cap verses  /  そよ日暮らし

サイシンのシリトリ  これまでのシリトリ  投稿者さん別のシリトリ  はじめての方へ




NO.184 2003/09/09 (15人53作) 

読まずに捨てる


読まずに捨てる
手紙みたいに
放り出したい
悲しみの波

ふみちゃん

たぐりよせ
そっとこの手に包んでみたい
遠いお空の
あの星ひとつ

ふみちゃん
だんまりきめこむ
君の横顔
眺めて そっと
ひとり にんまり

ふみちゃん
悲しみっていう言葉、滅多に使わない人が、ふと口にするとものすごく、効いてきますね。
夜の海に寄せては消える、悲しみの波・・・そんな感じのしずけさの。
ねぇそして。 『遠いお空の あの星ひとつ』 こんな言葉もお似合いで、ますますふみちゃん度あっぷのふみちゃんなのでした。
ありがとうです。おなかいっぱい。 





読まずに捨てる
つもりだったのに
封を切ってしまったの
未練がましいと笑ってよ

ケト
ただそばにいる
それだけの幸せ
ただ泣いている
それだけの悲しみ

ケト
だってもさっても
ないんだからね
言い訳なんて
聞いてあげない

ケト
読まずに捨てる
気持ちは残る
想いは走る
くずかご探る

肉野菜
ただ一度
君は振り向き悲しい笑顔
季節はうつれど
忘れられずに

肉野菜
だけどもう
想いは遠く海の果て
夕日が透かす
波の影々

肉野菜
読まずに捨てる
説明書
ゴミ箱の中で
目が合った

すみれのしずく
ため息
ひとつ
あなた
宛てへの

すみれのしずく
だんだん
変わる
景色と
あたし

すみれのしずく
「だってもさっても・・・」  「だけどもう・・・」 「だんだんか変わる 景色と あたし」 
・・・というわけで、今週の 【「だ」大賞 】  を受賞された三名様でした(^^♪ どれもほんとに好きでした。
なんていうか刺激されてしまいました・・・それぞれの世界に。ありがとうです。ぱちぱちぱちち。





読まずに捨てる
ダイレクトメール
うちにゃ【太郎】は
おりまっしぇん!!

あ〜でるはいど
たくさんのキス
たくさんのウソ
キモチヨカッタけど
もう バイバイ‥

あ〜でるはいど
抱っこして眠る
今宵も仔猫
抱っこされ眠る
今宵は仔猫

あ〜でるはいど
「猫」 だよ 「猫」
読まずに捨てる
そして後悔しちゃうんだ
わかっているから
怖くても確かめる

夏野花
たくさんもらった
君の優しさ
ウソもホントも
全部まとめて君だった

夏野花
だったらいいなあ
頬杖ついて繰り返す
だったらいいなあ
あん 呼ばないで

夏野花
読まずに捨てるは 黒やぎみたく
何度も何度も 繰り返したい
手紙の文句 どうでも良いから
ほろほろと 白くて甘い君との関係

みきょう
たまにはいいよね ためらわず
色んなこと思い出して
ちょっと 嘘をつくの
胸の痛みを こっそり忘れて

みきょう
だいきらい。校庭へ描いた白線
もう思い出にするしかないね
それって愛とは違うかもしれない
会って伝えたいけど

みきょう
三つ並んだ「た」のシリトリを縦読みすると・・・おとなの恋には「嘘」が付きものなんですねぇってさとります(^^♪
「抱っこして・・・」 とか 「だったらいいなあ」 「だいきらい。」 そんなこんなな『だ』もすてき。
季節の言葉はひとつもないのに、なんとなく、夏をみおくる雰囲気な、そんな空気を匂わせているみなさんでした。ありがとぅです。




読まずに捨てる
たくさんの広告
作った人には
悲しい現実

スイートポテト
たのしいおはなし
いっぱいきかせて
ふたりのじかん
つかのまの とき

スイートポテト

だいこん とんとん
刻む音
お鍋が ふつふつ
煮える音

スイートポテト
「実」 だよ 「実」 「音」 だよ 「音」
読まずに捨てる
勇気があれば
あの日の明日に
立っていたかも

ふらっと
たったひとつの
たからもの
たしかめないで
たいせつにする

ふらっと
だまったままの
その横顔で
すべてを見抜いた
なんて言うから

ふらっと
読まずに捨てるとわかってるから
落書きみたいに思いつくまま
まごころだけはたっぷりと
とろけるほどに織りこみました  ⇒

ふらっと
たまらなく大切な
泣きたいほどに大切な
なのにことばにできなくて
掌ころがすだけなんだ  ⇒

ふらっと
だきかかえるひざ小僧
蹲りすすり泣く
くすんだ夜に半分の月
きっとあなたは読まずに捨てる  ⇒

ふらっと
ひらかなづくしの「た」がふたつ。とてもとても好きでした。
自分で書いたものを読み返すとき、「どうしてここは、ひらかななんだろう?」ってね、あとからいろいろ思うことも多いのだけれど、
人のものだとよくわかります。これは、もうはじめから、ひらかなで生まれてきたシリトリですもんね。うんうん。
スイポテさんの 『だいこん とんとん』 や ふらっとさんの下段シリトリンネもお見逃しなくー。拍手です。





