cap verses / そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ

 

          克惟さんのシリトリ


2004

12345678910111213141516 12345678910111213141516 12345678910111213141516
03/23 国もなく金もなく
風の噂も追い越して
ただ己に身を委ね
海を渡り星をめぐる

克惟
まわる私 まわる犬
待て待てとぐるぐると
待たん待たんとすいすいと
まわる私 まわる惑星

克惟
新学期だから
始まりだから
だから何だって
言われても困るけど

克惟
03/09 あなたが
いるから
この僕の
どこかに

克惟
毒舌なのは生まれつき
そう思えば腹も立たない
なんて
ウソ

克惟
姿が見えずともわかる
小さなあなたの息遣い
もうすぐ峠を越えてくる
桜の花と共に今年も

克惟
03/02 花びら萌える
瑞枝の指先
ふるえて待つは
恋の初風

克惟
ワクチン欲しいな
君への免疫
てんでないよな
ぼくちんだから

克惟
たずむ猫の子
野の花すみれ
ゆらりゆられて
はじけるプリズム

克惟
02/17
歌うならさやっぱり演歌
哀愁、未練、勇気、優しさ
決まっていつもたらたらで
大切なものを思い出す

克惟
感想文の宿題は
決まっていつも後回し
僕が思ったことなんて
複雑希薄で言葉にならない

克惟
敵わないや
君にはとても
謝るのは決まっていつも
君の方が先なんだ

克惟
02/10
廊下にもれる夜天光
冬ざれの野に迎えの合図
そっと抜け出し君と行こう
月の船で浪漫飛行

克惟
レモン
レソラシ
どうすりゃ
ソのまま食べれるか

克惟
彼女は彼方の女と言うが
こんなに不思議で難しいのは
僕が遠くにいるからだろか
それとも単に鈍いのだろか

克惟
02/03
暗号めいた
二人のやりとり
とても素敵な
秘密の匂い
 
克惟
帰りたい、とか
聞いちゃうと
悲しくなるけど
いいことなんでしょ

克惟
黒い雲から
天気雨
反対側には
虹が出るはず

克惟








2003


12/09 背中の無言
怒ってるね
僕には判る
尻尾が立ってる

克惟
たからかに宣誓
いかにも君らしい
苦しい出任せ
祖国のために

克惟
針の穴に通してと
糸を渡す祖母
後ろに隠したそれは
僕が破いた半ズボン

克惟
12/02 道端ねこじゃらし
枯れてもやせても
ねこじゃらし
堂々とねこじゃらし

克惟
ニャ〜にを言うか
まだまだいける
とニャえてやるぞ
いざ神妙に勝負だニャ

克惟
リズムをきざむ
僕の心臓
理由なく急かす
まるで叫び声

克惟
11/25 並んで仲良く
やさしい涙
流れて流れて
彼方の海まで

克惟
悲しい恋歌
紡ぎ歩いて
窓の隙間に
届いたかな

克惟
だからね
だからね
二人だけの
宝物だね

11/18 あることをないと言う
ないことをあると言う
君は稀代の嘘つき
かんぺきな平和主義者

克惟
ありがとう
口に出して
言えないので
肩を叩きます

克惟
気持ちを大切に薄く削って
紙飛行機みたいに折り畳んで
飛ばせるでしょうか
あの人の空まで

克惟
11/04 赤い頬した
ミツアミおさげ
町で見つけた
