cap verses / そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ

 

夏海さんのシリトリ



2002

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02/12
帰りたくなる 戻りたくなる
一番幸せだった時間へ
戻れないからこそ輝く時間
知りながら願う それはわがまま

夏海
ノートPCなんかなかった時代
日記はノートに書いていた
下手な文字が並んでるけど
喜怒哀楽を叫んでる

夏海
心に思うことは自由だから
せめて心の現実 桃源郷
平凡な毎日家族と過ごす
それが一番の贅沢だから

夏海
01/08 たぶんしあわせだった
きっとたのしかった
じぶんにじしんがないけど
こうかいはしなかった ことし

夏海

道はいくつもあったけど
歩み始めたこの道は 自分で選んだ
選ばず悔いるより 選んで納得したくて
今のわたし 悔いていないよ

夏海
ずっと
ずっと ずっと
どこまでも いつまでも
きっと 好きだよ

夏海




以下 2000〜2001

  12345678910111213141516 12345678910111213141516 12345678910111213141516
青い海 白い波頭 飛ぶかもめ
音の消える瞬間に飛ぼう
風を受けて ゆけるところまで
最後に見た風景はどこまでもの
青い海と空

夏海

あきらめて帰る夜道 ひとりの道
月だけが明るく照らす道
待ってても 一緒に帰ってくれないから
もう見つめない 初恋のひと さよなら

夏海

あの店に売ってるんです
愛と希望の詰まった 夢袋
早く買ってこなくちゃ 
欲張らないからたったひとつ
見つかればいい 夢袋

夏海

味付けは 慣れた母のが一番だ!
小さな葛藤 いくつも繰り返し
今はわたしの味が 家庭の味
母の味より 妻が勝つ瞬間

夏海

秋の宿題 空舞うとんぼの数は?
実った稲穂のいろ なぁに?
夕餉の煙の流れる先は?
夕暮れまでの時間になにしますか?

夏海

穴が空いた 空(くう)を掴んだ
そんな心ごと 抱きしめてくれた
そんな身体ごと 受け止めてくれた
そこに黙って待っていてくれたひと

夏海

あなたにあげるものは ひとつだけ
いつわらざる しんじつのこころだけ
ことばも けいれきも しょくぎょうも
もうそんなかざりは なにもいらない

夏海

溢れています とどめようもなく
ほぉらほら!ねぇねぇねぇ!
何するだぁ!せっかく用意したのに!
お風呂のお湯 こんなに溢れさせて

夏海

秋の日の思い出を閉じ込めた
タイムカプセルを開いた
昨日の続きのように目を閉じても
歩けるその場所 辛い場所から

夏海

あいして あいされて あいしかえして
あいにおぼれて あいにつかれた
あいしかないせかいにいきて
あいのなかで あいそがつきた

夏海

あめふりがすき 
木々の緑が落ち着いて
葉に 梢に当たる 雨の音
色鮮やかに影を落とす 葉
心も染める 雨の染色

夏海

一緒にいてね ずっとそばにいてね
甘えんぼでごめん でも離れずに
あなたの思い わたしが受け止め
わたしの涙は あなたのてのひら


夏海

いじわるなひとと 知り合って
意地悪 性悪 解っていながら
何故か惹かれて また誘われて
会話で意地悪 またけんか

夏海

いらなくなったメールを整理
思い出を整理
品物を整理
気づいたら自分がのっぺらぼう

夏海

いっぽんぎのきみ まっすぐなきみ
時々困るけど 羨ましいいっぽんぎ
「だってただ好きなだけなんだ」
このままどこまで 流れて行くの

夏海

痛くない?涙目で見上げると彼は
大丈夫、と肯く 白いマスクの向こうから
本当?僕を信じて。さぁ力を抜いて・・・
・・・いったいじゃん!虫歯の治療って!

夏海

井戸の中 吊るして冷やすスイカ
程よい冷え具合 歯に当たる感じ
庭で割るスイカ 種飛ばすよ ほら
今日のいちばん だぁれ?

夏海

いっしょにいたい ふたりでいたい
じぃんとくるこのフレーズ 聞かせたくて
あなたに送ったMD 聞いた感想
「いっしょにいたい ふたりでいたい」

夏海

※歌詞は、福山雅治 Squll より

海に行こう 
灼熱の空気に耐えかねて青い波
よせかえし くりかえし
いつもつよい風 海の風 髪乱し
焼けた砂 はだしで踏めばすがすがし

夏海

うまくごまかすね 
うわのそらできいてると
うちゅうのはてまで 
うきわかかえてとんでゆく
うちへおいでよ うたうたいながら
うんでみたけど うそはつみ

夏海

「ウソツキは地獄に落ちます、正直に」
そう教育した部下くん
互いの思いを隠して嫌いと嘘ついて
未だ すれ違うと赤面ばかり

夏海

え?ほんと?うっそ〜?違うの?
そんなぁ!いいじゃん!マジ?
ちょーむかつくじゃん!
え〜?え〜?やばいじゃん!!
(高校生の会話より)

