
ありがとうです。それぞれに ほっとな冬をお過ごしくださいね。
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月が窓から大きく見えて
ふかふか大きなベットにうもれ
チョコレートのように甘い
真夜中の魔法、ポンと
ひなた
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スープがのみたくなるのよ
こんな寒い日には女の子は
たしかに君のいうとおりだね
ぼくはスープをつくるとするよ
ひなた
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手袋いっこ落っことして
違う手袋いっこひろった。
誰かと手をつなぐように
ぼくはそれをはいた。
ひなた
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……と、ひとつうえのコメントに老若男女のことを書きつつ、
「まあだけど ほんとのところは性別も年齢もそんなには ほとんどかんけいないんだけどね ……」なんて思っているわたくしもいて(^^♪
ひなたさんはちょうど そんな感じの存在なのです。
もう2年半ものお付き合いになりますが、シリトリ以外の素顔は、読む側の想像力にまかされていて、すてきすてきな不思議ちゃんです☆
今年もかずかずの名作を届けて下さりありがとうです。今回も三作ともにきらりとひかる何かがあって、しびれました。
どうぞ来年も、ひきつづき よろしくお願いしちゃいます。
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月の満ち欠け
ただ眺めてた
満ちては欠けて
欠けては満ちて
ふらっと
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スープのために 野菜を切って スープのために
本を一冊
ふらっと
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手袋ひとつ これだけで 冬はしあわせ
息が白いよ
ふらっと
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月ばかり見てた霜月
背景はなんにもなくて
ただ月が
すばらしく在る夜にいました
soyo
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スープからはじめる雪夜
おなかから
あたためてから
かえりみようか
soyo |
手袋をかたっぽ編んで
気がつけば
ふたつき みつき
ゆめみたりして
soyo |
そして最後になりました。今年最後のシリトリですの。
ふらっとさんのシリトリ、ことしもどんどんしなやかに やわらかくなり、最後を飾るこのシンプルな四行たちがほんとにすてきなものでした。
「月の満ち欠け ただ眺めてた」 ・・・・・・ この ただ眺めてた感じが、ちょうど私の書いていた 「月ばかり見てた霜月」 と
ほとんどおなじ事実に見えて。 ふたりとも うまくことばにできないけれど 余計な想いはなんにもなくて ただそれだけの月をみたよというような。
そんなこんなで なにはともあれ 来年もどうぞよろしくお願いします。 (……「これだけで 冬はしあわせ 息が白いよ」 うんうん。)
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