初恋の面影

克惟
指輪の約束
なんでもいい
金でも銀でも
白詰草でも

克惟
風船がくれた
花の種
お返しに僕は
水を捲こう

克惟
10/28
空まで届く?
嘘でもいいさ
飛ばしてみよう
君へ届けと

克惟
沈んでいった
君の笑顔
覚えているよ
最後の約束

克惟
限界ギリギリ有頂天
アクセル全開最高潮
ここでイくから
おいらなのさ

克惟
10/21
秋になっても
寂しくないよ
今年は隣に
君がいる

克惟
決めてきたよと君の笑顔
行きたいなら行っちまえ
待ってるなんて思うなよ
強引にでも着いて行くわ

克惟
ひとつふたつ
不満はあるけど
みっつよっつの
幸せが大事

克惟
10/14
やめられなくて
どうどうめぐり
とうとうあたし
あきらめついた

克惟
くさいセリフいつ覚えたの
慣れないことしなくても
君の言葉ならどうだって
逆らえるわけないのにね

克惟

10/07 ずしり一撃
必殺の右
ボブサップ並みの
あなたの言葉

克惟
右だろか左だろか
迷うのはきっと
地図じゃなくて
目的地をなくしたせい

克惟
「なのにわたしは」
なに、その台詞
君なんか全然関係ない
だからもう泣かないで

克惟
09/30 白白と明ける昨日の明日
僕の右手は相変わらず
空っぽのまま今日も行こう
ただひとつの為だけに

克惟
見せずに済むなら
そうしたい
自信がないから
回れ右

克惟
九月の秋風
かくれんぼ
落葉をめくって
ほら見つけた

克惟
09/23 裏表も裏の裏も
結局もとはひとつなの
どちらも相手がないと困る
ニワトリタマゴないい関係

克惟
上から下まで一通り
点数付けて比べるわけね
試される分の価値くらい
僕にもあるってことかしら

克惟








2002


08/27
またくるね
なんて気休め酷すぎる
優しい半分だけの嘘は
あなたが一番辛いのに

克惟
ぢりぢりと干からびた
アスファルトの蜥蜴
汗だくのまま
目が逸らせなかった

克惟
 
りんりんりん
軽やかに舞う夜
結い髪の房
浴衣姿の少女たち

克惟
06/11
その人々は口々に
ひとつ冒険を伝えゆく
日々淡々と軽やかに
揚々聶記行方知れず

克惟
大好きなものは
別なものなんです
ちょっと手段に
苦労してるだけ

克惟
さぁ 知らないな
そっぽ向くけど
その頬杖知ってる
嘘つく口元隠す癖

克惟
05/21 とまらない
このままいこう
とにかく目の前
いっこずつ

克惟
がんばれがんばれ
思わず言うけど
それっていつも
自分が辛いときだよな

克惟
元々バランスとるのは
得意なんだだから
どうってことない
もっと難しいこともある

克惟
04/30 贅沢ですよ
これだって
忘れたのかな
くれたのは君だよ

克惟
犬並の鼻だな
誤魔化せないや
でも嘘じゃないよ
黙ってただけ

克惟
土の上眠る姿
とても静かで
まるでそれは
君そのもの

克惟
04/23 許してね
なんて言える間柄
それはとても
理想的な贅沢で

克惟
こっち来るなよ
あっちじゃないよ
どっちならいいって
僕ならコインで即断だ

克惟
雨と晴れの境目を
とうとう見つけた旅人は
壁とか溝とかいうものが
途端に見えなくなったとさ

克惟
04/16 伝わったかな
今震えたね
思い出した?
憶えてたんだ?