夏海

えんぴつ えのぐ えんきんかん
えをかくのにひつようなもの
かさねたいろのなかに うまれるものは
えみをさそう まほうのこな

夏海

は喜怒哀楽の交差点
涙と笑顔がすれ違う
いろんな思いのひとたちが
同じホームの隣り合わせ

夏海

絵本 いいほん すきなほん
いろとりどりの 夢の本
あなたにもいっさつあげたいな
ね 暮らしが夢色になるよ

夏海

おじぎそう ねむのき 眠る木々
子守り歌を歌ってあげる
太郎と次郎を眠らせるのは 雪
夏の雲間に あなたは眠りぬ

夏海

にふれ、帰る記憶のあの日々に
変わらぬ笑顔、変わらぬ姿
わたしだけは変わったのに
29のまま、君が手を振る

夏海

おやすみがすきだった
しゃぼんだまをとばしながらの洗濯
おひさまのにおいの布団干し
いまはきらい 気もちのあめふり

夏海

おやすみしたい おかあさん
さっぱりやすんで おんなのひと
でもすぐにきになって
もどってしまう 母の顔

夏海

思い出すことは よいこと?
思い出すことは 悪いこと?
誰にも答えられない 決められない
いつも思い出の中 漂う舟のように

夏海

覚えきれない公式に 業を煮やして
さよなら告げた 数学、物理、化学
今じゃ時々仕事の世界に訪ねてくるの
ごめんなさいね 理解できない

夏海

追って来るかな 独走態勢を
後ろを振り返らないように 突っ走った
得意げにふっ!と振り返ったら
すぐ後ろにライバル 試験の結果

夏海

おじさんになったということば
良く口にする 誕生日の後
人は生きている間 みんな同じ年だよ
一緒に年を重ねて行こう 先越さず

夏海

おめでとうございますおとこのこですよ
ありがとうございます
でもおんなのこがよかった
そんなこといわないでほらかわいいでしょ
てにしたほんをぶきに
そりおとしたかったせいき

夏海

音楽会 それがわたしの仕事場
音を紡ぐ 団員の指
指示を出す 指揮者の腕
しなやかな 手仕事

夏海

おもちゃかぼちゃ 収獲しました
何で1本の蔓に バラエティ豊かに?
一つとして同じ物が出来ないのは
神様の創作意欲のもんだい?

夏海

隠すしかない 本当の気持ち
言い出せないことばが 雪のように
降りつむこころの中 しんしん雪だけが
賑やかに 密やかに舞う

夏海

我慢大会 始めます
会わないで我慢 呑まないで我慢
吸わないで我慢 楽しまないで我慢
息するのは我慢しないで下さい

夏海

火曜日が好きなんです
音楽の練習 燃えるゴミ
生協特売 限定ケーキ
あの人の仕事が 速く終わる日

夏海

かえろう でもどこへかえろう
かえるばしょなんか どこにもなくて
でもくちをついてでることばは
かえろう ふるさとへかえろう・・・

夏海

帳」吊って眠った 幼い頃
「蚊帳」は安心 魔物もお化けも
入れない
「蚊帳」見失って早幾とせ
「蚊帳」捜しても もういない

夏海

風は潮風 海の風
そこには 帆の花咲いていよ
風は潮風 凪の風
水平線を見つめ ただ立ち尽くす私

夏海

肩凝りにのんできく・・くすりもいいけど
凝り固まった肩に当たる 小さな手
力はまだあまりないけど 
これがかあさんの一番のくすり

夏海

からまわりする思い
繰り返す恋と 繰り返す出会い
本当に大切なものは 何?
本当に必要なものは 希望の明日

夏海

頑張れという言葉だけが 
心を支えている
泣き出しそうな逃げ出しそうな
わたしを支えてる

夏海

軽くなるかな 風船持って
出かけていった 健康診断
体重計に乗ってみたけど
マンガはうそつき 変わらないじゃん!

