cap verses / そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ


ぷーくま


2017

07/01
光をまとって佇む野原
これまで来た道
これから行く道
思案顔で

ぷーくま


公広という名の
影のある少年は
落とした視線の先でみたものを
映像にしようと決めました

ぷーくま

抹茶の恋の顛末は
甘くて苦くて
闇に紛れては
また顔をだす

ぷーくま







2016




2015





2014

07/01
スイカの種
くちにふくんで
絵日記帳の一ページ目
なに書こうか

ぷーくま
お願いごとひとつ
胸にしまい込んで
お稲荷さんまで
けんけんぱー

ぷーくま

変わらない
ひとの心の浮き沈み
いきどおりあきらめ
皮肉やさんは嫌いよ

ぷーくま
06/01
種の起源なんて
だいそれたことではないけれど
ちいさなものが誕生したときのこと
ときどき想像して息を吐く

ぷーくま

ちょっとムリして
背伸びしたら
遠くのほうで
手招きしてるひとがいた

ぷーくま
あなたのことを
すきになったのには
とくべつなことなんてなくて
呼吸が穏やかだったからなんです

ぷーくま
03/01
いとなみも
くうはくも
夜ごとに連なり
ぼんやりと影をつくる

ぷーくま
僕が僕であるために
という曲が街に流れていたころ
かなしくもないのに
かなしいふりして暮らしてたんだ、たぶん

ぷーくま
うすむらさきいろのきもち
花になぞらえて
すきだとかきらいだとか
ぼんやりきょうも思うの

ぷーくま






2013


10/01
庭であそぶ鶏一羽
縁日の可愛いころすぎて
なにを思うの
孵らないたまごひとつ

ぷーくま
わかったような顔で
相づちうって
意見をして
だいきらいよ

ぷーくま
それがあるから
きょうも生きます
それがなくなったら
強くなるでしょう

ぷーくま
01/01
100年の
記憶をとどめた
濃密な空気
昇る光に手をかざす

ぷーくま
のみこんだひとことの
重さと軽さのあいだ
息を詰めては
息を吐く

ぷーくま

雪に似たものになりたい
しんしんと音もなく降り積もり
世界から色を消し去り
いつしか消えてゆくものに

ぷーくま







2012

10/01
コスモスの花抱え三度目の秋
凛とした佇まいの奥に
ガラスの心を
隠した人でした

ぷーくま
ひとときの喧騒に
澱んだ気分を散らし
ふたたび
滓の積もる音しずかに

ぷーくま
るるる
さみしいときには
つぶやいてみるよ
るるる

ぷーくま
09/01
ひと粒の悔し涙
呑みこんで
じんとした喉の奥に
飴玉ひとつ

ぷーくま

さそわれて導かれた
気づかないほど
小さかった芽が
今はもう溢れるくらい

ぷーくま

この道のこと
やり直したかったころ
周りの所為にしてた
自分の所為にしてた

ぷーくま

05/01
難しい顔をするのは
嬉しい顔のうらがえしね
都合のいい
詮索はつづく

ぷーくま

何色にしよう
灰色が一番落ちつくのと
頑なだったのにね
一年前はね

ぷーくま

光る青さに
寄り添って
いつしかわたしも
同じ色となる

ぷーくま

04/01
流れるひとに混じり
行進する朝
ビルを掠めるカラスを想い
きょうも正しいという錯覚

ぷーくま
興奮した犬は嬉しくて
部屋のなかを駆け巡り
それを見つめるわたしは
冷静な母の目で

ぷーくま

知ったような顔して
ときどき振る舞うの
なにもかも知るのが
面倒なときがあるの

ぷーくま

02/01
ふと現れる恥じらいが
憎まれ口ばかりの横顔に
色を差し
目を淡くする

ぷーくま
ひとりの淋しさは
ふたりの寂しさに
体温を合わせれば
