cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ


NO.517  2024/03/01 (09人27作)
とろみも 季節のゲーム 記憶
とろみもやさしい
風邪の夜の
母のおかゆの
湯気恋し

ふみちゃん

季節のゲームか
スズメたち
競って落とす
朝桜

ふみちゃん
記憶よどうか消えないで
真夜中悲しげに鳴く
老いた愛犬
抱きしめる

ふみちゃん
とろみも甘さも
子供茶碗に八分目
風邪が治るまじないを大匙一杯
父が捏ねた熱々の片栗粉

いろ葉
 … 「粉」 だよ 「粉」
季節のゲームひとり遊び
春 はなと語らい 夏 なみと戯れ
秋 あかい葉と舞い
冬 ふるい帯締めお薄点てる

いろ葉
記憶は甦る度に
削られ 上書きされ
いつしか持ち易い
形と重さと匂いに

いろ葉
こんにちはこんにちは。
母のおかゆ と 父が捏ねた片栗粉 … そんな並びが嬉しくて。やさしいシリトリ、ありがとうです。 「記憶」のふたつも、だいじです。

いろ葉さんは、10年ぶり三度目のご投稿です。ありがとうありがとう。おかえりなさい。うれしいのです。
一昨年につくった「シリトリ物語 四行シリトリ作品集5」の編集の際に、なんどもなんども過去のシリトリ作品を読み返していたので
お名前も、作品も、とても親しく憶えていました。うれしぃなぁ。またお待ちしていますね。
とろみもろとも
呑み込んで
苦みを感じる
いとまあたえず

ふらっと
季節のゲーム
春の項
木々の芽吹きを
見つけるミッション

ふらっと
 … 「ミッション」 だよ 「ミッション」
記憶のなかの
あのころは
光ばかりが
あたたかかった

ふらっと

とろみもなでる
春風の
よりかかる月
菜の花畑

肉野菜
季節のゲーム
夕闇の風の粒子の
つぶつぶが
そこはかとなく春化している

肉野菜
記憶とも
さよならをする夕焼けの
いつも通りの
この道を行く

肉野菜

とろみもつけたよ
さあどうぞ
ゆっくりひとさじ
飲み込んで

ナツ
季節のゲーム
スタート画面は芽吹く春
美しい枯葉散り雪つもり
またふたたび芽吹きめぐる

ナツ
記憶はらはら
枯葉といっしょ
柔らかな
土のお布団のなか

ナツ
 … 「お布団のなか」 だよ! 
うーむ。なんとゆう、安定感の三方でしょう。行間や余白もふくめ、ぜんぶすき。
いつもほんとうにありがとうです。良い春になりますように。
とろみもひとさじおちゃにとき
むせることなくつまることなく
ふつうしょくひとりしょくおえ
ほっとするきょうはうるうび

ぬちうむい

季節のゲーム桜道で誰と出会う
お月様には何映る手帳に挟む紅葉落葉
雪の結晶顕微鏡覗いて比較撮影会
この国ながらの恵みを受けて

ぬちうむい
記憶は曖昧となり
五感すべて鈍くなり
体力筋力低下して錯覚ばかりでも
際どい暮らしぶりを自ら見届ける

ぬちうむい
とろみも甘みも
ほどよい葛湯
優しさじんわり
しみてくる

こまはは

季節のゲーム
フライングばかり
狂い咲きのオオデマリ
戸惑うばかり 2月の夏日

こまはは
記憶は曖昧にぼやけても
その時々の感情は
心の襞深く残ってる
とけない根雪のように

こまはは
縦ふたつ、きれいに並ぶシリトリの、そのお名前も含めての
ひらがなたちの表情が、とても豊かで、惹きつけられます。
ありがとうです。また楽しみにまってます。






とろみも光る
熱々の湯気が出ている
皿うどん 胡椒をかけて
仲良く食べよ

スー・
季節のゲーム始めたよ 
寒桜 玉縄桜
咲き比べ 河津桜が
早くもゴール

スー・
記憶だけ
その記憶だけひたすらに
思い返して
忘れぬように

スー・
「とろみ」って、なにか郷愁をさそうようなひびきなのかな、わからないけど、
今回は、みなさんわりと、しんとした心で 「とろみ」 に向き合っていて
だから、いま、ここにきて、この皿うどんをみてみたら、ひときわ美味しそうに光るとろみでありますね(*^-^*)
仲良く食べよ が好いですねー。 ありがとうです。また待ってます。









とろみもすこしまぜた言葉で
はがゆいくらい
遠まわりする
春には春の距離感がある

soyo
季節のゲーム
水音を 聞き分けていく
雪解けの湿地でしんと
それを聞きあう

soyo
記憶のなかに
いましたね いま
慎重にえらぶことばの
なかにとけてる

soyo