cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ


NO.511  2023/09/01 (09人27作)
食卓に 夏のならわし 17歳



食卓にガラスの器
涼しげな
この夏最後の
冷やしそうめん

ふみちゃん


夏のならわし
灯籠流し
祈りをのせて
ヒロシマの夜

ふみちゃん
17歳の
愛犬と過ごす
つらく愛しい
この夏の日々

ふみちゃん
食卓に
並ぶお料理
並ぶ笑顔が
何より大切

そばかす  … 
「切」 だよ 「切」
夏のならわし
冷えたスイカに
三色そうめん
茗荷と生姜を忘れずに

そばかす

17歳
あの時のわたしは
若すぎて
知らない事が多すぎて

そばかす
食卓に
ゴーヤがたくさん並ぶ夏
みどりの葉越しの
日差しはやさし

ふらっと

夏のならわし
短い午睡
すっと眠りに
引き込まれる至福

ふらっと
17歳のわたしへ
大人って
思っているより
ずっと子どもよ

ふらっと
食卓に
採れたてキュウリ
もろ味噌つけて
豪快に暑気払い

こまはは

夏のならわし
お盆のあれこれ
賑わい過ぎれば
それぞれの日常

こまはは
17歳
クールなふりして
すまし顔 堅くて
うぶな青林檎

こまはは
なんという涼しさでしょう。お題を超えて並ぶ素麺。すてきすてき。
茗荷と生姜とゴーヤとキュウリ。いいですねー。
なんかもう、こうゆうことが醍醐味だよね。シリトリの。

他にならんだ大事な想いのところどころに涼しい風が吹いていて。どれもがだいじ。
ありがとうです。





食卓に
味付けのりと卵焼き
何気ない暮らし
確かに瞬き

肉野菜
夏のならわし
朝顔のしぼむ夕暮れ
ふと振り返る
かげろうの道

肉野菜
17歳
テトラポットに空の下
波頭さざめく
沖を見ている

肉野菜

食卓にそろう顔
日々の色々を
かかえながらも
ありがとう

ナツ
夏のならわし
八月に入れば子供らは
入道雲を窓から見てる
秋の気配には知らん顔

ナツ
17歳は部活の日々で
学校までの道のりは
入道雲に向かって歩く
自分の影と蝉の声だけ

ナツ
 
 「声だけ」 だよ 「声だけ」
うむ。うつくしい17歳の風景に、ちょっとうっとりしています。すてき。
テトラポットって、絵にしても、文字にしても、思い出めいて、すごいです。
部活とか、入道雲とか、影とか、蝉も。自分の歩いた道のりがたちまち思い浮かんだり。
いとなつかしい風景でした。ありがとうです。
食卓においた
写真たて
風に揺れる風鈴と
わたしだけのお参り

ぬちうむい


夏のならわし
朝の陽に手を合わせ
昼の雲を追いまわし
夜のお月さまと見つめあう

ぬちうむい
17歳の心のドアを
遠慮がちに
ノックして
入り込んだのは君のはずでは

ぬちうむい
食卓に安物だけど
気に入った
穏やかな色の
ランチョンマット

スー・

夏のならわし幼い日
朝露足にまとわせて
ラジオ体操参加後の
夕暮れムームー盆踊り

スー・
17歳
みんなが眩しく見えていた
日焼けが苦手な体質が
うらめしかったあの夏休み

スー・
うん。日常の、きっとほんとにそこにある食卓なのだとおもいます。
「写真たてと風鈴と」  「穏やかな色のランチョンマット」 さりげなく、いとおしいもの。いいなー。
「夏のならわし」も、お二人ともが朝から夜へ、だいじな記憶。夏の一日。ありがとうです。











食卓に
だいたいぜんぶ載っていて
座したまま
ここでだいたいつくられる明日

soyo
 
夏のならわし
ひたむきに
ただよい秋を
うんとイメージするということ

soyo
   … 「こと」 だよ 「こと」
17歳のわたくしに
 届けたいメモ 
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soyo