夏海

影のようにいつも 言葉にできず
心の中にぴったり張り付く思い
あなたは最悪のことを予想し
わたしは最悪を心に隠す

夏海

仮面をかぶれず
涙にくれて
正直すぎる自分は
大人なのに なさけない

夏海

固まって 冷えて 美味しくなって
待つ時間が我慢できないね
取り出して にっこり この手にして
アイスキャンデーは
あったかい部屋に限る

夏海

消えた恋 見失った思い みな白く
雪はしんしん隠してゆくよ
たくさんのメール みな消して
もう振り返らない さようなら


夏海

記念日は11/16 
あなたの逝った日
辛い記念日 だからこそ忘れずに
いつも見守ってくれる幸せ忘れずに
記念日それは 魂の再生の日

夏海

疑心暗鬼 何もいないのに鬼を生む
暗闇の中の鬼は 夜を待つ
自分で生み出した鬼に
夜の中で食われてしまう

夏海

切符の名前は 青春の18きっぷ
1枚で普通電車乗り放題
朝に地元を出発して
夜中に着いた青森
電車に乗るだけの旅もある

夏海

軋む雨音 風強く
ゆらぐこころを もっとゆらす
軋む時を 追いかけて 追いかけて
待つ晴れ間は 未だ遠く

夏海

みは瑠璃」とあだなを付けて
「きみは俺の文鳥だ」と
訳の分からぬ変なおとこ
集う友にもあだなをつけまくり
中2のあいつは「あだなの神様」

夏海

きつねいろのホットケーキ お皿に
今朝のご飯はなぁに? わぁい!
おかあさんのおいしいからねぇ
なに作っても 誉める出来た子供たち

夏海

気づいていたの ずっと前から
ただ意地張っていただけよ
負けたくなくて 勝ちたくて
でも結局 負けたね おめでとう

夏海

んぎょばち、かぶってみれば
世界が丸い(たぶん)
こまったことには もう抜けない
きみのあたまは そのままきんぎょ

夏海

傷は 治っても治っても
またすぐに ついてしまう
そんな心を抱いて生きて行くのに
何だか疲れてしまった

夏海

くすくす笑い 得意な笑い
あははは笑い 下品だね
ほほほほ笑い エセ奥様
笑いで女の表情は変わる

夏海

う(空)」ということばは
白くて 広くて 果てしなくて
「くう(空)」ということばは
からっぽ なにもない 無にもどる

夏海

口喧嘩 機関銃のように発射される
罵詈雑言の山 
どっちが早い?どっちが多い?
くたびれ果てて 日が暮れて
泣いた分だけ疲れたね 勝負あった

夏海

むりたなびく 山里に
暮れなずむ日は いそぎあし
かえろ かえろよ お家へかえろ
待つは夕餉と 母の顔

夏海

げんかんはいったら ならんだくつ
奥から出てくる こどもにこども
またまたこども はてしなく
「つめ放題」を思い出すほどに

夏海

原色 あか+あお+みどり
段々混ぜると黒くなる
光の原色 あか+あお+きいろ
段々混ぜると透明に輝くね

夏海

化粧品 外国ブランドを使う日は
愛しの方との デートの日
化粧品 スーパーブランド使う日は
子供の学校の 参観日

夏海

ことばなくても伝わる思い
空の彼方にいる人へ
元気ですか わたしは元気です
いつもそのことば 心に秘めて

夏海

コルクを抜いて 開けるワイン
乾杯しましょ 今夜は記念日
揺れるキャンドルの向こうのあなた
笑っててよ 今夜で別離(わかれ)

夏海

午前2時 あなたの眠れない夜
わたしも時計の針とお友達
午前6時 あなたの起き出す時間
わたしはとうに 夢枕

夏海

壊してよ 起こしてよ
連れて逃げて この場所から
自分で作った 硬い硬い鎧脱がして
自由になる手伝い 少しだけして

夏海

んなうた あんなうた たくさん
子供の小さな時は 母はみな
ソングライターになって
子供のための 歌作る

夏海

ちそうを 作った日に限り
夫は外食 夫は仕事
ごはんと納豆 ささやかな
母子の夕餉どき
夫ふいに帰って おかずなし

夏海

ごめんなさい あなたの望む人生が
送れていない 後悔ばかり
ごめんなさい 
今でもいつでも迷ってる
わたしが生きてて いいのかどうか

夏海

ささやかな宴 
月と星だけが見ていた
よろしくどうぞと一礼して
しずかにわたす こころの秘密の鍵
さよなら、って別れて帰らず済む家だね

夏海

寒いから たき火をしよう
燃やすものならたくさんあるから
思い出の詰まった品々燃やし
過去燃やし
せめて一夜の暖をとろう

夏海

さびしい さびしい さびしい
いくつつらねても いくつならべても
ことばはどんどん さむくなる
さびしい さびしい さびしい

夏海

探し回って 探しもとめて
探しぬいて 探して探して
そして気づいた なぁんだあった
尻尾は自分にゃ 見えないね

夏海

四季のある ひのもとのくには美しく
1年の中に 春夏秋冬 巡る
四季のある 
ロサンジェルスは陽気で1日の中に
春夏秋冬 巡り

夏海

食卓に並ぶおかずより 
魅力あるのはよこのお盆の スイカだよ
さぁ早く ゴハン食べよう
心ここにあらずの デザート待ち

夏海

しどろもどろになることば
糸がからんでしまった唇から
生まれるのは おもいつきのうそ
その嘘を埋める もう1つのうそ

夏海

真珠は女の涙の塊だから
持たないほうがいいのよ 幸せよ
そう言われたのにどうしても欲しくて
手に入れた途端に 涙の日々

夏海

時間がない ご飯もない
ミルクもない パンもない
朝食のたびに 繰り返す
年中行事 ないないづくし

夏海

白いブラウス 白い靴
白いスカートはレース
お出かけしましょ 用意はできた
心は潔白 白は制服

夏海

時間だけ 
過ぎてわたしは大人になって
時間だけ 
流れてあなたは過去になる
止められぬ時間 
止められぬ日常
時間を逆に流せたらいいのに

夏海

実験と称し 薬品を片端から
ビーカーに落としては混ぜ合わせてた
作りたかったのは ファンタジア
出来上がったのは「偽カルピス」なぜ?

夏海

証拠は残さず 心に飲み込む秘密
卵焼き 卵焼き 喋っちゃだめよ
わたしの体重 わたしの預金
こっそり秘密の ささやききいて

夏海

すいか みどり しまもよう
しまうま はしる サバンナ
夕陽 平原 1本の木
スケッチブックに描く 連想ゲーム

夏海

少しくらいいいじゃない
体重オーバー 非情の警告ベル
エレベーターに乗って一番
恥ずかしいのは「ブー」の音

夏海

すぐそこに潜むものは なあに?
危険/おとしあな/あらいぐま
/ごきぶり恋/夢/
真っ白なシルクのブラウス
あらぁ0点!の答案用紙?

