cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ



NO.364 2011/06/01 (19人50作) 
ゆっくり動く
騒がしい



原っぱに
吹く風青く涼やかに
私のからだを
通り抜けてく

ふみちゃん
ゆっくり動く
焦ることなく
自分のペースで
前へと進む

ふみちゃん
騒がしい
心をそっと静めてく
この雨音は
森のせせらぎ

ふみちゃん
原始から
種虹色の芽を吹いて
人類は今
木星に発つ

肉野菜
ゆっくり動く
気持ちの先は
雨の匂いに
振り返らない

肉野菜
騒がしい
幹線道路の街路樹の
葉にさらさらと
六月の雨

肉野菜

こんにちは。このお二人のこの六作がどれもすてきで大好き過ぎて、
ついうっかりとコメントを書きはじめてしまいました。  (←今月も書かないつもりでいたらしいです(^^ゞ


どうかゆっくりひとつずつ、縦読みしてみてくださいね。

この雨音は森のせせらぎ / 葉にさらさらと六月の雨
自分のペースで前へと進む / 雨の匂いに振り返らない

今月もまた、ありがとうです。こころから。
原っぱひとつ
のみこむくらいの
器量と素朴さ
ほしいままで

すみれのしずく

ゆっくり動く
空の雲たち
まばゆい太陽
おめでとう

すみれのしずく
騒がしい風
ケンカしながら
雨上がりの下
すみれの花が

すみれのしずく
原っぱとおくの春がすみ
見渡す限りとおくまで
手を振る影はきみやともだち
信じてわたしも手をふるよ!

ひなた

ゆっくり動くの私のこころ
日が沈むよりも季節変わるよりも
あの星についに海ができるよりも
だからあんしんしてね

ひなた
騒がしいのは好きじゃない
深い深い海の底
聞こえてくる笑い声たちに
嫉妬してもひとりでいるよ

ひなた
「ひとりでいるよ」 だよ
原っぱひとつ のみこむくらい  /  原っぱとおくの春がすみ
この始まりにイチコロでした。ありがとうです。すてきだなん……(うっとり)

や。うっとりしていて、ご紹介が遅れましたが 初登場のひなたさんです。ようこそここへ。ありがとうです。
「あの星についに海ができるよりも」 このフレーズもすばらしく。またのご投稿を楽しみにお待ちしていますね。(わくわく)





原っぱに落し物
揺れるランドセルから
オルガンの音符たち
バイバイまた明日ね

ナツ

ゆっくり動くよほら
辛抱強く見ていてご覧
時計の長いほうの針
入道雲のてっぺんのかたち

ナツ
騒がしい反省会
心の中の小人たちは
ああすればよかったのに
こうしていたらと後悔ばかり

ナツ
原っぱで
クローバー編んで
笑ってた幼子が
いま花嫁に

そばかす

ゆっくり動くように
時が止まるように
私の娘である
この時が

そばかす
騒がしい今を忘れ
想いでに遊ぶ
また賑やかな
未来にもどるために

そばかす
「この時が」 だよ 「この時が」
うーん。すてきな原っぱでした。だってだって 落し物は、
「揺れるランドセルからオルガンの音符たち」 なのですよ!!
これはもう、表彰したい落し物です。くー。すてき。

そしてそして。花嫁の母のきもちがせつせつと。
一連の作品として読みました。こみあげてくるものがあります。
さいごのね 「また賑やかな未来にもどるために」 ここ、すごくすごくすきでしたっ。





原っぱは
いちめん綿毛
飛び発つときを
待ってる綿毛

ふらっと

ゆっくり動く
雲にみとれて
帰り道など
忘れてしまう

ふらっと
騒がしいけど
愛らしい
さえずりの余韻
空っぽの巣に

ふらっと
 
原っぱいっぱい
真っ白じゅうたん
シロツメ草の
可愛いリング

みらい

 
ゆっくり動く
小さなお手々
ゆっくり動く
小さな微笑み

みらい
騒がしい騒がしい
夏到来だ蝉の声
あっちもこっちもジジジ
大合唱の始まりだ

みらい
原っぱ原っぱ
走ってくる走ってくる
小さなふたりの子供達
どっちが一番 よーいドン

みらい
ゆっくり動く
時の流れを
目を閉じて
感じ取る空間

みらい

「ドン」 だよ 「ドン」
原っぱは広々として
思い切り走り回ったり
のんびりと歩き続けては
ケヤキにもたれて夢うつつ

ぬちうむい

ゆっくり動くなぞる如く
ひとつひとつ感触を
たしかめ動くそそる如く
指先で夢の先へ

ぬちうむい
騒がしい私の心
いつからか夢みては
もどかしい胸のつかえ
いつまでも夢のまま
 
ぬちうむい
さてさてそして、まだまだつづく広い原っぱ。
原っぱは いちめん綿毛 / 原っぱいっぱい 真っ白じゅうたん / 原っぱ原っぱ / 原っぱは広々として 思い切り
……と、いうふうな広く広がる原っぱの原っぱ然とした姿。原っぱたちがよろこんでいることであります。ありがとうです。

