cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ


NO.408 2015/02/01(12組39作)     

靴紐 戻る 待ってるよ
靴紐を
きゅっと
結んで
さあ、進もう

ふみちゃん

戻ることの
できない時が増えてゆく
刻一刻と
今も、もう過去
 
ふみちゃん
待ってるよ
会いたい人と夢の中
かたく約束したけれど
待ち合わす場所が思い出せずに
 
ふみちゃん

靴紐を
きつく結んで
唇も
きゅっと結んで

ふらっと


戻ることさえ
ためらわなければ
どこまでだって
きっと行けるよ

ふらっと

待ってるような
ゆりかごの月
不意にみつけて
なぜか泣きたい

ふらっと

安定感もシリトリ歴も、 お名前の字面も色も似ているお二人ですが、シリトリもこんなに似ていた今回でした。
「靴紐を きゅっと 結んで さあ、進もう」 「靴紐を きつく結んで 唇も きゅっと結んで」
 新年らしくて、気持ちがいいです。大好きでした。ありがとうです。今年もたよりにしちゃいます。どうぞよろしくお願いします。

そして、 「刻一刻と 今も、もう過去」 ・・・・・・うんうん。ほんとに、ほんとうに。今も、もう過去、この今も過去。刻一刻と。だいじだいじ。





靴紐を
結んだ顔を上げてみる
慣れた景色も
風を含んで

肉野菜 

戻る春
北風が吹く土くれに
繰り返される
芽吹きの緑

肉野菜

待ってるよ
この瞬間の明るさを
右手のコーヒー
とうに冷めても

肉野菜 ・・・ 「冷めても」 だよ 「冷めても」

靴紐をきちんと結べと
出した手を払いのけ
その勢いで旅立った
不器用さ似ているんだよ

ナツ
戻るのを待ち暮らすこと
経験し
出て行くばかりだった私
ごめん今更すぎるけど

ナツ

待ってるよは言わないよ
しんとした静かな場所で
待つことは
私の勉強なのだから

ナツ

言葉も視線も作風も、どんどん洗練されていくような・・・肉野菜さん、どれもとってもすてきですねぇ。
そして、想うこころや立ち位置がけっしてブレないナツさんのナツさんらしさがとても好きです。
お二人の 「待ってるよ」 ほんとにほんとに大好きでした。
「右手のコーヒー とうに冷めても」 「待つことは 私の勉強なのだから」 うん。




靴紐ほどけて
しゃがんだ目の先
蟻の子 散歩
わたしを追いこす


戻るもの、戻らぬものも
それぞれに
肩を濡らして
歩く駅前

    ・・・ 「駅前」 だよ 「駅前」
「待ってるよ」
ゆっくり進む秒針と
ぐーぐー鳴ってる
おなかとともに


靴紐結わく
その手に
気合を込めて
いざ、出陣

こまはは

戻る場所が
あるから言える
ただいま
やすらぎの4文字

こまはは

待ってるよ。
赤ちゃん蕾に
エール送る
如月2月春の息吹

こまはは

「戻る」というお題は、取り扱いが、やや難しかったですね。そんななか、このお二人のとても自然な詠み込み方がおみごとでした。
尊さんの「戻るもの、戻らぬものも それぞれに 肩を濡らして歩く駅前」 いいですねぇ。
駅前のネオンやいろとりどりの傘までが、行間に浮かんできます。

そして。こまははさんの やすらぎの4文字 も。とても好きです。
ただいま おかえり おやすみ おはよう あついね さむいね よんもじは みんないいよね。だいすきでした。




靴紐を
うまく結べず気をつけて
結んでもまた
何故かほどける

スー・
戻るから
また戻るから待っててね
ほんの少しだけ離れては
また繰り返し だからおんなじ

スー・
待ってるよ
そう言ってくれたあの人の
悲しげな顔を
思い出す夜

スー・


靴紐の色を替え
少しきつめに結び直し
気持ち新たに足元確かめ
また一歩ずつ

ぬちうむい


戻る
ことも
たいせつな
この頃

ぬちうむい

待ってるよ
気がおけない
胸にしみる
この場所で

ぬちうむい

普段、シリトリの作風にはあまり接点のなさそうなお二人ですが、今回は3作ともがなんとなく呼応しているようなのでした。
結びなおす靴紐や 戻るという、そのことの意味、そしてそこはかとなく ものがしさがただよう「待ってるよ」。
どれも良いです。あわせて読むともっとよいです。ありがとうです。またお待ちしていますねー。


靴紐が縦結びになってるよと
母が結び直してくれた遠い日
ちゃんと結べたことが嬉しくて
そして少し寂しくて。。。

alice*
  ・・・ 「寂しくて」 だよ 「寂しくて」

戻るか 行くか
迷ったとき 
わたしは行く方を選ぶはず
新しい何かがきっとあるから

alice*

『待ってるよ 返事』って
あなたからのメール
どうしよう どうしようって
心はもう決まっているに

alice*

そうですね。靴紐と縦結びとお母さんって、誰の中にもありそうな情景ですね。ありがとうです。

毎年2月のシリトリを更新する際に、投稿者さん別のページ の整理をするのですが、今それを終えてきました☆
昨年、あたらしくお仲間入りをしてくださったのはalice*さん、おひとりでした。

続けてご参加下さって、ありがとうです。これからもよろしくお付き合いくださいね。
靴紐ほどけて
すくむと
見える世界に
もう1つの答えがある

24の瞳(ミント)
 
戻るとき
すすむとき
むつかしいのが
決めるとき

24の瞳(ミント)
 
待ってるよ!
2020年!
東京は
世界を見ている

24の瞳(TAMA)
靴紐をしっかりと
結ばないとほどけてしまう
あなたと私の赤い糸は
ほどけませんように

24の瞳(レッドアイ)

戻ると言い残し、出ていった彼女
すぐ帰ってくると思っていたのに
三日たっても帰らない
こうして同棲時代は終わった

24の瞳(カメ)

「待ってるよ。」私が出かける
いつも愛犬と夫は待っている
やさしいんだね
また今日も出かける私

24の瞳(お日様)

そして、24の瞳さんです。みなさんの作品、いつも心の声をそのままにっという素直な作品が多く、
そういう素朴さの良さを思い出させていただくことが多いのですが、今回もまた、どれもよかった。ありがとうございます。
そして、なかでも今回は、ミントさんの 「戻る」に ヒトメボレでした。
 「戻るとき すすむとき むつかしいのが 決めるとき」  うんうん。ほんとに。 




靴紐かたほう
星柄にして
みんなと違う「少しだけ」に
少しだけうきうきしていたんだ

ひなた
戻る。たまに
読み返して
「コンコン」
あのころのわたし、今もいるかな

ひなた

待ってるよ
夜のバス
しんしんと
遠くをおもう

ひなた

そして最後はひなたさんです。『 みんなと違う「少しだけ」に 少しだけうきうきしていたんだ 』  うんうん。わかる。いいですねぇ。
読み返して「コンコン」も。「しんしんと 遠くをおもう」も、どれもやっぱり大好きでした。
どうぞ今年も引き続き、素敵なシリトリをお寄せくださいね。




靴紐とシュシュと手帳をあらためて
ぜんしんぜんしん
このみちを
いく

soyo


戻るボタンがあるからへいき
そう言って
あんしんしあう
未知のみちゆき

soyo

待ってるよ
待っているけどそんなには
待ってないふり
できる (上手に)

soyo