cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ

NO.409 2015/03/01 (10組35作)     

冷めても 駅前 寂しくて
冷めてもおいしい
午後のお茶
笑顔とおしゃべり
デザートにして

ふみちゃん

駅前で
待っててくれた晩年の
母の小ささ
今も瞼に

ふみちゃん

寂しくて
冬の夜中の台所
慌てて止めた
水滴の音

ふみちゃん

冷めても
おいしいシチューと
かわいい人を
守りたい

24の瞳(ミント) ・・・ 「守りたい」 だよ
寂しくて
僕は君を想う
難しいことは
おとなになってもあるよ

24の瞳(ミント)

こんにちは。こんにちは。春のけはいが、ひごとにつのるこの時期なのに、ちょっとクールな寂しげなお題の並ぶ今回でした。 が、
そのせいかしら、なんとなく ノスタルジックな空気感。みなさんの四行ずつが相まって、どくとくの雰囲気のある三月号となりました。

ふみちゃんの「寂しくて」・・・ひとりっきりの真夜中のキッチンのシンクに落ちる水の音・・・あぁ。なんか、これはすごいなって思いました。
その、心細さにひびく水音のことは、たぶんみんなが知っていて、でもだれも、言葉にしたりはなかなかしない、そうゆうものでありますね。
「駅前」の四行からの流れもあって、よりいっそう心に残る水音でした。ありがとうです。

そして。24の瞳(ミント)さんの 「難しいことは おとなになってもあるよ」 と 「かわいい人を守りたい」 
このフレーズ、とても好きです。すーっと胸に落ちてきました。また楽しみにお待ちしていますね。




冷めてもなお
湧き上がる一瞬
瞬間であるがゆえ
瞬間であるがこそ

肉野菜


駅前の
ざわめき聞きて立ち止り
薄日の影の
動き見つめる

肉野菜

寂しくて
ビルの出口の外を見る
灰色の道路
冬の雨降り

肉野菜 ・・・ 「雨降り」 だよ 「雨降り」

冷めてもそれは
あたたかい
何度もかみしめ
いつでも味わう

ふらっと


駅前を
ただ行き過ぎる
改札をくぐるいつかを
心に抱いて

ふらっと

寂しくて
泣くわけじゃない
だっていま
春の予感の夕暮れにいる

ふらっと

五七五七七の短歌型のシリトリが多いお二人ですが、今回は、そこから外れたリズムの 「冷めても」 が妙に印象的でした。
「冷めてもなお 湧き上がる一瞬 瞬間であるがゆえ 瞬間であるがこそ」 
「冷めてもそれは あたたかい 何度もかみしめ いつでも味わう」
これ、なんのことかなって、情景を思い浮かべるたのしみを、こころゆくまで楽しみました。
読む人それぞれにゆだねられた その「瞬間」や「それ」。 書いた人の中にはしっかりとした背景があってこその魅力なのだと思いました。




冷めてもね
もうちょっとだけ考えて
心を開いてみてごらん
温め直そう もう一度だけ

スー・

 
駅前の
それぞれの場所の空気感
思い出とともに溢れ出し
引き戻されたら帰れなくなる

スー・


寂しくて
なんだか切ない雪の日は
子供の頃の無邪気さを
思い出してよ あのスノーマン

スー・

冷めても
冬の時期
ストレス発散を
しなきゃいけない

24の瞳(けんぼー)

駅前にある喫茶店
爺様マスターから息子夫妻に
コーヒーの味は変わらない
こういう店は残ってね

24の瞳(カメ)
 ・・・「ね」 だよ 「ね」

寂しくて三連休
ショッピングモールへ出かける
カップルに家族連ればかり
余計にへこむこの私

24の瞳(カメ)

うんうん。「駅前」って、今も普通に全国各地にある場所なのに、どうしてこんなになつかしいんでしょうね。
スー・ちゃんの 「引き戻されたら帰れなくなる」 ほんとうに。
そしてそれは (カメ)さんの 爺様マスターが居たあの喫茶店も同様で。連れて行かれて帰れなくなることでした。
そうゆう場所が自分の中にもあることの誇らしさ そうゆうことに想いを馳せるすてきな時間をいただけました。ありがとうです。

