cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ

NO.477 2020/11/01 (11組35作)
季節が過ぎる 涙ぐんだり ある



季節はすぎる
笑ったり遠くを見たり
染み込むように
とても静かに

肉野菜

涙ぐんだり
することもなく晩秋は
ゆるりと落ちる
夕日見つめて

肉野菜
あるいは
意味などないのかも
それでもよくて
月は浮かんで

肉野菜
季節が過ぎる
金木犀の香る風
記憶のページがてんでにめくれ
思い出たちが舞い遊ぶ

ナツ
   … 「ぶ」 だよ 「ぶ」
涙ぐんだり大きな声で笑ったり
周りの空気が読めなくて
日暮れの頃に黙りこみ
ひとりあれこれ反省会

ナツ
あることありがたく
ないこと 追わず 穏やかに
静かな佇まいでいたい
念じるばかりでかなわないけど

ナツ
季節がすぎる
中秋の名月眺め
お茶を飲む
こんな事こそ本当の幸

スー・
涙ぐんだり笑ったり
ぼんやりしながら
秋風を感じる足に
我が猫の顔

スー・
あるこうか
あの角曲がり
その先の
金木犀のある所まで

スー・
  
季節がすぎる
旬の果実が染まるたび
背伸びしてもぎ取って
甘み苦み丸かじり

ぬちうむい
涙ぐんだり
裏切られても
気丈にふるまう
君はとおくへ

ぬちうむい
あるけあるけ
のらりくらり
あるくあるく
おちばふみしめ

ぬちうむい
  … 「しめ」 だよ 「しめ」
こんにちは。こんにちは。復唱させてくださいね。

・・・・・ 季節はすぎる 笑ったり遠くを見たり 染み込むように とても静かに ・・・・・ 
・・・・・ 季節が過ぎる 金木犀の香る風 記憶のページがてんでにめくれ 思い出たちが舞い遊ぶ ・・・・・ 
・・・・・ あるこうか あの角曲がり その先の 金木犀のある所まで ・・・・・ 
・・・・・ あるけあるけ のらりくらり あるくあるく おちばふみしめ ・・・・・ 

はぁー。すてきな連作。ありがとうです。秋たけなわの。しずかなじかん。だいまんぞく。
です。

他の作品にも、すてきな思いがちりばめられてありますね。「あるいは意味などないのかも」 「ないこと追わず穏やかに」 「甘み苦み丸かじり」
そして。スーちゃんの 「こんなことこそ 本当の幸」 これがもうね、ほんものの幸 ほんとうに。 だいすきでした。 
季節がすぎる音がする
さらさらながれる
かさこそつもる
耳を澄ませば季節がみえる

ふらっと
涙ぐんだり
笑ったり
わたしまるごと
本を旅する

ふらっと

ある日の午後のことでした。
ふと気になった角を曲がると
見知らぬ景色に包まれて
遠くとおくに旅をしていた

ふらっと

季節が過ぎる
ギボシの葉に宿った
朝露の冷たさ
竜田姫の背中 垣間見ゆ

こまはは
涙ぐんだり ほっこりしたり
時空を超えて
旅もすれば恋もする
これぞ読書の醍醐味

こまはは

アルトは縁の下の力持ち
ソプラノは音楽係
仲を取り持つメゾ
心ひとつに奏でるハーモニー

こまはは
「本を旅する」 「時空を超えて」 すてきですねぇ。ほんとうに。
そこからつづく ふらっとさんの 「ある日の午後のことでした」 これも。宇宙のようにひろい、おおきなシリトリでした。すてきすてき。

そして。こまははさんの ギボシ 竜田姫 アルト ソプラノ ハーモニー 色とりどりなキーワードがとても新鮮でした☆  ありがとうです。






季節がすぎる夏
急におもいだす祖父母
いとことも仲よかった
少年時代

24の瞳(おちあい秋田)
 
あるある!
しょうゆソースかけすぎ!
味こいすぎ!ダメダメ!
舌がおかしくなるよ!

24の瞳(TAMA)

「急におもいだす」 っていうところが、とても良かった。
この四行を書きながら、思い出したり、懐かしんだり、してくれたのなら、
それはとても嬉しいことなのでした。ありがとうです。




ふふふ。TAMAさんのこういうの、
ほんとうに好きです。
びっくりまーくの真骨頂というような! たのしみっ!
季節がすぎる
秋が来ると思いだす
愛犬ルイと
お別れした日

24の瞳(あゆみ)
うんうん。わたしも、それ、ありますあります。だいじな記憶。
大事なことを、ここに書いて下さってありがとうです。教えてもらってうれしいのです。





季節がすぎる
人も通り過ぎる
そうしてまたひとつ
歳を取る

24の瞳(E・W)

涙ぐんだり
笑ったり
人間ってとても
忙しい生き物

24の瞳(E・W)
季節がすぎる
明後日もくる
見方をかえる
未来がうごく

湘南坊主

涙ぐんだり
オナラをしたり
人間なんて
そういうもんだ

湘南坊主

ある日の気分
お酒を飲んで
歩きたくなり
プチ酔っ払い

湘南坊主

なんでしょう。お二人のきもちのテンポが近しい感じ。
「人も通り過ぎる」 と 「明後日もくる」 という表現が、とてもよかったです。
なんか、その二行目には、先を急ぐ人の視線を立ち止まらせる力がありますねー。

あ。 「涙ぐんだり」  これも忘れずに縦読みしてみて下さいね(*^-^*)
季節が過ぎると感じた
お月さまを見ていると ふと
東の下に 大きなオリオン座
暑かった夏も もう思い出の中

alice
涙ぐんだり 
ただ切なかったり
夏が去った後の 
優しい秋のせい

alice

ある日の午後・・・
から始まる物語
何々?って 
心惹きつける魔法の言葉

alice

季節がすぎるよ
北風の中
カサコソささやく
落ち葉たち

ふみちゃん
涙ぐんだり
もの思ったり…
やさしくなった
西日のせいかな

ふみちゃん

あるある、わかるよ。
思わず口をついて出た
薄っぺらい言葉が
宙に浮く

ふみちゃん
誰かと誰かのシリトリの、視線や、テーマや、ワードが、とても似ていたり、気持ちが通じ合っているなぁと思えるものに出会うと
わたくしは、とにかく、なんだかとてもうれしくて。なにがなんだかちょっと昂るほどなのですが(*^-^*) いまも、そんな感じ。 
「優しい秋のせい」 「やさしくなった 西日のせいかな」 なんとゆうか、まとう空気がほんとうにやさしくせつなくやわらかいから。 ありがとうです。

うん。そして。みなさんの 「季節がすぎる」をなんどもたくさん読んできて、最後に読み返した今、
ふみちゃんちの落ち葉の声が聞こえてしまう。 カサコソカサコソキセツガスギルヨ ……。 うん。ほんとうに、声がきこえる。すごいなぁ。






季節がすぎる
ひとりの まひる 
うつくしすぎる
かぜ ふきわたる

soyo
涙ぐんだり
絵をえがいたり
ただまどろんで
過ごす (夢かな)

soyo
  … 「夢かな」 だよ 「夢かな」
ある昼下がり
気づいてしまう
やっとたしかな手応えの
うらもおもてもぜんぶわたくし

soyo