cap verses / そよ日暮らし

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Andanteさんのしりとり



2002

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以下 2000〜2001

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青写真 描いたようには
いかぬもの
子育てはそういうものと心得る
そうあるべきと戒める

Andante

秋の日に
高き山のふもとにて
檻に乗ってる人間を
見やるサファリの獣たち

Andante

穴があいたらゆっくりと
繕えばいい  大丈夫
つぎはぎ増えたハートなら
前よりずっと強いから

Andante

あのメール いつかお互い
その道が クロスすること 願ってる
サヨナラの代わりの その言葉
生まれて初めて もらったよ

Andante

忙しいほどたくさんの
笑いさざめきあふれてた
友とすごした旧校舎
解体作業の報 見入る

Andante

今もまだ 指があの曲覚えてる
だけどもう しなやかさなど失って
「弾きたいの」「もう弾けない」と
手の上で 交錯してる夏の午後

Andante

 
     
絵本置き
寝入る娘の傍らで
額に張りつくその髪を
そっと直してキスをする

Andante

   
音楽会の帰り道
爪の先まで染み渡る
音色の妙に酔いしれて
ほてりを覚ます 星空のもと

Andante

   
軽くなるかな
ディプレッション
寝息ひとつを笑みに代え
夢であの角 曲がったら

Andante

ガイドブックの富士山と
似つかぬグレーシルエット
雲のえりまき 身にまとい
三日目には雲隠れ

Andante

 
記念日に贈られた花
ドライにし
残していたい その思い
移ろうものと知りながら

Andante

   
口ずさむあせない時の
メモワール
Cap Versesで遊んでは
温もる言葉を探してる

Andante

   
原色でまばゆい日々や
涙して曇った日々を
見せるのも
やがて恋知るあなたの瞳

Andante

   
コスモスの花にいざなわれ
子供と戯る日和かな
Riddle Riddle 秋なのに
どうして小春と言うんだろう?

Andante

声かけて 偶然会った
友だけど
はしゃぐ気持ちが そぐわない
トーンが下がる 図書館の午後

Andante

午前2時
聖夜の空のしじまから
誰かがそっと星そそぐ
夢見る子らの枕元へと

Andante

     

しょぼんとへこんだ この気持ち
車のステップ へこませたから
しばし帰らぬ 夫には
内緒で暮らそ ひそやかに

Andante

“証拠”を見せろと
ヘリクツを言う君だから
ゴシックの72ビットで
打てばいい?

Andante

時間だけでは 忘れえぬ
夢にまで見る 若き君
20年を 経ても今なお 初恋は
フラッシュバックを 繰り返す

Andante

スキップらららと床を踏む
小さなバレエシューズにも
キャリアのきざはし
見え隠れ

Andante

少しくらいの切なさも
年つきを経て幾重にも
心に身体に刷り込まれ
薄らぎゆかない人がおり

Andante

ずさんでずぼら
ずるくて図々しい
ズシンときてる その気持ち
忘れないでね ミルクやさん

Andante

切実な願いをかけて
ブラックの苦味に
頬をゆがめるなんて
私らしくはないけれど

Andante

センベイ布団 三畳一間
下駄を鳴らして銭湯へ
そんな時代もあったよね
昭和の長い道の途中

Andante

ぜんまいを巻き上げ
刻む Andante
振り子よ 時をとめないで
今宵奏でる「月光」のため

Andante

そぞろ歩いてななかまど
「赤い実とって」と
せがまれて
ジャンプした手に触れる秋

Andante

そんな感じでさらさらと
時計の砂がたゆみなく
いつも同じにさらさらと
流れるような日々もよし

Andante

 
たべてみたいと
妻の言う
有名店の チョコケーキ
携え 帰途の最終便  

Andante

第九の調べ
冬木立
空の青さは変わらねど
世紀が変わる夢の前

Andante

 

地図の上 夫の暮らすそのまちへ
指でなぞれば ひとっとび
さらに南下を 続ければ
一人漂う
Tropical Journey

Andante

宙ぶらりんな結末に
消化不良な読後感
深まる謎がもたれても
胃薬効かない もどかしさ

Andante

 
     
手を添えて導きたかった 陽だまりへ
小さいままに消え入った 命の証
今はただ 子らの開いた年の差に
思い至る時間だけ 

Andante

   
トトロに会ったの 覚えてる?
猫バス駆けた 森の風
いつから見えなくなったのか
遥かな夏の忘れ物・・・

Andante

   
夏祭り 
浴衣まといし幼子の
丸いくるぶし 恥ずかしげ
今年限りの花火柄

Andante

何もかも知り尽くしてる
したり顔
時事単語には知らんぷり
15年目の My Dictionary

Andante

 
     
     
寝顔そろえる兄妹の
大の字ふたつ寝息たて
あと幾程の
風景だろう

Andante

   
     
ハートやソウル
見えなくて
今日の手触り知りたくて
身体ぜんぶで確かめる

Andante

始めてよかった
とうとうと
流れる思いの一瞬を
言葉に換えて 形となりて

Andante

 
陽ざしとろける
フローリング
ツリーの星が影落とし
ゆらゆら金の輪舞かな

Andante

ひとりごと
白い息へと形変え
樹氷の間をさまよえば
愚痴さえ浄化されるだろうか

Andante

日焼け跡
顔と首と 腕だけで
白球追って
夏はゆく  

Andante

ふたりめを 望んでもなお
からっぽの 我が身うらんで
爪たてた そんな昔が
和みて去らず    

Andante

ふるさと離れた 雑踏で
買い求めた 江戸風鈴
ホテルの窓で 風含ませば
余韻短い 素朴な音(ね)

Andante

 
ヘキサゴン 組んで並べて
パズルのよう
野の花植える テラリウム
作りて置かん 冬の窓

Andante

   
     
窓ガラス
指で描かれたひらがなの
得意げに座す
子供の名

Andante

   
     
結んだその手の ビー玉の
青く清しい 輝きを
内にも持てと
笑顔 見つめて 

Andante

むづかしいよね 夢見続けること
何をしたいか なりたいか
シャボンのように 頼りなく
捕らえてみたら 手から消え

Andante

 
     
もう平気 家路についた真夜中の
カップ麺の湯気に消ゆ
旅のTension 銀翼の
向こうはすでに思い出と化す

Andante

   
     
     

容赦なきほど 流れ落つ
瀑布のしぶき 肌に染み
緑涼やかに
夏は来ぬ

Andante

よく食べよく寝て
よく遊べ
それだけ願った
日々遠く

Andante

 
     
六花ひとひら
はかなくて
さっくり固める
雪だるま

Andante

   
     
     
     
ワイン含んだくちびるが
さざなみ起こす言葉吐く
想う心とうらはらに
素直になれない若い恋

Andante

   
A
B
C
Cupに注いだ キャラメルティー
ほんのりと広がる甘さ 心地よく
とがった思い 溶かし出す
満たされていく ノスタルジー

Andante

Grate communication
誉められ 終えたオークション
船便で はるばる届いた小包に
なお一層の 愛着残して

Andante