克惟
シャツのシワ
いつも同じ場所
後姿でもわかる
僕の特等席だから

克惟
「できたできた
 夢のマシーン」
僕らが欲しいのは
それじゃない

克惟
03/12
よく見てよって
言えればいいのに
押し付けがましく
なっちゃいそうで

克惟
失礼、なんて
言っちゃって
でも照れたときの
その癖変わってない

克惟
息つぎ初めてできた夏
意地で登った秋の山
ずぶ濡れ笑った雪合戦
案外難しい別れの歌

克惟
03/05 耳をすませば
いつの間にか
眸閉じて緊張してる
行方だけでも感じたい

克惟
ふざけてばかり
掠り傷なんか見せつけて
そっちの傷は痛くないの
それが遠慮なら怒ってるよ

克惟
美的センス疑っちゃうね
僕にはとても理解不能
これが? これが?
笑顔で頷く君の方がさ

克惟
02/19 あの部屋へ
置き去りにした走り書き
今ごろ君はきっと
僕のずっと前を行く筈

克惟
証を見せろと疑う君
そう怒られるの僕は好き
試される分くらいには
必要だって思いたい

克惟
そこからなにが
見えますか
僕はここから
あなたが見えます

克惟
02/12
かえりたくなる
こんな日の午後
まだ帰るには早い
そんな曖昧な夕暮れ時

克惟
ノートの切れ端
色あせた伝言
他愛のない一言はとても
休み時間まで待てなかった

克惟
心にもない言い訳は
咄嗟の芝居な訳でもなく
酷い言葉を選ぶのも
君らしい信号だったの

克惟
02/05
まだ決めてない
て言うか考えてない
好きか嫌いかなんて
その場のカンジ

克惟
ページは前から
めくるのがいい
答えだけなんて
味気ないじゃん

克惟
「午後にいつもの所で」
気ままにぶらり待ち合わせ
大抵待つのは僕の方
時間を決めない僕のせい

克惟
01/08 たぶん、てそれ
いつもの返事
ぶっきらぼうの
「まかせとけ」

克惟
「道なりにまっすぐ」
おじさん言ったけど
Y路地なんて聞いてない
僕のまっすぐ選んじゃうよ

克惟
ずっくの片方
誰が隠した
困ってるよね
気になるあの子

克惟




以下 2000〜2001

  12345678910111213141516 12345678910111213141516 12345678910111213141516
あなたにあげる
本気で言ったと思っているの
馬鹿だね
これはとっくに君のだろう 馬鹿

克惟

悪徳坊主が何か言ってら
オイラ金の匂にゃ敏感なんだ
鼻が利くのも考えもんだ
ナマグサの方がずっとマシだろ

克惟

あの店に
あの日あのとき君はいた
今更気付くなんて
僕らしいだろう?