読まずに捨てる ガラガラドン
手紙の中身は知っていた
ドンガラドンガラ橋渡り
峰を踏みしめ吼えたとさ

ふら・りー
旅が呼ぶ
風が手をとる
夕日が笑う
でも ここにいる

ふら・りー
ダメだしくらって
逃げたくなって
酒におぼれて
新月にらむ

ふら・りー
読まずに捨てる 15の春
手紙の悲しい結末に気付いた
読まずに捨てる 22の秋
深い優しさと苦渋の葛藤を知った

ふら・りー


「手紙の中身は知っていた ドンガラドンガラ橋渡り・・・」ずっしりとした重さをもった『読まずに捨てる』
なんども読んで、読むたびに、ずっしり感が増すような・・・。うん。ありがとうです。
そしてそれから、『旅が呼ぶ 風が手をとる・・・』 これもとっても好きでした。うんうんうんって読みました。




読まずに捨てる恋文は、
この間の雨の日に
そっとポストに入れたもの。
「宛先に尋ねなし」で戻ってきたもの。

おき@にごう
たぶん無理だよ
そんなこといっても
もう遅いし
ねぇ・・・

おき@にごう
だからそこのとこ
なんとかお願い!
そんなコト云わないで
締め切り延ばして!!

おき@にごう
「たぶん」と「だから」は、掛け合いです。1行ずつ交互に読んでくださいませ!にひひ。 ← 作者談
「読まずに捨てる」のドラマの中の、雨がとても好きでした。
雨降りの日に運ばれた、郵便物のしんなりしている様子とか、思い浮かべてせつなくて。
たぶんとだからの掛け合いシリトリ おもしろぃ〜♪ こういうところがさすがなのです。ぱちぱちぱちー。




読まずにすてる?
それとも読んで
受けとめてから
捨ててくれるかな?

スー・
たまらないほど
切ない気持ち
秋の気配の
風にとんでけ!

スー・
だいすきだけど
だまっておこう
だってまだまだ
だましちゃいそう。

スー・
読まずに捨てる
やぎにいったら
もったいないから
きっと食べちゃう

スー・
たいくつだけど
しあわせなんだ
ぼんやりなにかを
おもっているとき

スー・
だだだだだ〜っと
坂道をはしる
子供の頃の
あの気分さいこう!

スー・
読まずに捨てるよ
手紙なんてさ
書いた時点で
すっきりしちゃった

スー・
ただいまって・・・
だれもいないよ
ポストの広告
読まずに捨てる

スー・
(これは1人暮しの頃を思い出しましたね〜)
だいすきないろ
ただすきなきみ
秘めた思いは
読まずに捨てる

スー・
はい。たくさんのスーちゃんでした。
「たいくつだけど しあわせなんだ ぼんやりなにかを おもっているとき」 うんうんうん。
九つのシリトリの輪の真ん中に、この「たいくつだけどしあわせなんだ・・・」が、置かれると、そのまわりのシリトリが、
どれもとってもしあわせの素材みたいにみえてきて、そのこと にこにこうれしくて。うん。どれもこれもが好きでした♪





読まずに捨てる言の葉を 秋が
哀れと救いとる 河原の土手の 
月見草 あなたの変わりに 
受け取って 月を見ながら涙する

やじろべぇ
たゆまぬ想い せつせつと
文にしたため描いては
伝えられずに 秋の空
呪文のように繰り返す

やじろべぇ
誰のために生きるのか
そんな愚問を携える
ただ必要とされているから
生まれてきたのです

やじろべぇ
            
たった四行に
想いを込めて
ネットの空に
解き放つ

湘南坊主

     
やじろべぇさんって・・・なんて秋が似合うんでしょう。読まずに捨てるの月見草がたまらなく好きでした。
うん。そして、「たゆまぬ想い せつせつと ・・・」は、坊主さんの「たった四行に・・・」とリンクしていて
『秋の空に・・・繰り返す』 『ネットの空に解き放つ』 そんなこんなが仲良しでした。うれしぃの。



ありがとうです。ありがとうです。しみじみとした初秋のシリトリ、ご馳走様でした。




読まずに捨てる
そしてとぼけて
また書くの
「さっきの手紙のごようじなぁに?」

soyo
たえまなく
ないものねだりするまひる
ルールはひとつ
ないものだけをねだること

soyo
だいなしに ならないように
うしろでに
かくさなきゃだめ 
さいごまでだよ

soyo