NO.393 2013/11/01 (10組33作) |
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連れてくる
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そのなかに
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ヌケガラ
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連れてくる
冷たい夜風が連れてくる
落ち葉の匂いと
静寂の月
ふみちゃん
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そのなかに
入っているのは ちいさなわたし
おはじき リリアン
紙せっけん
ふみちゃん
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ヌケガラの
私に気づいた私はきっと
外から見ている
新しい私
ふみちゃん
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「月」 だよ 「月」 |
連れてくる
オハヨウの言葉が
笑顔をそして
爽やかな気持ちを
ナツ
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そのなかにいるの?
みせてよみせてよ
カエル?ミミズ?
取り囲まれて手が熱い
ナツ
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ヌケガラは語るよ
秋風に吹かれて
楽しかった夏の日のこと
土の中で見た夢のこと
ナツ
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こんにちは。日に日に寒くなりますね。コタツに入って編み物などを始めたくなるこんな夜、
ふみちゃんのシリトリのなかに「リリアン」の文字を見つけてこころ踊ったことでした (*゚∀゚*)。
今回ご参加のシリトリさんたち、リリアン世代が多いのではないかしらと思われますので、たぶん皆さん 「わたしもわたしもー!」とよろこぶ予感。
おはじき リリアン 紙せっけん カエル? ミミズ? ・・・・・・ だぁいすき。
そして。おふたりの 「ヌケガラ」 ・・・ これにはコメントしませんが、しずかにだいじに何度も読ませていただきました。ありがとうです。
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連れてくるねと
言わなくたって
いつでも夜を
従えている
ふらっと
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そのなかにらむ
そこまでにらむ
みえないけれど
おびやかすもの
ふらっと
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連れてくる
辛いことも嬉しいことも
共に道連れ
視界の先まで
ぬちうむい
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そのなかに入っていく
ゆっくりとこわがらず
たしかめるため
ふみこんでみる
ぬちうむい
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ヌケガラ もぬけのから
三途の川のほとりから
風にはこんでほしいな
茜色染まる北の空まで
ぬちうむい
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うんそして。ふらっとさんとぬちうむいさん。おふたりの「そのなかに」、続けて読むとじわじわとくる怖さがあって。
なにかはぜんぜんわからないのに 読む側の足もとがおびやかされるほどの重さを感じました。
ただ未知であるということの怖さ とか、年をとるほどに怖いものが増えますよねぇと思ったり。
ぬちうむいさん、お久しぶりのご投稿、ありがとうございます。また、お待ちしていますねー。
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連れてくる
あしたの
あなた
きょうここに
湘南坊主
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そのなかに
過去の
想いは
いらないの
湘南坊主
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ヌケガラは
ヌケガラ
として
そこにあり
湘南坊主
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連れてくる あしたのあなた きょうここに
これ! とてもとてもすきでした。
坊主さんの描く「あなた」の素敵さには定評がありますが、「あしたのあなた」 さいこうでしたっ。(←おおよろこび)
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連れてくる
秋
やってくる
冬
24の瞳(TAMA)
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ヌケガラ
夏を脱ぐ
そして
秋を着替える
24の瞳(TAMA)
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連れてくる
月明かりの秋の夜に
月光の使者が
木々を染める風と共に
24の瞳(まいこ)
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そのなかに何があるの?
のぞきこんだのは
カボチャのおばけの箱の中
トリック オア トリート!
24の瞳(まいこ)
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連れてくる風
それは季節、移り気な風
夏から秋に変わる瞬間
やっと涼しくなったなぁー
24の瞳(ミナモ)
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そして、「24の瞳」さんから、今回は4名の方が届けてくださいました。
皆さんの「連れてくる」、どれも大好きでした。
・連れてくる秋 やってくる冬
・月光の使者が 木々を染める風と共に
・それは季節、移り気な風
・私の体に風が吹く
皆さんの、季節を丁寧にみつめる視線や、ことばの選び方が、
どれも本当に素敵なのです。また楽しみにお待ちしていますねー。
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連れてくる
私の体に風が吹く
コスモスゆれる
風が秋を連れてきた
24の瞳(お日様)
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連れてくるよ。風にのせて
金木犀の香り ひつじ雲
気の早い雪虫も
ぬくもり恋しい神無月
こまはは
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そのなかに
赤を混ぜたら魅力的
たしかに。と頷きながら
なにも変えない 変わらない
こまはは
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ヌケガラひとつ
生きた証がここにある
2013年猛暑の夏
恋は成就したかしら
こまはは
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連れてくる
いなくなったわけじゃない
あのころのわたし
地層ぬるりと潜って澄んで
ひなた
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そのなかに
いくつも超えた感情が
煮えては崩れ
とけ込むスープ
ひなた
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ヌケガラを大事にしまって
次に進めない、諦めの悪い
そんなことちっぽけだ
全部包み込んで、いこう。
ひなた
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「スープ」 だよ 「スープ」 |
連れてくる
華やぎの光
やさしい風とともに
周りをそめて
そばかす
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そのなかに
包まれている
大きな未来
明るい夢
そばかす
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ヌケガラは
ぬぎすてて
大きく
なりなさい
そばかす
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そして、最後になりましたが、今回 「そのなかに大賞」を受賞しました、三名さまです。
こまははさんの 「赤を混ぜたら・・・・・・なにも変えない 変わらない」 すばらしかった。こまははさんのシリトリカラーができてきましたねっ。
そしてそして。ひなたさんには、スープがとてもお似合いですね。……過去に書かれていたホットケーキもそうなんだけど、食べ物に実感があるのです。
「煮えては崩れ とけ込むスープ」 大好きでした。
そして。そばかすさんはいつもどおりの安定感です。標語のようなまっすぐなことばを、こんなにも自然に佇ませることができるのは、そばかすさんだけかも……と思いながら 「大きな未来 明るい夢」 を読みましたっ。いつもありがとうです。
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連れてくる
凛とした夜気
晩秋の
今日という日をふりかえるため
soyo
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そのなかに
真骨頂がありそうで
もう向かってる
冬も待たずに
soyo |
ヌケガラのようね
だれかが脱ぎ捨てた
にぎりこぶしのままの
手袋
soyo |
「手袋」 だよ 「手袋」 |