夏海

スキップららら 足取りかるく
日傘を差して ワンピにスニーカー
デートに行くの デートは楽し
なんでも始まるまでが 楽しみ満載

夏海

スピーカーから流れるおしゃべりに
憧れ 押し掛け インタビュー
いつしか気づくと 自分の声も
電波に乗って リスナーへ届いてた

夏海

素顔のままで その歌詞を
美しい書体で書いて 渡してくれた
「きみは妹のよう」うっとりした
それから1年 けんかでさよなら

夏海

ずっと前から知っていた気がする
直ぐそんな気持ちになって
安易な恋愛に落ちて 我に返る
なぁんだ 全然知らない人だ

夏海

すこし笑えた ぎこちなくだけど
気取ろうとして すってんころりん
何気なく脱いだ靴 靴下に穴
ケンカのあとは 受け狙い?

夏海

いずいずっころばし こわかった
ちゃつぼにおちたら いけにえよ
自分の指に止まらぬように
心から祈った おさないひ 

夏海

すぱいす利かせて 会話をしたら
あっというまに きゃりあお姉ちゃん
ちょっと甘目に 会話をしたら
いつしか ばかにされていた

夏海

贅沢なのかな 休日出勤
夫が 炊事洗濯子守りのフルコース
「夫の鑑」とまでたたえられ
わたしは「悪妻」社会へ逃げる

夏海

「税金払っているんだ」が慣用句
もう慣れたけど 
毎度毎度の罵詈雑言
でも解ってないぜ こーむ員だって
ちゃんと税金払っていることを

夏海

間さまに恥ずかしいから
いちどくらいは 結婚しろ
その後すぐ帰って来ていいから
友はそう言われて 嫁いでいった

夏海

せきららなせんちめんたる 
背中に背負って
世界にせをむけ 責めずに生きる
政治は堂々巡りを繰り返し
全部の後に来るのは 無

夏海

せますぎる冷蔵庫の横 
ころがるビー玉
手が入らない 定規持って来て
あった!滑るね!そうそう、そこ
あっ!もっと奥へ行っちゃった!!

夏海

責めても無駄よ そう言い放って
貴方を置き去りにしてみたい
でも直ぐ振り返って
また 手を伸ばしてしまう自分がいる

夏海

全速力で走ってジャンプ!ジャンプ!
大好きだったのは ハードル競走
一つ飛び越すたびに 空が揺れ
1つ飛び越すたびに
あなたの腕に近づいた

夏海

んせいどうしてわかってくれないの
わたしにといかける 娘のひとみ
このひとみのままだと いつのひか
教育不信になってゆくのかしら

夏海

っせと歩く 前だけ向いて
せっせと歩けば 心は白く
せっせと歩く 前だけ見える
歩くぶんだけ きもちの洗濯

夏海

ぜんぶまっしろに変えました
いえじゅうのタオルをまっしろに
洗濯して干すのが楽しくて
青空の下 ひるがえる白

夏海

そんな感じで そう自然のままで
無理に笑わなくて良いよ 
でも笑顔のほうが好きだね
苦もなく微笑ませてくれる気遣い

夏海

添い寝 そばにいて ひとりは恐い
ふたりで暮らした 夏休み
救急車の音に脅えて
あなたの耳を塞ぐ
いつもその音に 
あなたは飛び出して行くから

夏海

ンビもサンゲリアも すぐおいで
ドラキュラもお岩さんも 急募
暑くてたまらぬこの夜を
涼ましてほしい すぐおいで

夏海

そのままでいて もう離れないで
手を繋いだまま 言葉もなくていいから
何も望まない そこにいるだけでいい
血潮の熱ささえ 伝わる瞬間(とき)

夏海

ぞっとする夢 見てうなされて
目覚めたら 側には日常
あなたの寝息 あなたの姿
これが現実? 夢が現実?

夏海

ためらわないで 手を離した
落ちて行くあなたを ただ見送って
自分で生み出した 永劫の別れ
何の感情もなく 背を向けた

夏海

騙して騙され どちらが騙した
結論も分からぬままに 別れる
騙した騙された どちらが騙した
言い合う二人 自分が被害者

夏海

旅を たびたび繰り返し
からくり ゆっくり 日が暮れて
誤魔化し いしゃらし かきわけて
人生はいつも旅だね 時を編む

夏海

※いしゃらし=方言で「どかす」こと

だまって だきしめる だいじなひと
だって 妥協しない 
だんだん離れるだれが だれと 
だましあった
ダムに沈める 堕落した心

夏海

誰そ彼(たれそ かれ)?
人の顔も確かめられぬ 逢魔が刻
今横を通りすぎていったのは 確か
川端康成さんじゃなかったかしら・・?