おんなじくらいね

ぷーくま
いまはこのままと
目を閉じ耳を塞いで
通り過ぎるのを待った
遠ざかっていることも知らず

ぷーくま
01/01
待っているかもしれない
まだみぬ人がと
目のまえのことに
目を向けない口実として

ぷーくま
物言わぬ
花のように樹のように
小鳥のように
まっすぐでありたい

ぷーくま

少し苦しい胸のうちを
打ちあけることができたなら
堕ちてしまうでしょうから
いまはこのまま

ぷーくま







2011

11/01
沈丁花の花のころ
夕がたの図書館まで物思い歩く
過去と現在の
未来は欠いて

ぷーくま
優しくありたいと
願うわたしの心の奥底では
たくさんの不満が渦巻いていて
ときどきばくはつする

ぷーくま

もうすぐ帰るひとを
居ずまいを正し待つ
はやる気持ちを
おくびにも出さず

ぷーくま
10/01
タイムリミットまで
戦い続けるということ
まっすぐ前を見つめて
器用ではないあなたらしい生き方

ぷーくま
それだけの荷物を一人で抱え
誰に頼るでもなく
誰に甘えるでもなく
すべてのひとに優しく

ぷーくま

保健室のせまい空間で
先生と一対一で
向かいあえるひとは
きっと将来幸せに暮らせると思うよ

ぷーくま
09/01
駆け巡る 駆け巡る
緑の原を 真白の原を
犬はそうして
真剣に生きてる

ぷーくま
ここよりさきへは
いかれません
たとえいっとき
心許したとしても

ぷーくま

ほっこりとした
お芋の  もろこしの
湯気の向こうに
おばあちゃんのまなざし

ぷーくま
08/01
じっと待つこと耐えること
得意なんですって
大きな声では言えなくて
だってまったく積極的じゃないでしょう

ぷーくま
どっちを選んだらって
いっつも近道さがしてたら
とっても遠回りをしてきたこと
気づいたから  ここからが本当のじぶん

ぷーくま

かえってきてね みんなで
くっついて甘えて喧嘩して
南の国まで旅をして
春になったらすごい飛びかた見せてね

ぷーくま

07/01
ひとりでいるよな
日曜日のお昼間   でも
隣の部屋の気配だけで
安心でした

ぷーくま
この時がずうっとと
願うわたしに比べて
あなたの心はあまりに平坦で
気が遠くなる心地

ぷーくま

ドングリを集めて
コンクリで殻をこすって
中の実が見えてきたら
楊枝で中身をほじりだすの  無心に

ぷーくま
06/01
原の字の印象は
清らかでのびやかで始まりで
それが  原子の力だなんて
どうして人は

ぷーくま
ゆっくり動く雲を見あげて
むこうに霞む月をみやって
ふうと息をはいたら
また明日がんばろう

ぷーくま
騒がしい場所で
自分の感情を偽って
静かな場所で
嘘つきって小さく言うの  いつも

ぷーくま
05/01
空は大きい
鳥たちがつうと舞い
地面ばかりをみていた
わたしを呼んだ

ぷーくま
すぐそこに呼ぶ声に
しんと耳をすます
雑念をいっとき振りはらって
しんと耳をすます

ぷーくま
ぐるぐるぐるぐる
雑念が巡り巡る
音のない部屋にひとり
わたしの心が騒がしい

ぷーくま
03/01
素材というゆるぎないもの
言葉にしぐさに
あなたの映すものに
見つけました
 
ぷーくま

笑ってください
触れてください
温めてください
ずっとそばにいてください

ぷーくま
にばんくらいがちょうどよい
いちばんじゃ近すぎるし
さんばんじゃ遠すぎる
あなたとの距離はにばんがいい

ぷーくま
02/01
ありがとう
ってね
ほんとのほんとはね
いいたかったんだ

ぷーくま

ひとつでいいから
あなたの大切なもの
わけてください
そうしてわたしに笑ってください

ぷーくま
消えてしまった
部屋の灯り
消えてしまった
あなたの想い

ぷーくま