そしてそして。(けんぼー)さんの「冬のストレス発散」・・・スー・ちゃんの「寂しくて」から続いて読むと楽しくて。
雪の広場でスノーマンと遊ぶ自分をイメージすると、ああ それはもう それだけでストレス発散になりそうですね。
あ。それとも お料理をすることが(けんぼーさん)のストレス発散になるのかもしれないなーとかね、これもまた、あれこれ思って楽しみました。




冷めても
心があたたまる
書き置きついた
夜食は愛情の味



駅前に
寄り添い
にゃあにゃあ
双子の子猫



寂しくてやりきれなくて
起きる朝
なぐさめるよう
さえずる ひばりよ



冷めても
あたたかくても
美味しい料理
愛情のこもった手料理

24の瞳(ぷよぷよ)


寂しくてしょうがない時は
ネコと話をする
じっと動かず私の方を見て
大丈夫だよと言ってくれてるよう

24の瞳(ママ)


尊さんと(ぷよぷよ)さんの 「冷めても」は愛情つながりなのでした。
あぁこれは、正解だなって思いました。シリトリに正解なんてあるわけないんだけれどもね、でもこれは、
みんながハナマルをつけたくなるような嬉しい正解だなぁって思ったのでした。ありがとうです。

そして、(ママ)さんの「ネコ」と、尊さんの「子猫」と「ひばり」。肯定係、いやし係、なぐさめ係 ・・・おともだち。
さがしたら、こうしてかならず まわりには ぬくもりのある仲間がいてくれるんだよねぇって、あらためて思ったことです。
ありがとうです。また楽しみにお待ちしていますね。





冷めても
温まる
体内レンジ
稼働中

こまはは

駅前ゆきかう
人の波
隠し切れない
心模様映し出す

こまはは

寂しくて切なくて
お便り風にのせました
宛先はお空のこま
届いていますか

こまはは


ん〜。「寂しくて」 どちらもとても大切でした。こまははさんが、いつまでも、こまちゃんへの言葉を、
遠慮なく、自由に、思うままに書き連ねられる場所でありたいなと、そうゆう場所であれたらうれしいなぁと
いつも思っているのでした。もちろんほかの皆さんにとっても。だから、今回もまたありがとうございます。
寂しくて
あったかいんだから
落ち込んでいる時
やさしい声をありがとう

24の瞳(Teddy)

そして (Teddy)さんの 「寂しくて あっかいんだから」 これ、いいですねぇ。
「あったかいんだからぁ」って、いま流行っているみたいだけれど、やっぱり、単独でみても あったかくて心地よい言葉だからこそ、
たくさんの人に受け入れられているんだなぁと。妙に納得いたしましたよ。 
いま、ここでは、(Teddy)さんの言葉として、こんなにも力を持ってあたたかいです。うん。




冷めてもまた
すぐに再沸騰
ほんのすこしだけ
君に触れる

ぬちうむい

駅前でまた
待ちぼうけ
雲の変化に
時をゆだねる

ぬちうむい 


寂しくてまた
花街に身をまかせ
胸にしみる
朝を迎える

ぬちうむい

冷めても 気づかず
はずむお喋りに
目の前のスープも呆れ顔だね
いくつになっても楽しい女子会

alice

駅前で待ち合わせ もう数時間
だけど 帰るに帰れない
そのあとすぐに
あなたが来てくれそうで。。。

alice


寂しくて なつかしくて
涙こらえて歩く思い出の小径
あの時よりは
少し大人になったよ

alice

うん。そして。ノスタルジックな駅前シリーズでしたが、このお二人の駅前は、駅前たらん真骨頂(←大袈裟ですが)というような。
どんな人の人生においても「待ちぼうけのはじまり」は、圧倒的に駅前が多いかもしれませんね。
みんな、この駅前の風景を、空模様を、壁の時計を、雑踏を・・・思い出せると思います。
今回もすてきなシリトリありがとうございました。またお待ちしていますねー。







冷めてもそこに
永遠に
在りつづけるということば
さくごもそごもかくごのうえで

soyo


駅前で拾ったうたにメロディを
つけてる
わすれないように
うたいつづけて励ましている

soyo

寂しくて
忙しかった
永遠の遠心力とゆうような
そうゆうものに頼ったりして

soyo