夏海

質(たち)が悪い 質屋に行く 質問する
疑いを後ろに秘めた 可哀相な漢字
本当は素直で木目細かくて
上品な意味の漢字なのにね

夏海

「たべてみたい」目を輝かせて
寄って来て 訴える娘よ
食べられないのよ「ケチ」怒るけど
「人食う」話は まだ難しい

夏海

たまに笑って 大半無表情
たまの笑いは ぎこちない
ねぇわたし 上手く笑えてる?
じぶんのかおすら いつもふしぜん

夏海

さな手 いつもわたしの手を捜し
つないできた かわいい娘
今はしっかりピアノ1オクターブの手
笑顔はまだあどけなく 幼いのに

夏海

小さな手 大人のあなたに比べると
いつも手のひら合わせ そう思ってた
優しい 繊細な指のあなたなのに 
この手がメス持つ 信じられない

夏海

チョコレート 渡したくて
あなたの留守に素早く置いてくるの
あなたに「おかえり」告げるのは
日だまりの中の ピンクのハート

夏海

宙ぶらりん ここはどこ わたしはだれ
いつも問い掛けて あたりを見回して
すがる腕は時々 うそつき
自分で道を 見つけなさい

夏海

「ちょうどいいかな」あてがう服が
もう短い え〜?うっそ〜?
成長すること嬉しいけれど
たまには同じ服 2年着てよね

夏海

ちらりと見せた こころのかたすみ
平気なの?本当はそうじゃないの?
毎日見ている人の命の終わり
そんなあなたを 抱きしめてあげたい

夏海

ちりめんじゃこ たたみいわし
牛乳 レバー 小魚
残さず食べなさいね 拷問ね
あと幾月で わたしは母に?

夏海
(あくまでフィクションです)