ぬちうむいさん、三度目のご投稿です。忘れずにご参加くださりありがとうございます。またお待ちしていますね。





原っぱに寝転がり
雲を眺める
ゆっくりゆっくり
地球は回るね

歌鳥
ゆっくり動く
時計が欲しい
時間を気にせず
毎日を生きたい

歌鳥

騒がしい街で
ひとり歩くと
少し大人の気分で
なぜか寂しい

歌鳥
ゆっくり動く時計が欲しい ・・・・・・ うんうん ほんとにそうですね。
「え? まだこんな時間? わーい」 って、思えることが増えますように。お互いに。に。
まっすぐすなおなシリトリをありがとうです。うれしいのです。

そうそう。「騒がしい街で」 という始まりが ↓のokkaさんとお揃いでした。
雑踏の街を歩くひとりひとりのおふたりを思い描いたことでした。




原たいらに三千点
そんな守りの姿勢は嫌い
篠沢教授に全部のごとく
リスクを恐れずドカンと生きる

 okka

ゆっくり動く心でいたい
めまぐるしいのは
激情の果て
コマ送りのごと愛を抱く

 okka
騒がしい街で静かな気持ちになる
静かな風景の前で心荒れ狂う
予定調和は好みじゃないから
コインを投げて明日を占う

okka
さてさてさいごになりました。お待たせしましたokkaさんです。
予定調和は好みじゃなくて、リスクを恐れずドカンと生きて・・・・・・いやはや かっこいいのです。いいないいなー自由なかんじ。
それにしても クイズダービーなつかしぃです。篠沢教授に全部※、好きだったなぁ(^^ゞ 
はらたいらさんって、本名は 「原平」 とゆう漢字表記なのですね。ますます、氏そのものなイメージですねぇ。  

(※ なんのことかわからない方ように、こんなページを見つけました  →  「はらたいらさんに3000点」ってどういう意味ですか?
 / ご参考までに)




原子力
アトムの
ころから
こうだった?

湘南坊主
ゆっくり
動くと
時間が
変わる

湘南坊主
騒がしい
静かな
夜こそ
おぞましい

湘南坊主
や。そして。たった今、坊主さんが来てくれました(^^ゞ  お待ちしていましたよぉ。うれしぃなぁ。
歌鳥さんの「ゆっくり動く時計が欲しい」に、はげしくうなづいたところだったのですが
そこに呼応するかのような四行ですね・・・・・・そうか、そうか、そうですよねぇ ゆっくり動くと時間がねー。うんうん。
・・・ って、たいそう納得してみたところ。 忘れずに届けて下さりありがとうです。アトムもね。  

原っぱ抜けて
ササヤブのケモノミチから森へゆき
倒木に苔に水に触れ
この森だけをみてる ごめんね

soyo

ゆっくり動く観覧車から
見渡したいね
この森の
軌跡 それからわれの立ち位置

soyo
騒がしい楽しいことを遠ざけて
さみしくないか
さみしいよ
さみしいけれどこれがコージー

soyo






★ 追加しました (6月2日木曜日)
原の字の印象は
清らかでのびやかで始まりで
それが  原子の力だなんて
どうして人は

ぷーくま
ゆっくり動く雲を見あげて
むこうに霞む月をみやって
ふうと息をはいたら
また明日がんばろう

ぷーくま
騒がしい場所で
自分の感情を偽って
静かな場所で
嘘つきって小さく言うの  いつも

ぷーくま
ぷーくまさんです。ぷーくまさんです。今月もくまくましくてありがとうです。
「どうして人は」と言っているのも、むこうに霞む月をみやってふうと息を吐いているのも、
嘘つきって小さく言うのも、どうしてかしらプーさん的なクマの姿で描かれていて(私のあたまの中のことです)、
ほわっとね、くまくましい気持ちにさせてくれるのでした。ありがとうです。どれも大事で大好きなのです。





原っぱで
ごろごろしたいな
ネコのようなお昼ね
ニャーン

24の瞳(TAMA)
ゆっくり動く
風車回る
洗濯物がうごく
風がいく

24の瞳(TAMA)
騒がしい
私鉄電車
駅前のアパート
騒がしい車の音

24の瞳(ルンルン)

原ジャイアンツ
負けても知らん

中日ファン

24の瞳(M・I)
ゆっくり動く大切な時間
誰の上にも降り注ぐ
人として幸福のために
使いたい

24の瞳(H・I)

騒がしい
TV
ヘリコプター
電話の音

24の瞳(やっちゃん)

ええと。岐阜県で活動中の四行シリトリサークル「24の瞳」さんから、5名の方の作品をお寄せいただきました。
縁あって、7〜8年のお付き合いとなりましたが、個々の作品を寄せていただくのは、初めてのことです。
ようこそここへ、来てくださってありがとうです。

なにはともあれ、「原」の二つに、わくわくしました。TAMAさんの「ニャーン」がすてき。大好きでした。ひなたのにおい。
あぁ、そして。M・I さんの
 「原ジャイアンツ」 ! ここから 「僕 中日ファン」 にたどり着くという可笑しみが素晴らしいです。

TAMAさんの 「ゆっくり動く」 、それから ルンルンさんとやっちゃんさんの「騒がしい」 …
   … この三作の並列にきれいにならんだ(テニヲハのない)一行ずつがとても好きです。行間に、いろんな思いがうずまきますね。

そして。H・I さん。「ゆっくり動く大切な時間 誰の上にも降り注ぐ 人としての幸福のために 使いたい」 
これ、とてもだいじに読みました。尊い想いを丁寧に書いて届けて下さって、ありがとうです。ありがたいです。

またお会いできますことを楽しみにしていますね。