克惟

溢れていますか
今でもきらきら
時々だって
今更だって

克惟

あめふり 来ぬふり   
でも「久しぶり」
照れ隠しでしょ
その知らんぷり

克惟

足癖悪いって知ってるの
多分僕だけなんだろな
外ではイイコなんだよな
僕には遠慮がないんだよな

克惟

色恋のいろは
いろいろあるさと
田舎のいとこ
一体全体どうしたっていうんだい

克惟

糸を手繰り寄せても
結局ほつれただけ
壊すつもりはなかった
気付いて欲しかったんだ

克惟

「いらなくなった」と
あの子に言われた
ぬいぐるみはもう卒業か
僕らはそれでも友達だよね

克惟

うるせえうるせえ
ちょっと聞いとけ聞いてください
その先の道は
行き止まりなのに

克惟

嘘つきは嫌い?
そっと僕に訊いたけど
別に君は嘘つきじゃない
器用な照れ屋なんだよな

克惟

 
えんとつそうじの少年は
四角い小さな空見上げ
すうと横切る鳩の影
追って飛んで故郷の丘へ

克惟

   
追って来るかな
うん来た来た
単純な君
また救われた僕

克惟

お休みしたい
そろそろやっと
遊ぶの飽きたし疲れたし
明日は学校行こうかな

克惟

おじさんに貰ったさよならは
夏に届いたノコギリクワガタ
無口で強いカッコいいヤツ
ありがと僕のスーパースター

克惟

からまわり
そんなにしてない
本当だって
君の前でよくするだけさ

克惟

帰ろうって、何処行くのさ
道違うよそっちじゃない
でもまあ、いいけど
それでもこれは帰り道か

克惟

肩透かし いつ覚えたの
泣きたいのはこっちだよ
ほら
肩車してあげるからさ

克惟

かぜのない
きょうのような日
くつしたはかずに
けまりを猫と
こうしていれば
かおがゆるむ日

克惟

ガラスざいくの
がらくたを
がっこうがえりに見つけたら
がいこつ母さんやって来て
がいこく妖怪に
がらくたあげた

克惟

傷を見つめてから気付く
ああ切れたのか
顔を上げるとあいつの泣き顔
そうか僕は痛いんだ

克惟

切符をなくした
遊覧船が沖を行く
君ん家の屋根で
確信犯と天体観測

克惟

ぎこちない雨多いな最近
君は得意だよなこういう季節
僕は全くそうでもないけど
どうせまたもう決定なんだろ

克惟

決めたからさ もう
迷わないかと油断した
予定外じゃないか
今更届いたエアメイル

克惟

     
月曜日はさ
夕立だって大歓迎
暗い教室で作戦会議だ
雨が止むまで飽きるまで 

克惟

元気ないな どうかした
そう言う君こそ
何故そんな顔をしているの
僕は腹が減っただけ 本当さ

克惟

携帯した憶えはないけど
どこへ行くにも
遠く遠くついて来る
冷たく浮かぶ銀のくじら

克惟

     
探しているのは
小さな手のひら
覚えているのは
散り落ちたひとひら

克惟

寒いからって
言い訳ひとつ
君にくっつく
理由はふたつ

克惟

 
白は波が好きでした
船乗りたちが挨拶します
やあ白おはよう ご機嫌だね
きみは帰ることを忘れたくじら

克惟

しどろもどろ
きみの言い訳
それはどういうつもりなの
見抜いてくれって聞こえるよ

克惟

証拠がなくちゃ
だめなのかい
それじゃ無理だ
僕にはもう 無理だ

克惟

知りたくてもどうしてかな
肝心な言葉一つ分
いつも踏み込めない
だから ごめんな

克惟

十中八九 術中陥る
嫦娥光る そんな今夜
錠を壊して 見ていてあげる
自由な不自由 あなたにあげる

克惟

スキップららら
でたらめの踊り
今度は何があったの
そんな笑顔で

克惟

すぐそこに
しまっているのも忘れてしまい
あわてて探す
おもちゃ箱

克惟

図鑑でみつけた
新しい星
まさかと思う
あいつと同じ名

克惟

隙間しかなくても見えるなら
向こうへ手を伸ばしてみろよ
指先でだってわかるだろう
その気になれば続きもあるさ

克惟

ずいぶん遠くに行くんだね
手紙なんていらないよ
書くよりよっぽど会う方が早い
ぼくは今から筆無精になるから

克惟

せめてだったら
言わないで
結局あたなは
分からないんだね

克惟

制服ですか着てますよ
わかってますって周り見りゃ
一日しかないのが間違いだ
忘れてたんだよ衣替えなんて

克惟

「ぜんぶ」ってちょっと
押し付けがましい
そう微笑んでしまうのは
君の口癖だからかな

克惟

そこにいたって
しょうがないって
行こう?もうすぐ
よるごはん

克惟

そこにいた
そこにいて とは言えなくて
手に触れた尻尾に 救われて
どちらからともなく そこにいた

克惟

そのまま泣くのは
君の癖だね
よく見てごらん
足元の破片さ

克惟

たまに笑って
たまにでいい
それで僕には
最高の贅沢

克惟

旅人の名前なんて
覚えとくもんじゃない
またすれ違ったときに
思い出せばいいだろ

克惟

 
     
冷たいな
言ったら君は笑うんだ
どうせ冗談
そうさ冗談にしてしまえ

克惟

   
てぶくろが
片方しか見つからない
ああそうか
あのとき貸してそのままだ

克惟

伝説のガンマンは
南へ旅立った
あそこは何も通さない
理屈も恋人も届かない

克惟

 
所狭しと そびえる本棚
黄ばんだ古書 異国のがらくた
商店街の奥へと迷ってごらん
毎度こちら貸本十貨屋

克惟

どこですか
僕には見えないのです
あなたが指差す先なんて
僕にはとても遠いのです

克惟

 
流れながれて どこどこ行くの
行き先決まった流れに乗るの
そんなの全く興味ないの
ああ全くマッタクそれが我流

克惟

名のないなみだ
ならんで二人
何故かもわからず
ながしたぼくら

克惟

ないものねだり きりがないよ
あれもこれも ないものばかり
でも
たったひとつ あるからいいや

克惟

にあわない
いつだか笑って
きみが言った
ぼくの制服もう小さい

克惟 

虹の色を数えたね
ずぶ濡れのまま自転車止めて
にわか雨があがった
帰りの土手で

克惟

虹に向かって叫ぶ男
馬鹿に倣ってぼくも叫ぶ
拳銃ぶっ放して大笑い
虹が七色って誰が決めた

克惟

似た者同士って言うならさ
どこが似てるか教えてよ
分ってるんだ本当は
決して君には適わない

克惟

     
「ねえ早く」 
せっかちに流れる
ほうき雲
早く早くと秋をつつく

克惟

   
     