月の舟 夜を渡り流れ行く
すきとおる銀の髪 とき透かしつつ
歌うローレライ 誰そにとどく
ユニコーンの群れに惹かれ 
ささやく指先

夏海

つんとして 見ないふり
つんとして 知らん顔
つんとして 目線は遠く
しゅんとして こころはうつむく

夏海

つづけて つづき つつがなく
ついてがでる つのがでる つみつくり
つなわたり つつじのうえ 
つきやまのうえ
つよがり つよいふり つぎはなに

夏海

つみれじる つくりましょ
せりなずなごぎょうはこべらほとけのざ
春の七草たっぷり入れて
はるのかおりの つみれじる

夏海

連れてって 器量よしの梅が店先で
わたしにそう訴えるから 切なくて
連れてって じゃおいで うちの子に
今はお仲間 香る梅漬け

夏海

強くなりたい 傷ついた夜に思った
眠れない夜や 飲み明かした夜
たくさんの助言も貰ったけど
答えを見つけるのは 自分だよ

夏海

であった時に ひらめいた言葉
ワタシハアナタノツマニナル
であった時に 感じた言葉
ボクハキミノナイトニナル

夏海

いねいに やさしく そっと
梅雨のひぬまの コップ磨き
みなぴかぴかに 洗い上げ
みなぴかぴかに吹き上げていいお顔

夏海

井に上がったままの風船を
見上げて眠る お祭りの夜
朝の光に目覚めたら
となりに風船 寝ていたよ

夏海

てぶくろぬいで 見えた白い手
はぁっと息を吹きかける その横顔
短く切り揃えた髪 まっすぐなひとみ
今でも忘れない 高校の先輩

夏海

歯亀」を
「でっぱのかめ」と教えるから
得意に使った 人に言いまくった
ほんとの意味を知った時
教えたあいつを ぶちたくなった

夏海

できることなら僕がそばにいて
君を治してあげられたらいいのに
いいの 運命を受け入れてる
出会えた運命を信じてる

夏海

遠すぎるその星あなたの教えてくれた星
ミルキーウェイ 銀河の流れ
そこには だれがいる?だれがまつ?
誰にも解らない 繰り返される明日

夏海

とりあたま とりあたま
3歩あるいて直ぐ忘れる
同じ事を失敗して それでも
「あ?」と気づかない とりあたま

夏海

きっとしたよ 怒らせたかな
なにも考えないでことば 口にして
びくっとしたよ 悲しくなった
人を思いやれない自分が 嫌になった

夏海

どうしていますか 今は楽しい?
どうしていますか
今はいいことばかり?
といかけても こたえはもどらない
あなたのいる そらのくに

夏海

なにもいらない あなたの腕以外は
背を向けて ただ手だけつないで
それだけで守られているのを感じるから
Living inside your love

夏海

泣いちゃうよ 笑いを我慢し過ぎると
肩震え 歪む唇 痙攣する歯茎
かみ殺す笑いは 涙目を生み
伏せ目の後は 大笑い

夏海

何もかも目新しく 何もかも感激
普通に暮らせる喜び 普通である幸せ
ひとつづつ見つけて 
ひとつづつ確かめて
一歩一歩 歩いてゆこう

夏海

名古屋 名産 ういろにないろ
名無しのごんべが 後ろの正面
名門のお出のおじょうさま どうぞ 
名札がなくても お席はあちら

夏海

2杯目を空けて頂戴 
腕を組んで持つグラス
お互いに 相手に飲ませるのよ
 OK?
グラスに揺れる 赤ワイン
秘めたる毒ごと 飲み干そう

夏海

虹をそっと絡めとって
白地の反物 染めてみたい
帯は空色 簪陽の色
あでやかに微笑む 雪女のように

夏海

にあわない服 にあわないルージュ
にあわない髪型 にあわない言葉
にあわない仕事 にあわない立場
全てにあわないことに気づいてしまった

夏海

にじんだ文字の手紙の書き主 
追い掛けてにしに歩いて行きました
にわかに降り出す 冷たい雨は
にくにくしいね にちぼつまぎわ

夏海

濡れ髪を 梳き漉きつつ歌ううた
窓辺のローレライ 皆虜にしても
本当に捕まえたい人に 手は届かない
濡れ縁を渡る 風は快いのに

夏海

ぬきあし さしあし しのびあし
あなたに見つかるのが恥かしい
告白しちゃった後は 恥かしい
見つかっちゃった!
あなたの優しい笑顔に

夏海

 
寝顔のかわいさに つい騙されて
「子供は天使」なんて思ってしまう
天使の言うこと 何でも叶えたくなって
頑張って世話した 庭に植えたアサザ

夏海

寝顔見て幻滅した 百年の恋も
よだれを垂らした顔で醒め果てた
そんな事も知らず 
カッコつける寝起きに
やってきた 恋の終わりが

夏海

 

野の花の美しさ 気づく 野辺の道
誰の手も加わってないからこそ
自分の意志で咲いているからこそ
花は花の 生を全うするのね

夏海

のぞみは あなただけ
希望は あなただけ
こわいものはもうなにもないから
あなたとただ 歩んで行く人生

夏海

 
ぱりぱりと 食む(はむ)御新香
おいしいかい?こどもたち
作るだけで一向に わたしは食べたくない
和食なくても耐えられる 外国在住向き女

夏海

バトルの連続 毎日朝の御挨拶から
より高度な次元を求めていびりあう
そんな日々が続いて 早1年半
バトルがないと 夜も日も明けぬ

夏海

馬鹿なんです 大馬鹿なんです
どうしてうまとしかだとばかで
うしとやぎじゃいけないんだろ
そんな事ばかり考える 春の宵

夏海

パズルのように絡み合った感情
どう解けばいいのか 教えて下さい
解いているうち 答えの形が
どんどん変化して からむから 

夏海

所わきまえず笑う癖 直したい癖
突然の思い出し笑いに 相方は引く
いくつになっても 直らない
箸ころがっても 笑う癖

夏海

ハート ハード パート バード
まるや濁点の付け方一つで
言葉は着替える 目まぐるしく
でも濁りのないこの言葉が好き
 「ハート」

夏海

ぱっとみた めをそらす
ちらっとみた めをそむけ
ほほをそめてもういちど
じっとみた めをふせる

夏海

母に言う言葉は「めし」「ふろ」「寝る」
母が言う言葉は「めしをくえ」「ふろはいれ」
「寝ろ」 三単語で全ての生活可能だった
これがわたしの 高校時代

夏海

ばつゲームは「好きな人に告白」
そう聞いてわざと間違える クイズの答え
さぁ 言葉を告げるから聞いていて
この答えは 間違えないわ

夏海

花の散る午後 ひとり佇む
風のかたちに揺れる木々
てのひらでうける 夢のかけら
ハナミズキの花びら 心を染める

夏海

とつ ふたつ みっつ
ねぇ、おかあさん。
みっつをふたりでおんなじにわけるの
どっちに くれるの ふたつ くれるの
いつもなきたくなるな このことば

夏海

秘密の恋は 少し切ない
逢いたくても逢えない 胸が痛い
秘密の恋は 少し悲しい
見えない明日に はかなき願い

夏海

人込みの中に 見えなくなる後ろ姿
さっきまで愛していた人なのに
背中を見せた途端に なぜか
追い掛けられない 足がすくむ

夏海

秘密だよ そのひとことがすでに
誰でも知ってることという意味だ

夏海

日焼けあと鮮やかに残る
今年の夏の思い出とともに
プールでしょ 海でしょ
指折り数える思い出たち 輝く

夏海

ビビビのネズミ男 いつも脇役
ゲゲゲの鬼太郎に 勝てないね
やることなすこと どじばかり
でも憎めないやつ 可愛いやつ

夏海

ひとときだけ過ごす 仮想空間の中
あなたとわたしは 同じ名字に名を書く
わたしたち何に見えるだろう?夫婦?
いや 夫婦は手を繋がないさ

夏海

びんた食らわされつつ 泣きながら
励んだ珠算 今はもの笑いの種に
友は言う「算術の道は厳しいのね」と
歌まで作った♪そろばん一直線♪

夏海

ピンクのハート 手作りチョコレート
カシスのリキュールで染めた 
わたしの気持ち
届け 伝われ あなたの心に
お返しは あなたのKISSがいい

夏海

日々是好日 日々考える口実
日々雑記 日々は雑用の積み重ね
日比谷公園 覗きの名所
ひび 訛ったYさんいうところの「蛇」

夏海

二日酔い 最低の思いでいますよと
散々飲んだ翌朝の電話
わたしには身体を大事にと命ずのに
自分はなぁに?反省しなさい


夏海

ふしぜんなかいわ 
じゃしぜんって なに?
ぎこちないかいわ 
あなたのかおがみれない

夏海

降りそそぐ愛を信じられず
疑って 叩き壊した
真実はどこにあるのか解らず
形のない心と愛を 踏みにじって

夏海

ぷちとまとぷちっと歯ざわり楽しんで
目に鮮やかな 朱を見送った
ぷらりねは 
ぷかぷか生クリームの雲の上
ぷりぷり噛み締め さようなら

夏海

不器用な指先 編むレース
ひと針編んで 日傘で散歩
ひと針編んで 夏祭りの宵
夏の日の思いでつくろ
生成りのショール

夏海

ふいに聞く 「具合はどう?」
突然あなたは 
職業(しごと)を思い出す
狼狽するわたしは 言葉を返せず
沈黙だけが ふたりを包む

夏海

武器にするつもりじゃなかった
癖毛をストレートに直して表に出たら
人がみなわたしを振りかえる
交際まで申し込まれ 途方に暮れた

夏海

プライドの山盛り てんこ盛り
好きと言う言葉は 見ないふり
気取った 胸張った 威張った
差し出された腕見て 全てを忘れた

夏海

ブキミかもしれませんが
夏のお手入れ 必須なものは
乳を持ち上げ 制汗剤
ねぇ、婆ちゃん? ばらしちゃった

夏海

冬だから
オーストラリアの友達に電話
毎日聞く「暑い」に顔だけ暑い
更年期障害か?もしかして?

夏海

そくり隠した 上手く行った
へそくり作った うれしいな
へそくり出して 使おうとしたら
しっぱいしっぱい 場所はどこ

夏海

ベランダで並んで話す 受け持ちの子
他愛ない話なのに 二人きりがいいと
ベランダで過ごす時間は二人きりの蜜月
あなたには恋 わたしには仕事なのに

夏海

びもかえるも たくさんいてね
けむしもとかげも まよいこむ
そんな場所なの そんな職場
今日はネズミが 足元走った

夏海

平気で ぽいっと捨ててしまった
もう 思い残すことはないと
全て過去にしたつもり
漆喰塗ったら 浮き出る汚点(しみ)

夏海

べんかいは もうききたくない
べんごする しぶんじしん
べんりなおんなは もうやめたの
あとすることはただ べつり

夏海

本当は 桜の花が一番好き
二番目が ハマナスで
でも「好きな花は?」と問われ
つい「ばら」と答え あと自己嫌悪

夏海

んやり やんわり ふんわり
そんな気持ちと時間が好き
いらいら ぎすぎす きりきり
二文字言葉は ストレスの素

夏海

ボタンの花 雨に滲む色
幾重の花びらに 涙をためて
開ききった美しさ 後に残るのは
散り際の いさぎよさ

夏海

いまいつぶろ かたつむり
呼び名違えど 雨が好き
舞わぬなら と脅迫されて
舞わされたのでは かわいそう

夏海

窓を開けようと試みて
開け方間違え タイミング間違え
みたくないものみてしまい
あいたくない人に会ってしまう

夏海

街は色づき 華やぎ 葉を落とし
季節が変わって
ほわいといるみねいしょんの灯かりに
主役を譲る

夏海

待ってますなんて言われたら
あなた困るの知ってたから
わたしの口は勝手に
「さようなら」と言っていた

夏海

まゆげを剃って きりりと描く
口紅くっきり シャープなチーク
鏡に映せば あなたはだぁれ?
別人になってしまった 
まゆげが悲しい

夏海

間近に見てきた 
死と隣り合わせの日々
お隣の人 お向かいの人 いなくなる
だからこそ
自分はその仲間になるものかと
ただ ぼんやりと思っていた

夏海

魔法のじゅもん 誰か教えて
なりたい自分になれるように
なりたい環境になれるように
現在(いま)の全てを 愛せるように

夏海

三日月に 風鈴かけて涼みましょ
さえざえと 夜空を切り取り
妖しく光る 銀の弓
宇宙気流に 冴え渡る 音(ね)

夏海

乱れる息 乱れる髪
走るわたしの後から 風
静止して 我が身を振り返れば
雄大な歴史の中の かすかな紙魚

夏海

道案内 先を照らす 牡丹灯篭
着いてゆけば 行き先は闇
黄泉の国へ続く道 あしもと暗く
真綿の苦しみ始まるのも知らず

夏海

みだれた髪をかきあげて 風の中
去っていった人を思う
もう顔も思い出せないくらい
記憶にも残らない 薄いおもい

夏海

みちたりている このこころ
なんにもほしくなんかないよ
あなたがそこにいてくれたら
それだけで なにもいらない

夏海

蜜月はいつまでもは続かない
しょっぱい涙の時もあるし
苦渋を呑むときも 酢を呑むときもくる
だからこそ求める あまぁいひととき

夏海

無限大の愛情 溢れるほどに
泣いてばかりのわたしに注ぐ
いつも守られて いつも保護されて
わたしは何をお返ししたらいいの?