花が好きだったね
小さい真白の花
今年も沢山咲いたよ
君のいない君の庭に

克惟

母にあて
手紙を書こうと思いつき
途方にくれた
宛名の漢字

克惟

ぱんつの
ゴムを
入れ
替えた

克惟

バタンと閉めると
聞こえるかな
帰ったかなって
追って来るかな

克惟

馬鹿馬鹿ってうるさいな
習ったじゃん
馬鹿って言ったら
そっちの方が馬鹿

克惟

火の前で考える
膝抱えて揺らめき見つめ
薪の悲鳴屋根の雨音
もう三本くべればお風呂沸くよ

克惟

秘密だよ
僕は今夜の船で行く
地図をあげるよ
約束の代わりにさ

克惟

 
ふいに聞くとどうも弱い
ふとしたきっかけで思い出す
ふらりとこの街にやって来た
ふいと消えたお前の口癖

克惟

降りそそぐ君
安穏と僕は
その庇護に包まれ
横たわる

克惟

冬の時計塔
静かに待つ君
鐘の音は二つ
あの頃のまま

克惟

ふしぜんな涙
気付かないと思っているの
その滴の向こうの
ふくみ微笑い

克惟

武器は何だお前の武器は
荒波渡って行くのだろう
僕はこれだけこれひとつ
引き金にかかる人差し指

克惟

プードルプードル
ようこそ我が家へ
家族会議で襲名式
君は今日から「副社長」

克惟

不死 全能
そんなもんにこだわるのか
勿体無いとは思わないか
そんなもんはそんなもんさ

克惟

ぶっきらぼうに装って
照れ隠しのつもりかな
それじゃ僕も騙してあげる
君の優しい巧みな嘘で

克惟

ベランダで呼んでる
眠いんだけどな
月がこれだけ美人な夜はさ
もっと早く迎えに来てよ

克惟

「平気でやんの。」
なにその残念そうな顔。
今更遅いよその前の
ホッとした顔見ちゃったよ。

克惟

 
ボタンかけは案外面倒
寝坊したのが運の尽き
約束してたあの人の機嫌
随分かけ違えちゃったみたい

克惟

   
またあした
きみは笑って言うけれど
ごめん ぼくは
黙って手を振るよ

克惟

まゆげとまつげの区別
お父さんはつきません
だから娘はちょっと笑って
こっそり教えてあげました

克惟

まゆげの影 まぶたの色
もう少しだけそうしていて
今君が目を覚ましたら
そうしたら目が合ってしまう

克惟

瞬きひとつ
ただそれだけでも
君は立派な犯罪者
僕にとってはね

克惟

窓に伝言
指で残した
左右逆文字
「そ」はちょっと難しい

克惟

街くたびれて
待ち焦がれた
まちまち転がる
ゴミ回収日

克惟

みんなって
それは別にさ
あなたにも あなたにも
そんなようなさ

克惟

みっつ願いが叶うなら
優しい脳 素直な口
少し強引な足をください
僕じゃなくなる方がいい

克惟

蜜壷片手にいるかと訊かれ
僕は嫌いだと首を振る
何故と笑われ思い出す
金色沼に落ちた羽虫達

克惟

無駄骨だなんて
きみが言うなよ
それは僕が決めることだ
例えそれがきみのことでも

克惟

「胸に手を当て聞いてごらん」
呆れてあなたは言うけれど
そんな処にはもうないんだよ
今にも口から零れそう

克惟

 
めくじらなんて
たててないよ
ほら どこにもいない
そんなくじら

克惟

   
森で出会った
拙い笛の音
僕を呼ぶのは
あの日の君か

克惟

もっと好きにすればいい
君の選択権は君のもの
どうして僕を振り返るの
見てるだけさ気にするな

克惟

 
     
指を頂戴お前の指さ
そうだな全部とは言わないよ
あの子を捕らえて離さない
魔法の指だけ教えておくれ

克惟

愉快なお酒つぎましょか
ほらこれとても特別なんだ
美味いかだって?決まってる
あなたが昔教えてくれた

克惟

 
     
     
理由はふたつ?
そんな訳ないでしょ
君はいつだって結局
好きか嫌いか

克惟

   
     
冷蔵庫で見つけた電話
また何か考え事かな
こんなに冷えてもまだ
僕にかけてはくれないんだ

克惟

   
     
わかる気がする
気がするだけ
残念だけどそれでいい
即ち君が気になるんだ

克惟

   
A
B
C