夏海

むだな出会いはないはずと
むりに思い込む 納得させる
むきになって 対峙する
無恥なまま装うわたしは 白無垢

夏海

無理しないで 平気だから
ひとりにしても だいじょうぶ
夢中で過ごした日々はもうちゃんと
たんすに整理 思い出に変わる

夏海

ムボウビに木陰で昼寝のネムリヒメ
おっと、おっとと、あぶないよ
気づくと回りは オオカミだらけ
夏は大胆 振りまく魅力

夏海

無理なんだって 難しいんだって
無駄なんだって 無茶なんだって
「妹ほしい」と言われても
むきにならないで ごめんね

夏海

眼を閉じたあなたの顔を見ていた
もう、開く事のない瞳を見つめた
あなたのことをいつも拒否して
この瞳を微笑ませたことなかったね

夏海

イ・ストーム吹き荒れ 折れた木々
あれからひとつき 咲いたよ 花が
植物は強いね 生きてるね
きみも咲かせて 命の花を

夏海

めじろ ほおじろ うたうたへ
うぐいす ちをはく たにわたり
はるのうたを そらたかくうたへ
いきるよろこび かみしめながら

夏海

めだまやき ただひとつの得意料理
めずらしい ピンクペッパー掛けて
めんどくさい 朝の儀式は止めて
めあたらしい 不思議を見つけて

夏海

もう平気だから手を離して自由にして
あなたの愛は 奴隷の愛
毎日の電話も 分刻みのメールも
わたしを縛るだけの手だてでしかない

夏海

もしもで始まる問いかけを
もう幾度しただろう
もう遅いのに まだ間に合うなんて
もうそうもいいところ

夏海

もしも 美人だったら
もしも 背が高かったら
考えても仕方ない もしも
もういちど生まれ変わって 適えたい

夏海

森の中を迷い 誘われた森の番人
幾つもの森をさ迷い 見つからない答え
見つからない出口 光のない世界
もう森へなんか行かない 
後悔だけが残る

夏海

森の中 吊るすハンモック
夏の日の 昼寝 心地よく
木漏れ日の読書 覚えているのは
ほんの数行 あとは彼方

夏海

束だよって からめた小指
置いていかないって言ったのに
ほんのすこし 目を閉じたなら
優しいうそつき あなたがいない

夏海

やしの木の木陰で昼寝した
ハンモックつって 本読みながら
こんなリゾート 天国だねぇ
そろそろ戻す 時計を逆に

夏海

 
夕方5時 退庁まであと何分?
窓染める夕焼けの色 空渡る風の色
気持ちのいい散歩に誘ってくれる
今日は残業 や〜めたっと!

夏海

夢の国 ぽん子憧れ宣言す
「大きくなったら皇室に入る」
せっせと励む 作法に茶の湯
「おもしろくなさそう」飽きて半月

夏海

 
夜のとばりのカーテン引いて
全てを覆い隠してしまおう
見るのが辛すぎる現実を 
今日は忘れる 明日はうつせみ

夏海

夜道を照らす月の明るさ
昼間にはない やわらかなひかり
熱のないひかりは 身体に優しくて
夜気と共に こころをつつむ

夏海

呼んでいる パチンコ屋のあの台が
連日ふらふら入り浸り 気づけば
財布はすっからかん
部下の君 しっかりしなさい!

夏海

ライターを弄ぶ しなやかな指
薬指に光るリングがまぶしいね
無くして 無くして 3つ目のリング
カミサンに内緒だぜ 笑顔は少年

夏海

   
りんごの季節 大事に抱いて
帰る道 ずっしり重い道
明日は何にする?アップルパイに
今日は何にする?アップルティーに

夏海

流氷のきしむ音だけの響く
灰白の空の下 ふたり
言葉も無く 立ち尽くす
見えているのは 永遠(とわ)の時

夏海

理由はふたつ 正解を選べ
1.好き 2.嫌い 3.よくわからない
そんな事書いたものだから 迷うよね
返事が来ないラブレター

夏海

ルビーなの 誕生石は赤い血の石
ひとつぶのいしは 
まるでハートのように
あなたとわたしの間で 脈打つ
つないだ手の中の薬指 
それはもうあなたのもの

夏海

   
     
ロスの夜 仕事を終えて帰るアパート
テレビよりラジオが友達 一人暮らし
アニタ・ベーカー「ラプチュア」
ひとばん中聞いて 夜更かししたっけ

夏海

ロッキング・チェアにもたれて揺れる
こころと、からだと、きもちと。
そろそろ季節 編み物の季節
今年はセーター編んであげるね

夏海

 
ワインならロゼだね 君に似合うのは
でもわたし まだ病み上がりよ
医者と胃薬も付いてるから ご安心
笑ってしまった 乾杯の音

夏海

わんたん作りました
たくさん作りました
雲呑(わんたん)は軽くて白くて
空の雲に混じって飛んで行きました

夏海

亦紅」我も恋う 君を恋う
「宵待ち草」酔い待ちくさ
待つ君の酔い
君が酔ったら言ってしまおう
急いでそっと
太陽にも負けない 熱き思い

夏海

悪いね ごめん たすかった
その言葉は本気ですか
本当に悪いと思うのなら 
笑ってないで
いつもごまかす 
「悪いね」は免罪符?

夏海

たのき わたのみ わたしのき
白き真実内に秘め 
元気に実るわたのみに
いつまでもはじけずそのままで
早くはじけろ 思いは交差

夏海

A
B
C
Freedom 自由を求めて
Fight 戦った
Faraway 遠く去った
Fire 希望の火

夏海

Deep 深く
Down 沈む
Day 日盛りに
Doing ただそうするだけ

夏海

ellow 初めての入国審査の時に
どきりとした「肌の色」の欄
わたしはYellowじゃなく 日本人
国籍関係ないんだって初めて感じた日

夏海